78話 | |
2018年7月21日 蜻蛉斬り「よし、死にたい奴は順番に手をあげろ」 |
ヤマト運輸でーす。 サインをお願いしていまーす。 |
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げぇぇぇぇぇ! お父様から荷物が届いたー! (過去のトラウマがパックリ…) |
昼の12時 なゐの神衣は国会前で姿を消した。 ・・・・ ・・ 時を同じくして ここは山中にある犬臭いホームレス村。 日本狼の家。 女銃鹿は日本狼の家に滞在していた。 |
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なんだ~? 女銃鹿の荷物はここに届くのか~? |
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ワンワンオーワンワンオー U^ェ^U |
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エサー?エサー? この小包は喰い物だよねー? U^皿^U |
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(U^ω^)はっはっはっ♪ |
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犬くっさ! | |
ホームレス村は50匹の犬が歩きまわり、生まれてから死ぬまで体を洗わない犬の臭いが充満していた。 |
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おぇ… と、とにかく荷物を渡しましたよ。 |
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配達員のお兄さんは封筒を渡してさっさと退散した。 |
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(←渡された封筒) | |
そいや! |
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べりっちょ! 日本狼は封筒を真っ二つに引き千切って、中身を引っ張り出す。 |
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人の荷物をいきなり解体!? 両親からどんな教育を受けたんですか? |
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えっと、、、封筒の中身は… | |
.38スペシャル弾じゃないか? 封筒の中には小さな袋に入った弾丸と、手紙が入っている。 「.38スペシャル弾」
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こ、これは!? | |
ガッカリー。 食べられない豆鉄砲だわん∪・ω・∪ |
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喰い物じゃないならいらんな。 | |
日本狼ちゃんはピッチャーのように構え、荷物をゴミ箱に投げ捨てた。 |
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ちょーーーーっ! なに勝手に捨ててるんですか! |
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ムッチャ貴重品ですよ! この弾丸は、男銃鹿が使っていたマイナス質量の弾丸ですよ。 女銃鹿は大ジャンプして、ゴミ箱から弾丸と手紙を回収した。 |
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男銃鹿~? だ~れ~(U^ω^) |
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私も知らん。 | |
男銃鹿って誰だよ? |
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少し前、私に負けたグノーシャです。 | |
「男銃鹿の遺品をお父様が届けてくれた」 |
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へー(U´Д`) | |
すごくどーでもいい…U^。^U |
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(というか…) | |
男銃鹿って生まれた事実ごと消えましたよね? (お父様はどうやって遺品を回収したんですか?) |
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つまり女銃鹿に負けたド底辺グノーシャの遺品か? | |
そんなゴミ雑魚が貴重品を持ってるのか? |
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いやいや、男銃鹿は凄いですよ! | |
男銃鹿がスイングバイ加速射撃をつかえば、お父様といい所までやりあえると思います! 「スイングバイ加速射撃の手順」 |
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スイングバイ加速射撃など雑魚が使う大ぶりの攻撃にすぎん! | |
そんなものでなゐの神衣が殺せるなら私がとっくに殺してるわ! |
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私が使う不完全なスイングバイ加速射撃しか見てないから、そう思うんでしょうねぇ~。 | |
でも! 男銃鹿の使うスイングバイ加速射撃は用途が違います |
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用途が? | |
違う? | |
スイングバイ加速射撃って大火力で焼くだけでそ? U^ω^Uハッハッハッ |
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違います。 なぜスイングバイ加速射撃は月を周回するほど長い距離を移動すると思いますか? |
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無駄で過剰な行動だとは思いませんか? |
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んん? そーいやすっげー無駄な動きだな~。 |
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理由があるのか? |
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それはですね… | |
・・・・ ・・ 女銃鹿は日本狼にスイングバイ加速射撃の本当の使い方を説明した。 ・・・・ ・・ |
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なに、それ怖っ! | |
だったらそれでパパとママのセクロスを邪魔しとけば、無条件勝利やんけ! |
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セクロ――――ス! ○=(゚∀゚)=○ |
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んん? セクロスを邪魔して無条件勝利 (U^ω^)? |
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マジで意味が分からんワン? |
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まぁ、それでもお父様を倒すのは無理でしょうけどねー。 | |
ん~。 だろうな~。 |
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なゐの神衣は賢すぎる。 正しく使ったスイングバイ加速射撃でも余裕で対応するかもな~。 |
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けっきょく世の中は賢い生き物が勝つんですよ。 | |
ぬぬぬ。 | |
日本狼はドン引きしながら現実を悟(さと)る。 その悟りは何百年後に人類を転落させるきっかけとなった。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ そして4時間後。 とある新宿のビル。 なゐの神衣の事務所 「なゐの神衣の事務所」 |
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・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
なゐの神衣の事務所には20人のグノーシャが集結していた。 |
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というわけで黒い煙に巻き込まれたパパは消息不明になったの。 | |
なゐの神衣の椅子に座ったメスが、仲間のグノーシャになゐの神衣が消えた時の状況を説明していた。 「なゐの神衣は黒い雲にまかれて姿を消したの」 |
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まさか、私が寝落ちしてる間にこんな事が… | |
やはり仕事のしすぎは危険。 大事な時に動けなくなって効率が悪くなる。 |
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ちっ! くっそ手間がかかる馬鹿オヤジだな! |
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死ねばエエのに! しょうがねーから、クソオヤジを救うチームをつくってやるよ! 60Gが「なゐの神衣」救出を提案した。 「60G」 |
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うん。 すぐにお父様を救いだそう! |
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蜻蛉斬り(とんぼきり)がその意見に賛同する。 「蜻蛉斬り(とんぼきり)」 |
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え(*゚o゚*)? | |
え(*゚o゚*)? | |
え(*゚o゚*)? | |
もしかして すぐに救っちゃうの? 17人のグノーシャは60Gの提案に困惑した。 |
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あっれ~? みんな困惑してるの? |
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なんで困惑するんだよ? | |
すぐに救わにゃあかんだろーに… |
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ああ… いやぁ…その… |
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後ろにいたメガネのグノーシャがおずおずと口を開いた。 「メガネ」 |
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メガネ君意見をどうぞなのー。 | |
メスが、なゐの神衣のエクゼクティブチェアにふんぞり返りながら意見を求めた。 |
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親父さまは黒い雲に巻き込まれて消息不明になったんだよね? |
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「黒い雲?」 |
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うん。 メスがそう言ってた。 |
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そりゃあ、トラブルだけどさー。 | |
でも消えたのは、あの「なゐの神衣」ですよ。 この程度のトラブルは自力でなんとかすると思うなー。 |
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あー(*゚▽゚*) ポン♪(手を叩く) |
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あー(*゚▽゚*) ポン♪(手を叩く) |
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正解(゚∇^*) bキャピ メガネの意見に17人のグノーシャが一斉に賛同した。 |
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何が正解? | |
確かに、パパだったらスーパー能力でなんとかしちゃうかもねー。 |
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そーですよ~♪ | |
この程度のトラブル、親父さまなら笑顔で解決しちゃいますよ~♪ |
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チョト待てコラ! | |
まさか、この異常事態に何もしないのか? 最悪の事態が起きたらどうすんだよ! |
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いや~60Gは心配性だな~。 /(_Д_)\コロンッ |
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大丈夫だと思うよ。 | |
だって 父上だし \(o ̄∇ ̄o)/シャキーン! |
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そんな…無責任な… |
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それよりも今がチャンスだと思いませんか? |
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チャンスだと? | |
どーゆコットン? | |
メガネ君説明しなさい。 |
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僕達グノーシャはなんだかんだ言って、親父さまに管理されてますよね? | |
自由に行動していいと言われつつも… 親父さまが怖くて、あんまり好き勝手できないと言うか… |
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何がいいたい? | |
つまりメガネ君は | |
パパがいない今が 好き勝手にやれるチャンスって言いたいんだね まぁ、気持ちは分かるよ。 「今なら好き勝手できるぞー!」 |
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そうです! 桜ちゃん察しがいい! |
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「メスは人間の時に桜という名前だった。今は本名がメス」 |
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ばーろ。 駄目に決まってるだろ。 |
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おまえは第二の痩男(やせおとこ)になるつもりか? |
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そんなことは無いですよ! | |
僕はただ… |
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そもそも、好き勝手なんて私が許さない | |
要石(かなめいし)のお父様がいない今… 私がグノーシャの暴走を食い止める要石(かなめいし)になるだけ。 |
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ええ(_□_;)!! | |
そんな! | |
ご無体なーヽ(TдT)ノ | |
自由度のない人生なんてクソゲーですよー! |
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文句がある奴は車にひかれたネズミのようにまっ平らにしてやるから前に出ろ。 | |
本物の暴力統制を教えてやる。 蜻蛉斬り指をバキバキ鳴らしながら仲間のグノーシャを威嚇(いかく)した。 その恐ろしさは悪鬼羅刹! |
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蜻蛉斬りさん怖ぇ~! | |
60Gは震えあがり、恐怖のあまり60Gの股間は半分のサイズまで縮小する。 が! 他のグノーシャはそれほどビビっていなかった。 |
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(怖いけどひるみませんよ!) |
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(あんたの怖さにはなれ飽きたんだよ!) | |
いつまでも蜻蛉斬りにビビる俺達だと思うなよ! |
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(Tさん一人をだまくらかせば…) | |
好き勝手できるかも~。 空気を読まないグノーシャ達は蜻蛉斬りの威嚇(いかく)を強引にスルーしていた。 |
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おい! おまえら何を考えてる! |
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逆らったら蜻蛉斬りさんにぶっ殺されるぞ! 超絶怖いんだぞ。 |
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よし、死にたい奴は順番に手をあげろ。 | |
蜻蛉斬り(とんぼきり)が指をバキバキ鳴らしながら前に出た。 |
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いえ! 死にたくありません! |
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みんなで一丸となってお父さまを捜索するであります! | |
グノーシャ達は蜻蛉斬りに土下座をし、服従を宣言した。 |
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分かればいい。 | |
蜻蛉斬りは殺気を納めた。 |
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ほっ… | |
あっれ~? あっさり服従しすぎなんじゃねーか? |
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60Gの心に疑念がよぎる。 |
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(チョロロ♪ 土下座1回で信じやがった♪) |
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(土下座なんて無課金でできるんだよバーカ♪) |
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(どんなに強くても、所詮は鎖につながれた忠犬だな!) |
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ばーか(゚皿゚) ばーかm9(゚皿゚)9m ばーかm9(^皿^≡^皿^)9m グノーシャ達はまったく服従していない。蜻蛉斬りを裏切る気マンマンだった。 |
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(今のうちにここを離脱するの!) | |
にっ♪ | |
では失礼します。 |
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失礼します | ̄ー ̄)/シュピ |
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失礼します | ̄ー ̄)/シュピ |
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失礼します | ̄ー ̄)/シュピ |
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失礼します | ̄ー ̄)/シュピ |
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グノーシャ達は不気味な笑顔を残して退室した。 |
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あいつら半笑いで出て行きましたよ。 信じていいんですかね? |
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むぅ…不安だけど… | |
今は彼らを信じよう。 ・・・・・・ ・・・ ・・ いや! 蜻蛉斬りは彼らを信じるべきではなかった! |
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ε=ヽ(* ̄∇ ̄)ノ ワーイ! | |
ε=ヽ(* ̄∇ ̄)ノ ワーイ! | |
なゐの神衣の事務所から外に出たグノーシャ達は、廊下をハイテンションで走る小学生のように走る! 走る! |
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うおおおおおおおおおお! | |
パパがいないのー! 怖いパパがいない間に好き勝手できるのー! メスがスーパーハイテンションで走る! |
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フリ―――ダム! フリ―――ダム! |
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やべぇぇぇぇ! わくわくしすぎてチ○コたってきたわー♪ |
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こんな気持ち小学2年生以来だわ♪ |
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俺!全裸で地球一周しまーす! | |
クソ親父に… |
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悪いことは言わん。 お前は本気で走るな。 |
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本気で走ったら死ぬぞ! って言われたけど |
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今の俺は自由♪ 本気で走っちゃうもんねー♪ |
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よし逝(い)け! | |
GOGO! | |
豪! ショボイ目的だけど逝(い)ってこいやー! |
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うん! 走りゅ! -=≡Σ(((⊃゚∀゚)つ |
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一人のグノーシャがクラウチングスタイルを取り ショットガンのように前に吹き出る! そして! 光速の壁を破壊しながら! 秒速100万キロメートルで地球を20周した! ※ちなみに光速は秒速約30万キロメートル |
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あああ… | |
全力って最高だなぁ… |
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ジュバババッ! | |
グノーシャの服は一瞬で燃え尽き… 皮膚も燃え… 肉体も燃え… 消滅する! そして残った精神(ガイスト)だけが異世界に旅立ち、その精神(ガイスト)もひたすらフリ○ンで走り続けた! |
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どっかいっちゃったの!? | |
さすがに∞機動のグノーシャは早いね! |
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どっかってどこ? 彼はどこに辿(たど)りついたの? |
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他人のことなんてどーでもいいぜ♪ | |
俺は俺でやりたいことをやるまでだ♪ |
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そだそだ。 私は私は何をしよっかな? |
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えーと、えーと! 私はすっごい沢山の人を操ってストラテジーゲームがやりたいね! |
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ふふっ! 桜ちゃんらしいですね! |
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メガネのグノーシャが優しく微笑む。 「メスは人間だったころ桜という名前だった」 |
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メガネ君は何をするのかな? | |
僕ですか? | |
僕は小便小僧のグノーシャ! オシッコウォーターカッターが僕の得意技です。 だからオシッコで目的を達成させます。 |
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キッワーイ♪o(>▽<)o | |
いやー♪ お互いキワモノのグノーシャになっちゃったねー♪ |
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私なんか某ゲームのタイアップ商品のさー、「○○○3コントローラ」のグノーシャだよー♪ |
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うっわ! 分かる人には分かる衝撃の事実! |
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ふふん♪ 俺達は珍品グノーシャーズ♪ |
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珍品には珍品の楽しみ方があるってもんよ♪ |
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僕の最終目的はただ1つ! | |
地球温暖化対策! オシッコで太陽の火を弱くしてみせます! メガネのグノーシャの瞳はするどく光輝いた。 |
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オシッコで温暖化対策を解決!? | |
メガネ君かっこいいのー♪ |
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んふふ♪ | |
メガネが笑う。 |
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んふふ(´_ゝ`)♪ | |
んふふ(´_ゝ`)♪ | |
ちなみにメガネの目論見はやる前から失敗が確定していたが、面白そうなので誰もメガネの間違いを指摘しなかった。 |
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