第2話 | |
死刑が廃止されてから1年の月日が流れた。 そんなある日。 女銃鹿(めじゅうか)は三号という名の男に出会った。 |
死刑が廃止されてから1年の月日が流れた。 そんなある日… |
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【見知らぬ倉庫】 |
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俺は見知らぬ倉庫で倒れていた。 倉庫は鉄くずと油が入り混じった臭いで充満している。 なぜ倒れているか分からない。 頭の中が真っ白になっていて何も思い出せない。 自分が何者なのかも分からない。 |
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状況がまったく分からん。 俺はどういう状況下にいるんだ? |
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とりあえず倉庫を見回して見た。 ところどころボロボロで今にも崩れだしそうだ。 自分の体を見てみる。 身長2mのビルダー体型。 随分と丈夫そうな体だ。 頭には髪の毛が無くツルツルだ。 |
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ハゲ筋肉は女の子に受けないだろ。 ガチホモにもてるかもしれないが... |
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どうやら体の調子は良いみたいですね。 | |
背後から突然・・・ 見知らぬ女性が話しかけてきた。 年齢は18才から20才。 身長は160cm前後。 真っ赤なニットポンチョ。 目つきは鋭く、髪を後ろに結んでいる。 |
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あ・・・あんたは? | |
私の名は女銃鹿(めじゅうか)。 あなたの今おかれている状況を説明しにきました。 |
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・・・・・・・。 |
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変な名前。 | |
あなたもかなり変な名前ですよ。 売れ杉三号(うれすぎさんごう)君。 |
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えぇぇぇぇぇぇぇ! 完全にネタキャラの名前だろ! |
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俺の名前のほうが変な名前だった。 |
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私のほうがマシな名前ですね。 | |
くっ…それで俺は一体全体どういう状況にあるんだ? 全くなーんも記憶してねーぞ! |
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記憶が無いのは当然です。 あなたは昨日の午前8時に生まれたばかりですから。 |
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ハイ? | |
単刀直入に言えば、あなたは普通の人間ではありません。 グノーシャと呼ばれる特殊な人間です。 |
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女銃鹿はマジメそうな顔をしていたが誇大妄想狂のようだ。 マジメで誇大妄想狂… 変な宗教関係の人? |
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キミノジューダン トッテモオモ シロイネー ドコノ シュウキョウ カンケイシャカナー? |
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言葉で理解して貰えるとは考えていません。 今からグノーシャを見せます。 |
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女銃鹿は自分の前髪をつかみ、ゆっくりと後方に引っ張り上げた。 帽子をぬぐように髪の毛がとれる。 |
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カツラ? |
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私は普通の人間ではありません。 そして、あなたも私と同じです。 |
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女銃鹿の頭はガラスケースだった。 頭部をかたどったガラスケース・・・ そしてガラスケースの中は溶液で満たされている。 溶液の中には銃が浮かんでいた。 |
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!! |
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