イジメと報復のワープ | |
2021年4月19日 イジメいくない! イジメと報復がいっぱいワープされる話なの。 |
警察です。 詳しい話を伺(うかが)えますか? |
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分かりました。 |
老人が死んでから1時間後。 ここはマンションの前。 現場に駆けつけた御山アキラ(みやまあきら)という刑事がシックスティに質問をしていた。 「御山アキラ(みやまあきら)」 |
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つまり老人は強化服と強化服の争いに巻き込まれて死んだという事ですね? | |
φ( ・ _・ )メモメモ… 「強化服」 |
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そうなりますね。 |
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そして強化服と強化服が争い・・・両者は戦闘不能になったと? |
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ああ、そうなったようだな。 隠れてたから見てないけどさ。 |
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(なるほど話のスジは通っている) | |
彼らは戦場のワープに巻き込まれた被害者だ。 だが、シックスティという男から感じる「カタギじゃない雰囲気」が妙に引っかかるな。 「この男は怪しすぎる」 |
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あの、もしかして私達を怪しんでます? |
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いえいえ、怪しんでませんよ。 | |
最近、「ワープに関係する痛ましい事件」が多くて色々考えていただけです。 |
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ワープに関係する痛ましい事件? |
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例えば、1年前に「岡崎市イジメ報復事件」がありましたよね。 |
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ああ、そんなヤバい事件があったなぁ。 もしかして刑事さんが担当してるのか? |
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まぁ、詳しくは言いませんが・・・酷い事件でしたよ。 | |
御山アキラ(みやまあきら)は「岡崎市イジメ報復事件」の調査を思い出しながら答える。 ・・・・ ・・ 岡崎市イジメ報復事件とは何か? それは1年前・・・ とある中学校の教室。 事件は放課後のイジメがきっかけではじまった。 |
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弱男くんとブス子ちゃんさー♪ ちょっとこいよー♪ |
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へへ♪ 今日も面白いことやろーね♪ |
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あ、う、はい。 |
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うん。 | |
はじまりは放課後のイジメ。 いかにもガラの悪そうな坊主頭の中学生2人が「弱そうな男の子」と「外見の悪い少女」にからんだ事からはじまった。 |
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なにかな? 坊主頭君? |
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あー俺らさ、まだ中学生だからドーテイやん。 |
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あー俺は違うけどね♪ |
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うっそ、マジかよ! 中学生は早くね? |
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まぁ、いいや。 俺はドーテイだから色々勉強したいんだよねぇー♪ 予習って大事なんよー。 |
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うん。 そうだね。 |
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え? |
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だからさ、後学のために | |
弱男君とブス子ちゃんさぁ 俺たちの前でセクロスして実演してちょ♪ 無茶苦茶な提案である。 |
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そんな! 嘘! |
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外見の悪い少女はドン引きして後退る(あとずさる)も・・・ |
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2人がそう言うのならやるよ。 | |
弱男(よわお)という少年は即了承! 即座にズボンを脱いだ。 |
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は!? は!? |
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恐ろしいほど従順な行動。 どれほど酷い目にあえばここまで服従するのだろう? |
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おお、すげー素直じゃーん♪ 俺もうまく調教したよなー♪ |
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坊主頭のチンピラ中学生がニヤニヤと笑う。 が! |
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いや・・・ そんなの無理・・・ |
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ブス子という少女は蚊の泣くような小さな声で、坊主頭の提案を拒絶した。 |
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ああん? なんかいったか?(゚皿゚) |
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だから、絶対にイヤ・・・ | |
スクールカースト上位の覇気に威嚇(いかく)されたブス子は、子鹿のように震えながらも再度拒絶する。 |
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おいおいおい! 豚が拒絶するなよ! おーい! |
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坊主頭はブス子を2回ビンタ! さらに蹴り倒して転倒させた。 |
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きゃっ! | |
おいおいおい! 俺は一生男に縁のないブス子ちゃんにチャンスを与えてるんだぜ! |
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と言いながらブス子の腹部に1回ケリ! |
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そのチャンスをふいにするってどういう事だよ? | |
そう言いながら、腹部にケリ! 20cmほど吹き飛ぶ洒落(しゃれ)にならない蹴り。 |
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げほっ! げほ! |
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少女は机の脚に頭をぶつけ流血。 マジモノの傷害事件である。 |
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はは♪ひっで♪ こいつキレやすいからさ大人しく言うこと聞いた方がいいよー♪ |
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ああ・・・ブス子ちゃん | |
弱男という少年は何もできない、ブス子も抵抗できない |
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これ犯罪・・・ |
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ああん! ブス子うざすぎんよ! いい加減にしろやゴラァ! |
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いや。 イジメというのはウザイ人間を叩く行為ではない。 イジメとは殴り返してこない弱い人間をオモチャにして遊ぶ最低の遊戯(ゆうぎ)である。 ゆえに弱い「弱男」と「ブス子」がターゲットに選ばれた。 |
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うう・・・ |
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(ああ、僕は怖くて何もできない) | |
このままいけば彼らは一生消えない凶悪なトラウマを背負うだろう。 酷ければ心的外傷で統合失調症にかかり、一生を台無しにするかもしれない。 もっと酷ければ死ぬ可能性もある。 これがイジメ。 世界中でおきるイジメという理不尽。 ・・・・ ・・ だが、世の中は変わった。 ワープ実装世界は違う結果をもたらすのだ。 |
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ふざけるな。 殺す。 |
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ギィ・・・ |
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??? | |
??? | |
突然、掃除入れの扉が開き 中から40代の男が現れた。 ワープをして40代の男が学校の教室に乱入したのだ。 |
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・・・・・・。 | |
しかも40代の男はモーニングスター(棘付きメイス)を装備している。 場は戦場のようにヒリつく空気となり、刺さるような殺気に包まれた。 「モーニングスター(棘付きメイス)」 |
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パパ・・・? |
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おいおい、このオッサンなんだよ? |
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おい、そこの坊主頭! |
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あん? | |
うちの娘にナニをしてるんだよぉぉ! |
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グシャ! | |
40代の男はモーニングスターを振り上げ、少女を蹴ったボウズ頭の肩を叩き潰す! 肩が潰れ、腕がホボホボ引きちぎれる! |
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ああああああああああ! |
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うあああああ! あんたなにを!??! |
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おまえも同罪だろーが! | |
40代の男はもう一人のボウズ頭の足をメイスで叩き、左足のスネを粉砕した! |
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ああああああああ! |
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なんだこのオッサン無茶苦茶だぁぁ! |
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それはお前達の方だろうがぁ! うちの娘にここまでしてタダで終われると思うなよぉ! |
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凄まじい怒りの形相、地獄の閻魔のような形相! 人はここまで怒りで恐ろしい顔になれるのかと思える凶悪な顔! |
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ひぃ! 助けて! |
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なにが「助けて」だ! 被害者ぶるな! |
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加害者はお前だろうがぁぁ! お前! お前! お前! お前! お前! 40代の男がツバを飛ばしながらボウズ頭を指さす! 指さしだけで凄まじい殺意。 この殺意ならヤクザでさえ謝るだろう。 |
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す・・・ すいません・・・僕がどうかして |
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謝ってすむかぁあぁ! | |
と、言った瞬間 モーニングスターが「少女を蹴らなかった坊主頭」の頭部を叩き潰した! 坊主頭の頭部はパンチをくらった粘土のようにひしゃげて潰れる。 即死する。 |
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ひぃ! |
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ひぃ! |
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ひぃ! |
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絶対に地獄を見せるからな! 苦しめて殺してやるからな! |
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おい、ブス子を蹴った坊主! |
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は、はい! | |
交尾の場面がみたいとか言ってたな! | |
そんなに交尾の場面がみたいなら今すぐやれよ! そこの頭を叩きわった坊主の死体とホモせくすしろや! |
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な!? |
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な!? |
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そんな僕ドーテイなので・・・ 許して下さい許して下さい! |
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ブス子を蹴った坊主頭が涙ながらに謝罪する。 イジメていた時の覇気は消え、領主に命乞いをする奴隷のように土下座をして謝罪しようとする ・・・も |
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やれっていってんだろーが! | |
ブス子の父親は坊主頭の腹を凄まじい勢いで蹴り、内蔵破裂の致命傷を負わせる。 もはや30分以内に死ぬレベルの致命傷。 |
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げほっ・・・ げぼっ・・・ |
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(すごい・・・) |
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やりゅましゅよ・・・ やりゅますから・・・ |
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すいません、すいません。 そういうと坊主頭の男はズボンを自分のズボンをヌギ、頭がつぶれた少年のズボン脱がす そして行為に及んだ |
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すいません・・・ すいません・・・ |
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坊主頭はすでに精神が崩壊し、崩壊したボロ雑巾のようになっている。 それでも坊主頭は腰を動かす。 動かす。 |
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すいません・・・ すいません・・・ |
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すいません・・・ すいません・・・ |
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・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
動きが遅い! | |
すいません。 カクカク、カクカク。 |
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もはや地獄を越える光景。 地獄を越えた何かがワープしてやってきた絶望感。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ |
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ふざけるな。 殺す。 |
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ぎぃ。 | |
そんな状況の中。 掃除入れのロッカーが開き ロッカーの中から別の登場人物がワープして現れた。 |
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! | |
・・・・・・・。 | |
その男は50歳ぐらい。 クロスボウを装備しており、クロスボウにはピンポン玉サイズの石がセットされている。 |
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誰だ! おまえは! |
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うちの息子をイジメるな! | |
現れた男は坊主頭の父親だった! 「坊主頭の父親」は「ブス子の父親」の頭部をクロスボウで攻撃! |
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ブッシッ! |
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メ キ ョ ! |
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クロスボウから発射された石は「ブス子の父親」の眉間(みけん)にのめりこみ! ブス子の父親は即死した! |
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パパぁぁ! |
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ああ、手遅れだ。 僕は何もできなかった。 |
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僕は僕は・・・どうすればよかったんだ? |
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・・・・・・。 | |
これらの事故により、坊主頭の中学生は2人死に、ブス子の父親も死亡。 坊主頭の父親は自殺した。 |
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・・・・・・。 |
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・・・・・・。 | |
とてもとても痛ましい事件。 これが岡崎市イジメ報復事件の全容である。 ・・・・ ・・ ワープ実装世界における変化その2 ワープによって人と人との距離が縮みすぎ報復が容易となる。 |
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・・・・・・・。 | |
・・・などという事件を調査した御山アキラ(みやまあきら)は事件の事を思い出しながら、ボソリとつぶやく。 |
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人を恨めば穴2つと言いますが、その言葉は間違いですよね? |
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は? |
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突然なんだよ? 刑事さん。 |
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人を恨めば穴2つだけで終わるわけがない。 | |
大量の穴ができて、みんなドツボにはまりますよ。 |
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刑事さんさぁ。 言いたいことがあるなら直球ストレートで言ってくれねーかな? |
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テロ被害で大切なお爺ちゃんが亡くしたのは同情します。 でも報復テロとかしちゃダメですよ。 |
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シックスティさんからはなぜか危うさのようなものを感じます。 御山アキラ(みやまあきら)はシックスティの目をまっすぐ見ながら言う。 |
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ああ、そういう | |
それなら痛いぐらい分かってるよ。 絶対にやらねーから安心しな。 |
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(痛いぐらい分かってる?やはりこのシックスティという男には何かありそうですねぇ) |
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(やっぱり色々と疑われてるよね?) |
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つか刑事さんさぁ。 俺にユサぶりをかけてるだろ。 |
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俺、被害者なんですけど。 |
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ああ。 いやいや、色々不安にさせる事を言ってすいません。 |
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どうにも僕は警察っぽくない人間でしてね。 よく野良犬とか言われますよ。 すいません。 |
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野良犬ねぇ。 |
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では、僕は仕事に戻ります。 |
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御山アキラ(みやまあきら)は強化兵に殺された老人の遺体がある場所に移動し・・・ 頭部を失った老人の遺体を確認。 そして両手をあわせて冥福を祈り、刑事の仕事を続けた。 |
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お爺ちゃんが死んだばっかなのにねぇ。 ポリスメンにからまれるとはねぇ。 |
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セールちゃんが心底疲れた顔でガックリ落ち込む。 |
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ちゃんとジジイの供養をしないとな | |
シックスティはセールちゃんの肩を手の甲で軽く叩いた。 ここは壊れたマンションの前。 壊れたモノはどうしようもなく、悲しみしか残らない。 ・・・・ ・・ そして、この話はここで終わらなかった。 ・・・・ ・・ |
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老人虐待の主犯シックスティを発見! |
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老人をイジメ殺した男はゆるさない! |
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イジメスレイヤー出動! |
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イジメスレイヤー出動! |
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は? | |
不意打ちとも言える大音量が鳴り響き、シックスティもセールちゃんもわけが分からずひたすらキョドる。 |
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おいおい! なんなんだこの大声は! |
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イジメスレイヤーってナニよ? |
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・・・? | |
30mほど離れた場所にいるシックスティに何かがおきている? |
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ギュローン! |
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ギュローン! |
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ギュローン! |
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ギュローン! | |
そして目の前の空間が回転しながら歪む! 歪みが穴となり、直径30cmのワープトンネルが30個ほど開通される! |
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ダイレクトワープトンネル!? 次から次へとどうなってるんだよ!? |
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つか説明しろよ! 説明不足すぎて視聴者ポカーンだわ! |
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ターゲットのシックスティを発見! | |
ってぇ! |
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なんで俺がターゲットなんだよ? |
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意味が分からないんですけど!? |
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びゃ! | |
びゃ! | |
次の瞬間! ワープトンネルから大量の石が放出される! 横殴りの雨のように叩きつけられる 投石の雨あられ! 投石の雨あられ! 投石の雨あられ! |
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びゃ! | |
びゃ! | |
びゃ! | |
びゃ! | |
びゃ! | |
余談だが、投石は太古からある処刑方法の1つでもあり、最も苦しい処刑の一つとされている。 |
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