77話 | |
2018年7月3日 みんなやる男「悪を祭り上げたものを悪に祭り上げ返す!」 |
はじめるぞ。 国家転覆っ! |
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昼の12時 国会議事堂前 国会議事堂前は、吐き気をもよおすような血の池地獄に変わっていた! |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
国会議事堂前は10万人の死体が散らばっている! 道路は血の水たまりで赤く染まり、国会前庭に落下したマスコミのヘリは煙をあげていた。 「国会前」 |
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突入するぞ! | |
ああ! | |
殺す! | |
殺ーす! | |
そして! 10万人を虐殺をした99人のグノーシャが、国会前庭から国会に向かって走り出した! 「現在位置」
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もしもしメスか… いますぐ国会前を見てくれ。 |
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了解さんなのー! | |
国会で審議をしていた「なゐの神衣(ないのかむい)」は、危険を察知し… 愛知県にいるメスにスマホで連絡した。 「なゐの神衣(ないのかむい)」 「メス」 |
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さっそく∞視点で見るの~。 | |
メスは真っ赤なスイカジュースを飲みながら∞視点で国会前を見る。 |
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・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
そして! |
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ブパー! 国会超真っ赤なの! |
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スイカジュースを鼻からブッパなしながら大驚愕(だいきょうがく)した。 |
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犯人は私が管理していないグノーシャのようだな。 | |
メスは犯人のグノーシャをどう見る? |
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←犯人のグノーシャ | |
←犯人のグノーシャ | |
←犯人のグノーシャ |
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えっとー 何者か分からないけどさぁー。 |
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見た感じ、かなり弱いグノーシャだねー。 戦力的には「0.2お姉ちゃん」から「1.2お姉ちゃん」ぐらいの弱いグノーシャなのー。 (私やパパなら1秒で皆殺しにできるよー) 「お姉ちゃん=女銃鹿」 |
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女銃鹿レベルの雑魚ではあるが、嫌な予感もする。 | |
ん~~~~~だったらどうしましょうか? ビッグパパン? |
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今なら一人あたりFGOの聖晶石1個でヤリますよ。 |
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先頭にいる老人のグノーシャは生かしておけ。 | |
あと…私も向かう。 なゐの神衣は席をたち、スタイリッシュに国会前に向かって走りだした。 |
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りょーかいさんなのー。 | |
メスはまな板の上に置いてあったメスコンという刀をつかみ 刀を構える! メスコンにはスイカの種がいっぱい付着していた。 「メスコン」 ・・・・ ・・ 「国会正門前」 同時刻、国会正門前。 99人のグノーシャが、国会の正門前にいた。 |
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このまま正門を突破するぞ! | |
ならば道を開く。 | |
不死松と名乗るグノーシャが国会の正門を銃撃で吹き飛ばし、破壊! ついでに国会前を守る警察官もパトカーごと吹き飛ばす! |
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待ちなさーい! | |
当然、国会を警備する国会衛視が駆けつける。 2人の国会衛視が99人のグノーシャの前に立ちはだかり… ポケットの呼び笛でグノーシャ達を制止した。 「現在位置」
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ピィィィィィ!(笛の音) | |
え? 笛で制止しただけ? |
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国会を守る衛視さんって銃とか持ってないのかな? メスは国会衛視の軽すぎる武装に驚愕(きょうがく)する。 |
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残念ながら銃はない。 丸ごしだ。 |
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カナダのように国会を標的にしたテロがおきれば大惨事だろうな。 |
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ダークソウルの持たざる者以下の武装なんだね。(国会衛視さんって超ハードモードなの) |
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ピィィィィィ! | |
止まりなさい! 止まりなさい! |
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2人の衛視が99人のグノーシャを笛で警告する! |
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馬鹿が! こんなもので誰が止まるものか! |
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不死松というグノーシャが衛視に銃口を向ける。 |
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!? | |
馬鹿な! 近くにいる警察を呼べ! |
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警察が来る前に国会内に突入するぞ! |
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国会内に入られると厄介だな。 | |
警察が国会内に入るには議長の許可が必要で、場合によっては時間がかかる。 |
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ガーーーーン! またしてもハードモード! |
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はん、この国は毎度毎度 | |
この国の警察は遅すぎるんだよ! | |
手遅れになってから、迅速に動きやがって! 99人のグノーシャが衛視の姿を見て、悲憤(ひふん)する。 |
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君は一体何に対して怒ってるんだ? | |
うるさい! もう何もかも手遅れなんだよ! |
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はよ死ね! 不死松というグノーシャが銃の引き金に指を触れ… 衛視を殺そうとする。 ・・・・ ・・ が! その刹那(せつな)! |
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無 限 ! |
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愛知県にいたメスは光速で刀を振り! ∞操作を行使した! |
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はえ? | |
!?! !?○×??? |
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か、か、か、か |
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体が勝手に… | |
ん? | |
どうした? 一番後ろにいる刈り上げのグノーシャ? |
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か、か、か、か、か、か、か、か、か、か、か、か、か、か… |
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か? | |
一番後ろにいた刈り上げのグノーシャが、錆(さ)びたブリキ人形のように足を一歩前に出す。 そして! |
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核融合パーンチ! | |
刈り上げのグノーシャはボクサーのように、腕を前に突き出した! |
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なっ!? | |
な! | |
な! | |
突き出された腕は引き千切れ、ロケットパンチのように飛翔する! 摩擦で核融合しながら直進した! それは凄まじい光を放つロケットパンチに見えた。 |
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仲間に攻撃だと! | |
ジャッ! | |
ジャッ! | |
ジャッ! | |
その拳は一撃四十殺! 核融合パンチは 40人のグノーシャを炭に変え、粉砕した! 生き残ったグノーシャは放射線を大量に浴びてガンになる。 |
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ああ! | |
ああ! | |
近くにいた衛視は衝撃波に吹き飛ばされ無事気絶する。 |
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残り59人。 | |
本当なら今のでせん滅できたけど、パパのオーダーがあったから攻撃をそらしたよ |
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さすメス。 並のグノーシャでは大闘争にすらならんか。 |
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おい刈り上げ! なぜ仲間を攻撃した! |
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老人のグノーシャが倒れながら、核融合パンチを放ったグノーシャに抗議する。 |
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ち、違うんだ! 体が勝手に動いたんだ! 俺にも何がなんだか… |
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まさか! なゐの神衣の部下がもう動いてるのか? |
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分かった所で、どうする事もできないけどね | |
メスが超テキト―にメスコンという刀を振る。
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!? | |
!? | |
体が動かない! | |
頭からしたが完全に動かない!? | |
生き残った59人のグノーシャは金縛りで全員動けなくなった |
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なんだ、これは! 上位のグノーシャは神か何かか? |
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そんなわけで、私の仕事は終了なの~。 | |
後はパパにバトンタッチするよ~。 |
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優秀だな。 ご褒美に聖晶石140個くれてやる。 |
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わーい♪ | |
あ、でも…140個だと星5が出ない時があるよね。 ガチャは破壊すべき悪い文化かも? |
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破壊した先に面白いモノがあるのなら、破壊すべきだな。 | |
だね♪ | |
ただ壊すだけじゃ意味がないの。 |
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な、なゐの神衣… | |
さてと… | |
なゐの神衣は国会の外までスタイリッシュに走り 59人のグノーシャの目の前まで移動していた なゐの神衣が格下のグノーシャを見下ろす。 「現在位置」 |
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こいつがなゐの神衣か!? | |
見てくれは40代の若手政治家… だが、妙な圧力がある… |
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話を聞きにきたぞ みんなやる男 |
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弁明をしろ。 つまらんグノーシャなら殺してやる。 「みんなやる男」 |
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馬鹿が! 自分から俺達の前に現れやがった! |
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お前には言いたいことが山ほどある! | |
なぜ、グノーシャの暴走をくい止める? 貴様はどーみても人間の味方に見えるぞ! それでも全グノーシャの長か! |
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あ、君らモブキャラはどうでもいいよ | |
みんなやる男以外は、全員ぶっ殺すから少し黙っててね (生産性のないテロ野郎は問答無用で死刑ね) |
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は? | |
はああああああ? | |
貴様! どんだけ身勝手なんだ! |
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パチン! | |
なゐの神衣が親指と中指でパチンと音を鳴らす! 鳴らした瞬間 58人のグノーシャが地震のように振動した! |
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ぬがっ! | |
ががががががっ! | |
ががががががっ! | |
ががががががっ! | |
ががががががっ! | |
グノーシャ達の肉体に発生した地震は マグニチュード12! 地球を真っ二つにするような地震エネルギーが、グノーシャ達を分子レベルまで粉砕する! |
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ががががががっ! | |
ががががががっ! | |
ががががががっ! | |
ががががががっ! |
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ぐおおおおお! 相変わらず容赦の欠片もないの! |
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そんな…俺以外のグノーシャが一瞬で… | |
粉砕されまくったグノーシャは一瞬で液状になり 赤い水たまりに変異した |
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・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
敵のグノーシャは、老人のグノーシャ1人を残して全滅する。 |
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殺処分&隠ぺい完了。 | |
なるほど、ここまでバラバラにすれば何の死体なのか警察さんは分からないね。 | |
グノーシャの情報が外部にもれることはないの。 |
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なんてことを… | |
茫然自失する老人グノーシャを、なゐの神衣が見下ろした。 |
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でだ、みんなやる男。 | |
目的はなんだ? おもしろい目的なら生かしてやってもいいぞ。 つまらん奴なら殺す。 「このオッサンの名前はみんなやる男です」 |
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はん。 いまさら俺の目的を聞くのか。 |
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私は忙しい。 1秒以内に言え。 |
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1… 0… |
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復讐だよ! | |
まずはこの国に住む右翼と左翼を皆殺しにして、俺を悪として祭り上げたクズどもを皆殺しにしてやる! |
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ふーん。 で、皆殺しにした後はどうする? |
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後のことなど知るか! | |
ただ! ただ! 国を転覆(てんぷく)させるだけだ! |
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え? 馬鹿なの? |
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ちが―――――う! | |
きさまもある程度は事情を知っている筈(はず)だろ! |
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つまり、アレか… | |
ムカついたから破壊するだけか? これでは報復テロをするだけのテロリストと変わらない。 お前の盟友である女銃鹿も悲しむぞ。 |
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もう女銃鹿は関係ないだろ! | |
関係ない…だと? | |
とーぜんだろ! 女銃鹿と俺はもう出会わない! |
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んなわけあるか。 | |
もういい。 聞くに堪えない。 聞けば聞くほど脳みそがくさりそうだ。 過去にとらわれた復讐鬼などさっさと死ねばいいのだ |
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くっ! | |
パチン! | |
なゐの神衣がひとさし指と中指でパチンと音を鳴らす! 音は「空気の振動」となり・・・ 空気の振動は大津波のように「みんなやる男」を一瞬で飲み込んだ! |
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がげ! |
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みんなやる男は津波にのまれた砂城のように粉々になり、分子レベルまで崩壊。 赤い水たまりになって絶命した |
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ごぽ・・・ | |
ごぽ・・・ ご・・・ ・・・・・・。 |
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おおう。 やる気のない攻撃でアッサリ終わったの。 |
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けっきょく何がしたいグノーシャだったのかな~? 正体も目的も分からないまま逝っちゃったよ~。 「この人は何がしたかったのかな~?」 |
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つまらぬ目的しかない、最低のグノーシャだ。 | |
なゐの神衣はスタイリッシュに方向転換し、国会議事堂に向かって足を進めた。 |
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消化不良だけど、これで一件落着かな~? | |
私はスイカジュースを探求する旅に戻るよ… スイカジュースは絶対に最強のジュースになるの… ・・・・・・ ・・・・ ・・ (いや…) (これからなのだ…) ・・・・・・ ・・・・ ・・ ゴ ポ ッ ! |
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ゴポ、ゴポ、ゴポ、ゴポ、ゴポッ… | |
突然! 血の水たまりが湯のように泡立ち、血の水たまりから黒い煙があふれ出る! |
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ん? 黒い煙? |
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なの?なの?なの?なの?なの? | |
なの? メスもなゐの神衣も何がおきるのか把握できない。 「現在位置」 ・・・・ ・・ そして! 血の水たまりの奥底から 強烈な恨みや怒りがこもった声が吐きだされたっ! |
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! | |
! |
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あんたらみたいな圧倒的な強者には分からないだろうな。 | |
崖(がけ)に叩き落とされたゴミのことなど 悪に祭り上げられたクソのことなど… |
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なのー? こっからじゃなーんも聞こえないのー! |
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また恨みごとか。 | |
俺は悪に祭り上げられたのだ。 | |
日本中が俺1人を叩き… 俺は最後まで無実だった。 |
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憎らしい…憎らしい… | |
くだらぬ報復感情だ! みんなやる男! |
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おまえの戦いにはなんの未来もない! |
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イヤだね! | |
絶対に! 絶対に! 殴り返してやんよっ! |
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馬鹿が! 結果的におまえが一番傷つく! |
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ブワッ! | |
みんなやる男の死骸から… 血の水たまりから… 黒い煙があふれ出す! |
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ああ… 黒いモノがとまらないんじゃぁぁ… |
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黒い煙は煙幕のように増えまくり あっという間に国会を埋め尽くした! |
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ちょ―! これじゃあ∞視点でも何も見えないの―! |
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なるほど、完全に貴様の術中にはまったわけだ。 | |
これ程までに予定通りに進むとは… | |
我々には天運がある。 貴様には天運がない。 |
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ふん。 運だけで私に挑んだわけか。 |
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そうだ。 全ての点で負けるなら運に頼るしかない。 |
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黒い煙は形をなし、10mの怪物に変異し… なゐの神衣を静かに見下ろす。 「10mの怪物」 |
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これは何かなー? 正体不明すぎるの! |
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メスは∞操作で黒い煙を操り、ウンコの形にしようとするが何の効果もない。 |
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なゐの神衣… この国で最も恐ろしい怪物… |
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きさまの力を全て頂こう |
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なのぉぉぉぉぉぉ? | |
この黒い怪物は古い絵巻で見たことがあるな。 | |
確か、これは… 日文研が所蔵する「百鬼の図」に描かれた 正体不明の黒雲か 最初期の百鬼夜行図に描かれた化け物にこんなところで出会うとはな。 「百鬼の図に描かれた黒雲」 ※百鬼夜行図は付喪神とか妖怪がいっぱいかかれた絵巻だよー。 |
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もしかして…この黒い煙が具脳になってたのかな? | |
そうだ。 | |
俺は黒雲のグノーシャ |
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なるほど、敵をみくびっていた。 | |
罠に近づいた私はとんだマヌケ野郎だ。 |
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ちょ―! 今までの人生で一番ヤバい予感するのー! |
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物量型グノーシャの100倍ぐらいやばい臭いがするの―! メスがこれから起きる最悪を察知しビビりまくる。 |
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ともに来い。 | |
まったく… | |
とんだオオポカだ。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ こうして国会前の戦いは終わる。 その日… なゐの神衣は忽然と姿を消した |
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