84話 | |
2018年12月8日 セールちゃん「グノーシャ。セール=ウリウリ馳せ参じ(はせさんじ)ました」 |
警察の捜査メモをパクッてきた。 | |
渡せ。 |
数分後。 被災地の道路。 なゐの神衣は車を運転し、被災地の道路を走っていた。 |
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手を出せ。 | |
夜銃は車の真横を忍者のように並走し・・・ |
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(´。・ェ・)っ | |
夜銃は、なゐの神衣に捜査メモを手渡した。 |
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お父様? 誰と話を? |
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女銃鹿は助手席で体育座りをしながら、周囲を見回す。 が、、、状況が把握できない。 |
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調査を続けろ。 | |
御意。 | |
夜銃は静かに加速し 春風のように優しく静かに消えた。 |
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あれれ~? 車の外に何かいて消えたような~??? |
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斥候からの報告だ。 | |
なゐの神衣は自動車を止め 夜銃から渡された捜査メモに目を通す。 「捜査メモ」 |
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これって警察の捜査メモですか? いつの間にこんなもんをパクったんですか? |
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ふむ。 | |
ペら、ペら、ペららららららら・・・ (↑メモをめくる音) |
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あー、ページめくるのムッチャ早いですねー。 (速読ができるんですかー?) |
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・・・・ ・・ なゐの神衣が捜査メモを読みながら語る。 |
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なるほど、警察は今回の地震を人工地震と考えているのか。 | |
これは初動捜査でこけるパターンだな。 |
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はっ? 今回おきた地震って人工地震なんですか? |
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だったら地震をおこした容疑者もいるんですか? |
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容疑者は「みんなやる夫」人工地震研究の権威だそうだ。 | |
まぁ、今の技術を考えれば、大した事はない。 「みんなやる夫」 |
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はへー、人間も色々やってますねー。 | |
みんなやる夫は容疑者ではあるが・・・ | |
動機がなく。 そもそも人工地震を成功させたかどうか立証が困難だそうだ。 で、警察はみんなやる夫を泳がせながら証拠を集める予定らしい。 |
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はへー、警察さんでも対応に困る難事件ですか? | |
ふむ・・・ | |
なゐの神衣が女銃鹿を無視してメモを読み続け・・・ ・・・・ ・・ 気になるポイントを発見した。 |
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ん? | |
人工地震装置の近くでチンピラの死体が発見されただと? |
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チンピラ? | |
チンピラ・・・ チンピラ・・・ チンピラ・・・ |
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この事件で一番得をするチンピラ・・・ なゐの神衣がスタイリッシュに組んで考え込み・・・ そして即座に答えを出す。 ・・・・ ・・ ああ。 意外に分かりやすい話かもな。 |
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えっと、何か分かりましたか? | |
くっくっく。 | |
もし私の憶測・・・ いや、私の願望が当たっていたら あのカスチンピラは破滅だな。 「こいつは破滅だな」 なゐの神衣がいやーな笑みを浮かべる。 その笑顔は漫画によく登場する陰険なエリートメガネの歪んだ笑みにそっくりで、、、 女銃鹿はドン引きするしかなかった。 |
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うわぁ・・・笑顔がド悪人すぎる・・・ | |
(やはりお父様の本質は悪なんでしょうか?) |
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命令だ女銃鹿。 | |
おまえはみんなやる夫のサポートをしろ。 奴はいい手札になるかもしれん。 「みんなやる夫のサポートをしろ」 |
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みんなやる夫って容疑者ですよね? | |
容疑者だが、無実だ。 | |
おまえのユルユルお姉ちゃんキャラで支えになってやれ。 なゐの神衣は車のナビに住所をいれ、みんなやる夫の居場所を入力する。 |
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分かりました。 お父様は? |
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別行動だ。 | |
なゐの神衣は運転席から外に出て、ポケットからスマホを取り出す。 そして、スマホで素早くメールを打ち 80人のグノーシャにメールを一斉送信した。 「メール送信」 |
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って、もしかしてグノーシャ一斉召集ですか? そこまで重要な事態なんですか? |
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来い、ゴクつぶしども! | |
メールは一瞬でグノーシャ達に届く。 |
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ブーブーブー(バイブ音) | |
ブーーーーーーー!(バイブ音) グノーシャ達のスマホが揺れまくる! まくる! |
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うわぁ・・・おとんからメールだー。 (;´∀`)ウゼェ… |
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パパが来いってさー(゚⊿゚) | |
だりー、理由ないけどばっくれてー('A`) | |
40人のグノーシャが地図アプリから「なゐの神衣」の居場所を特定し、なゐの神衣がいる被災地に向かった。 |
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ちょっ! 私が一番近場じゃないの! |
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ほんと人使い荒いわ。 クソダディ。 「セール=ウリウリ」という名前のグノーシャも「なゐの神衣」からメールを受け取る。 「セール=ウリウリ(今回はチョイ登場するだけ、次章からメインヒロインになる)」 |
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ワン? なゐの神衣から連絡だワン? |
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セール=ウリウリは犬の散歩をしていたようだ。 |
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あんたも来なさい。グノーシャでもっとも優秀なあんたの力が必要よ。 |
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時給50万円 頂くワンU^ェ^Uっ | |
No1のプロブロガーならそれぐらい儲けてるわん。 |
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時給50万円!? なにそれ?ワンワンギャグ? |
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いえ。 ワンワンマジUo・∇・oU |
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セールちゃんと一緒にいた犬が、ジャンプしてセールちゃんの背中に乗る。 そしてセールちゃんにGOサインを送る。 |
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あーもー、働いても働いても儲(もう)からない! | |
∞行動!
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お父様はこれから何をするつもりですか? | |
女銃鹿が車の窓から身を乗り出し、外に出たなゐの神衣に質問する。 |
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凡庸で退屈・・・ | |
全てのヒーローがやる一般業務だな。 (おおよそグノーシャがやることではない) |
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へ? つまり? |
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つまり悪人退治だよ。 |
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お父様が悪人退治? お父様って善人だったんですか? |
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そうでもない。 | |
こいつはクソつまらん私怨(しえん)だ。 |
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普段から「人間と違う事をやれ」と言ってるお父様が | |
私怨(しえん)で悪人退治? そんなものがお父様のいうグノーシャらしい行動なのですか? |
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・・・・・・。 | |
なゐの神衣は答えない。 と、そんな時! |
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!??? | |
車を吹き飛ばしそうな突風とともに誰かが現れた! |
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グノーシャ。 セール=ウリウリ馳せ参じ(はせさんじ)ました。 |
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時給50万と1千円で働きます。 「セール=ウリウリ」 |
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セールちゃん! (なんか久しぶり!) |
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来たか。 ブラック企業ワーカー。 |
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時給50万とはふっかけたな。 その意気や良し。 とりあえず時給10万円で使ってやろう。 |
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ぐぬぬ、時給10万円でも大赤字なんですけどねぇ。 | |
セールちゃん時給50万円ゴチになりますワン。 U ̄ー ̄U |
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犬のグノーシャも突風とともに登場する。 |
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セールちゃんが背負ってる犬は何ですかね~? | |
あー、お姉さまもいたんですか・・・ | |
これはですね・・・ セールちゃんが説明しようとした瞬間! 百雷が一度に落ちたような音が鳴り響き、セールちゃんの背後で何かが流れ落ちた! |
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な!? | |
な!? | |
・・・・・∪・ω・∪ |
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社畜の2号! 蜻蛉斬り馳せ参じました! |
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蜻蛉斬りが稲妻のように現れる。 彼女の両手にはTRPGのマスタースクリーンが握られていた。 「蜻蛉斬り(とんぼきり)」 どうやらTRPGを遊んでる途中で、遊びをバックレてココに来たらしい。 蜻蛉斬りは上司の命令ならどんな状況でも駆けつける。 社畜生(しゃちくしょう)の鏡である(素晴らしい) |
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ふっ・・・ | |
物量型の蜻蛉斬りさん! そこまでの人出がいるんですか? |
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さらに、さらにグノーシャ達が登場する! |
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グノーシャ「ジャンピングフラッシュ」馳せ参じますた! (*・ε・*) |
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来たお(*゚o゚)ノ | |
ちーっす凸(-_-メ) | |
グノーシャが稲妻のように、次々となゐの神衣の背後に現れる。 現れる! 現れる! 現れまくる! |
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なななな・・・ | |
あー、大体40人ぐらい来たのね。 (なんともヒマ人だらけ・・・) |
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でさーパパリン~。 なんのようだよ~。 |
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楽しい楽しい労働の時間だ。 | |
全員、∞の捜査をせよ。 なゐの神衣がなれた口調でグノーシャ達に指示をだす。 |
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へーい(-ω-)ゝ | |
へーい(-ω-)ゝ | |
へーい( ̄^ ̄)凸 | |
なゐの神衣に逆らうグノーシャはなく、、、 なゐの神衣はグノーシャ達に破格の報酬を払うだけの財力を持つ。 歪(いびつ)な形ではあるが、なゐの神衣はグノーシャ達を上手く手なずけていた。 |
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行け。 |
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りょ! | |
りょ! | |
りょ! | |
りょ! | |
グノーシャ達はハジける花火のように拡散し、持ち場に移動する。 |
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ほんじゃ、ま、私は地味に行きますかねー。 | |
キィ!キキ!・・・ブロオオオ! (車のエンジンをかける音) |
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女銃鹿は車のエンジンをかけ、時速40kmのスピードで「みんなやる夫」がいる場所に向かった。 ・・・・・ ・・・ ・・ 10分後。 20分後。 ・・・ ・・ 30分後。 女銃鹿は尚(なお)も車を運転し、海沿いの道を地味に移動する。 |
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ブゥゥゥゥゥーーー。 (車が前進する音) |
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あー、ビーチですねーーー。 | |
ビチビチ、ビッチ、ビーチッチ♪ 道の真横には堤防があり、海岸が広がっていた。 ・・・・ ・・ 女銃鹿が周囲を見回す。 |
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・・・・・・。 | |
女銃鹿が海岸を見ると、人形らしき何かが波に流される光景が見える。 |
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んん? 波打ち際に人形ー? |
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コロリン(転がる音) | |
人形が波に流され転がる。 転がる。 コロリンコ。 「人形らしき何か」 その人形はあまりにリアルだった。 |
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って!これって人形じゃなくて死体ですかね? | |
この死体を無視したら死体無視罪で捕まるんですかね? 女銃鹿がキョドル。 ※死体無視罪など存在しませぬ。 |
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とにかく、確認しなければ! | |
女銃鹿は車から降りて、波打ち際に向かう。 全速力で向かう! そして死体を確認! 両手を上げて絶句した! |
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・・・・・・。 | |
げぇぇぇ! 本物の死体じゃないですかー! |
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それは生きてない肉だった。 映画で見た真っ白で青ざめた死体だった。 |
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たこー | |
たこー | |
そして死体の頭部には2匹のタコがくっついている。 この姿はクトゥルフの頭部よりもおぞましく、頭部にくっつくエイリアンの幼生よりもグロイ。 |
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ひぃぃぃぃぃ! なんだかえっらい事になってますよー! |
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女銃鹿が半泣きに鳴りながら、死体の頭部にへばりついた2匹のタコをはがす。 |
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痛いたこー。 撤退たこー。 |
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タコがはがされると・・・ タコの下から少女の顔が現れた。 「少女」 |
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これは小学生ぐらいの女の子ですねぇ~? |
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カニ! カニ! カニ! (V)[゚◇゚](V) |
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カニ! カニ! カニ! (V)[゚◇゚](V) |
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カニ! カニ! カニ! (V)[゚◇゚](V) |
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女銃鹿が少女を呆然と眺めていると・・・ 少女の口から 1cmぐらいの小さなカニが、アリのようにワラワラとわいて出た。 |
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カニ―ーーーー! | |
モリモリ、人間うまー(V)[゚▽゚](V) | |
小さいカニ達は手と口を一生懸命動かし、少女の肉を喰らう。 |
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きゃぁーー! カニが人間食べてますよー! |
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女銃鹿はその光景を目視し、ただただ絶句する。 ・・・・ ・・ 大自然は人の肉を喰らう。 当然と言えば当然の話カニ。 ・・・・ ・・ それから女銃鹿は警察に連絡し、体育座りで待機していた。 ・・・・ ・・ 2時間後。 |
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パラパラ、パラパラ、パラパラ。 | |
おーい! ここでーす! ここでーす! |
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女銃鹿の連絡でドクターヘリが駆けつける。 「ドクターヘリ」 そしてヘリは砂浜に着陸し・・・ ヘリの座席から4人の人物が現れた。 |
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すぐに治療を! | |
ええ! | |
エエ子! エエ子ぉぉぉ! |
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(ちっ、もう死体が見つかったのかよ) | |
ヘリから現れた人物は・・・ フライト・ドクターが1人 フライト・ナースが1人 そして老人が2人 「老人が2人」 2人の老人はみんなやる夫と諸悪今源之助である。 |
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あっれ~? 警察を呼んだのに、お医者さんが来ましたねぇ。 |
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もしかして家族の人が呼んだんでしょうか? |
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・・・・・・。 | |
エエ子! エエ子ぉぉ! |
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なぜ、なぜこんな姿に!? 「この子はみんなエエ子です」 みんなやる夫が野球選手のように走り、スライディングするようにみんなエエ子に抱きつく。 抱きついて号泣(ごうきゅう)する。 |
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・・・・・・・。 | |
・・・・・・・。 | |
女銃鹿は空気を読んで黙るしかない。 |
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先生! 急いで見てください! |
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将来が有望な頭の良い子なんです。 こんな頭の良い子は他にいないんです! みんなやる夫が医者の両腕をつかんで懇願(こんがん)した。 |
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・・・・・・。 |
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こ、これはもう・・・ | |
・・・・・・。 | |
かけつけたフライトドクターがポケットからペンライトを出し少女の両眼を見る。 聴診器をみんなエエ子の胸にあて、みんなエエ子の脈を測る。 |
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助かりますよね? | |
だって体温がまだ・・・ |
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・・・・・・・。 | |
・・・・・・・。 | |
そしてフライトドクターは腕時計を見ながら、こう宣告した。 |
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残念ながら亡くなられています。 | |
恐らく大分前に 「もう死んでます」 |
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そんなぁ! 嘘だぁ! |
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!? | |
!? |
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こんなことがあってたまるか! | |
嗚咽(おえつ)! 絶叫(ぜっきょう)! 普段は絶対泣かない男の号泣(ごうきゅう)! みんなやる夫がみんなエエ子の死体を抱きしめて泣き崩れる。 |
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ごめんよぉぉぉエエ子・・・ | |
俺が地震の研究なんかしたせいでエエ子を巻き込んじまったよぉぉぉ。 |
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・・・・・・・。 | |
エエ子ちゃーーーん! | |
諸悪今源之助(しょあくこんげんのすけ)がみんなやる夫の背中を抱きしめ、むせび泣く。 |
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(´;ω;`) | |
医者もまた涙を流していた。 |
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ああああああああああああああああ! |
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・・・・・・。 | |
(ああ・・・) | |
娘の死を見たお父さんが泣いている。 なぜだろう? この光景は懐(なつ)かしくて・・・心が痛い? 女銃鹿の脳裏に知らないおじさんの映像が浮かんでは消え・・・ 浮かんでは消える・・・ 「知らないおじさんの映像」 |
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なんだこのおじさんは? | |
女銃鹿はこの光景を見ながら、なぜか混乱していた。 |
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エ エ 子 ぉ ! |
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みんなやる夫の絶叫はこだまし |
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なんだ・・・!??? | |
女銃鹿はヒザをついて涙を流した。 |
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