戦場のワープ | |
2021年4月1日 ※こっちがBパート。 Aパートの続きなの |
ちょっ! シックスティ! |
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お爺ちゃん生きてる? 暴力振るってない? シックスティが食事介護をしていると、勢いよくドアが開き20歳ぐらいの女性が乱入した。 |
「ここはマンションの一室」 |
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おお、セールちゃんか。 ジジイのエサはやっといたぞ。 |
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やったーセールちゃんだー♪ ヽ(●^▽^●)ノ |
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セールちゃん! セールちゃーーーん! ((((((/´З`)/チュー 食事介護をされてた老人がベッドから転がり落ち、ゾンビのように地面を這(は)いずりながらセールちゃんと言われた女性に向かって特攻する。 「セールちゃんと言われた女性」 |
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がー! セクハラ老人がやってきたぁぁ! |
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でも、そんなワシが心配で来てくれたんじゃろ! セールちゃんガチ女神だわー! |
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90まで結婚しなかったけど、セールちゃんとなら結婚童貞捨ててもいいぞぉ! |
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そんなにアグレッシブなのになんで結婚できなかったんだ? 客商売の女性にだけ強気に出るクソ野郎か? |
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まぁ、元気そうで良かったわ。 お爺ちゃんがシックスティにブン殴られて死んだらヤバいもんね。 |
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セールちゃんは胸を撫で下ろす(むねをなでおろす) |
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なんだよ。 俺が信用できないから来たのかよ。 |
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そらそーよ。 「地雷ジジイ」と「地雷介護職員」の組み合わせを知ったら心配になるわよん。 |
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あんたも介護の仕事をはじめて1ヶ月で辞めたくはないでしょ。 |
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へーへー。 地雷ですいませんねぇ。 |
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そう。 俺は介護つきのマンションで働く介護職員である。 今の時代、1人ぐらしのジジババが異常に多い。 (とくに団塊Jrのジジババ) 俺はマンションで住み込みで働き、ジジババの生死確認をしながらジジババの世話をしているのだ。 |
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あんたも私も元テロリストの訳あり物件なんだからさ。 | |
今の仕事を大事にしなさいよ。 優しいセールさまが、セクハラしようとしたジジイの両手を掴(つか)みながら答える。 |
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駄目ー!セールちゃん! 両手のガードを下げてぇぇ! <(;゚◇゚;)> |
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オ○パイ触れない! ジジイ決死のパイさわり攻撃は全て阻止される。 ジジイがATフィールドをこじあけるエヴァンゲリオンのようにセールちゃんのガードを崩そうとするが、ガードは崩れない。 |
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ホントこのお爺ちゃんは100歳まで生きそうねぇ。 |
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エ□ジジイほど長生きすると言われてるが、マジなんだろな。 (どんなに文明が進歩しても男は変わらんよ) | |
そんな何気ない会話をする退屈で平和な日々だった。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ が! だが! ワープ実装世界では そんな何気ない平和な日々は突然崩壊するのだ! ワープ実装世界における変化1 突然の不幸がワープとともにやってくる。 |
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ゆさ・・・ |
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ん? |
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あれ? 地面が揺れた? |
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ガタガタ。 ガタガタ。 |
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ガタガタ。 ガタガタ。 |
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ガタガタ。 ガタガタ。 |
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突然、地が揺れ! マンションが揺れ! 震度6強の地震が発生した! 食器棚が揺れる! ベッドが揺れる! つるされた電灯がホコリをまき散らしながら揺れる揺れる! |
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おいおい!? いきなりの大地震かよ!? |
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どんなに科学が発展しても日本の地震はどーにもならねーってか? |
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うわぁぁぁ! セールちゃん怖い! (*´>ω<))ω-●)顔面ムギュー |
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いや、ちょっと待って! これは地震とは感じが違う! |
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むしろ大規模なワープに近い。 下手したら地形ごとココに何かがやってくるわよ! |
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おいおい! トラブルはゴメンだぜ! |
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そう! これは地震ではなく大規模なワープなのだ。 外で何かが転送され、道路に穴が開きまくる! |
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ガッコン! |
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ガッコン! | |
そして道路の穴から熱帯雨林の樹木が次々と生えてくる! 暑苦しい熱気とともにジャングルが生えてくる! |
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メキメキ!メキメキ! メキメキ!メキメキ! メキメキ!メキメキ! |
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メキメキ!メキメキ! メキメキ!メキメキ! メキメキ!メキメキ! |
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グゥア! グゥア! |
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グゥア! グゥア! |
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外は一瞬でジャングルに変わった! |
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うわぁ・・・ 外がジャグルになってるわよ。 |
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もしかしてアフリカのジャングルがここにワープしたのか? (なんつー迷惑な) |
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それだけではない! |
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ガコンッ! ガコンッ! |
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メキメキ! | |
アスファルトを突き破り全長7mの服を着た巨人が現れる! 軍用レインコートを着た兵士のような巨人が現れる! 「全長7mの服を着た巨人」 「現在位置:巨人とセールちゃんの距離30m」 |
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なんじゃこらーーー!? ∑(´゚Д゚`) |
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これは強化服!? アフリカの反ポリコレ戦線で使われているメイドインジャパン! |
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あー、アフリカの武装組織って日本製の乗り物をよく使うよなぁ。 |
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フィーーーーン! (↑駆動音) |
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目の前に現れた服を着たロボ。 俺達はこれを強化服と呼んでいた。 強化服は主に土木作業に使われるが、戦争に使う国もある。 |
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フィーーン。 カチャッ! |
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強化服が軽快に動き、銃を構えた。 生身の人間よりも動きが2倍早い。 |
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これは地形のワープどころじゃない。 | |
戦場のワープね! |
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あわわわわわ! ((ノ)゚Д゚(ヽ)) |
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そう!これは戦場のワープ! 最もろくでもないワープの1つ。 文字どおり戦場そのものがワープしてやってくるのだ。 犯人の動機は不明。 一説によると裕福な人間に嫌がらせをするために戦場をワープさせるなんていう説もある。 |
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おおい!そこの強化服野郎! とにかく銃を下ろせ! |
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こんなとこでドンパチはじめたら国際問題になるぞ! おまえんとこの国が日本から多額の援助金もらってるのは知ってるからな! シックスティが大声を出すがそんなモノに効果は無い。 援助したから何かしてくれるわけではないのだ。 |
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ジャキッ! | |
ダ ム ! |
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いきなり強化服が戦車用砲弾を発砲! 無言で暴力をふるうヤクザよりも殺意が高い。 |
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うっそ! うぇぇ! |
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セールちゃん危ない! | |
セクハラをしていた老人が全身の筋肉をフル動員して跳躍(ちょうやく)! セールちゃんにおおい被さった! |
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馬鹿! 素人が前に出るな! |
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突然の出来事に場は混乱し、3人とも冷静な対応が出来ない。 |
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ズ ッ ガ |
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! | |
ひ! | |
銃弾はセールちゃんの30cm上を通過! 戦車用砲弾は瓦礫(がれき)をまき散らしながら直進し、マンションに直径30cmのトンネルを開ける! |
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あ!? |
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グ シ ャ ! |
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セールちゃんをかばった老人に瓦礫(がれき)がぶつかり 老人の頭部がスイカ割りで割れるスイカのように割れた!死ぬ! |
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・・・・・・。 |
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ジジイ!? |
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お爺ちゃん!? | |
あまりに無慈悲 無惨 地獄! 老人はFPSでヘッドショットされた兵士のように倒れ、人形のように生気のない塊(かたまり)に変わった。 |
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あ・・・あ・・・ うそ・・・そんな・・・ |
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クソがああぁあ! | |
おい! 強化服のパイロット! ワープで音声を送るぞ! なんて事をしやがるんだぁぁ!! ※この時代は音声をワープさせる事で電話のように通話ができます。 |
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こちら、南アフリカの反ポリコレ戦線・・・巻き込んでしまった事は謝罪する。 |
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なぜ撃ちやがった! |
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マンションの後ろに敵の指揮官がいる。 この攻撃は指揮官に対する攻撃なのだ。 |
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「現在位置」 |
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ふざけんなよ! 戦争がしたいなら国に帰って戦争しやがれ! |
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できなければ殺(ころ)すぞ! |
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駄目だ! | |
なんでよ! |
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敵の指揮官を目の前にして戦いをやめる選択肢はない。 我々も必死なのだ。 |
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強化服を着た兵士は戦いをやめる気配がない。 |
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このやろぉぉぉ。 死人が出たこっちはお構いなしかよぉ。 |
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そっちがそのつもりなら俺もお前の事情なんか考慮しないからな。 |
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セールちゃん視点をワープさせて敵の位置を調べてくれ。 |
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もう、やってるわよ! | |
セールちゃんが視点をワープさせて300m上空から敵の位置を調べる。 ※この時代では視点をワープさせて遠くを見ることも出来るの。 「敵の位置」 |
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TOP VIEWからの目視完了! | |
敵の位置は・・・ 12時の方向30m地点に敵1 10時の方向80m地点に敵1 1時の方向60m地点に敵1 6時の方向30m地点に敵1ね。 |
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つまり敵は4体か! 一瞬で終わらせてやんよ! |
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終わらせる? 生身でか? |
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ワープ実装世界における闘争を見せてやんよ! | |
シックスティが足を前に向け、後ろの足を45度外に向ける。 つまり空手家のように構える。 |
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空手の構え? そんなもので? |
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そんなものでお前は死ぬんだよ! | |
シックスティは左足で地面を踏み、右肘(みぎひじ)を後ろに引き ただ正拳突きをした! |
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グ キ ャ ッ ! |
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次の瞬間! 強化服に搭乗した兵士のデコが砕け、拳が脳に侵入! 兵士が一瞬で絶命する! |
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拳をワープさせて兵士に正拳突き。 |
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拳をワープさせただと? どういう仕掛けでそうなる? |
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それを見た「背後にいた兵士」が驚愕した。 |
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科学的な仕掛けはあるけど教えてやんねー! | |
これで1人を殺(ころ)して、2人気絶させたからな! あとはてめー1人だぞ! 「現在位置」 |
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はぁ? 3人仕留めただと? おまえは1回殴っただけだろう! |
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ワープ実装世界における格闘はマルチアタックが基本だ! | |
まず拳をワープさせて敵を1人倒し 同時に地面を踏んだ足をワープさせて、敵のアゴを踏み気絶させる! そして後ろに下げた肘(ひじ)をワープさせて敵のアゴを攻撃し気絶させた! これで3人撃破だ! |
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1つの動きで3人の敵を同時に倒したと言うのか!? |
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そういう事だ! オールドバトラー! |
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ワープで直接ブン殴れる時代に強化服は役に立たねーよ! |
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もう「戦争攻略サイト」の傭兵どもに連絡したからね。 あんたらに勝ち目はないわ。 |
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さっさと降伏しなさい! ※戦争攻略サイト・・・現時点では説明しません。 後で説明します。 |
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黙れ! 我々は敵軍のポリコレ棒にどれほど物理で撲殺されたか分かっているのか! |
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あんたの事情なんて知らない。 これ以上、負け戦を続けるならホントの馬鹿よ。 |
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兵士「だからどうした? 例え負け戦でも・・・」 |
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敵司令官を前にしてムザムザ引き下がるわけがないだろーがっ! | |
激怒 憤怒 怒髪天! 兵士はいっさい引かない! 振り返らない! |
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馬鹿・・・ | |
ジャキ! | |
強化服は流れるような動作でロケットランチャーを構え 2mのミサイルを放つ! 皆殺しという選択をする。 |
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このクソ馬鹿野郎がぁぁ! |
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シュウーーーー! パカッ! |
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ミサイルは近接防衛ミサイルRAMのように回転しながら飛び、途中で真っ二つに割れる! |
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これは!? | |
そして、そのミサイルの中から 全てを引き裂く百の鉄球がばらまかれた! 大量の人間を不幸にする百の死神がマンションに押し寄せる! |
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爆発性が無い徹甲クラスター弾! (こんなとこで!) |
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これで敵の司令官ごと死ねぇぇ | |
え え え え え え ! |
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すでにワープトンネルは100確保した。 |
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? | |
シックスティ「じゃな」 |
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は? は? |
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マ ル チ ア タ ッ ク ! |
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シックスティが拳を突き出す! 見た目は凡庸な正拳突き。 しかし迫力だけは異様にある。 クジラさえもワンパンで平らに出来ると思えてしまう迫力がそこにはあった! |
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馬鹿がそんな事で! |
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じぇんぶ粉砕したからな。 |
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ガシュ! | |
ガシュ! | |
ガシュ! | |
ガシュ! | |
ガシュ! | |
次の瞬間に百の鉄球が全て粉々に砕け粉(こな)に変わる! 100発のクラスター弾がホコリに変わる。 |
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はぁぁ!? なにをした!? |
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1回拳をだす間に「拳を百回ワープさせて」鉄球を全てぶっ叩いただけだ。 | |
古い兵器なんていっくらでも対応できるんだよ! |
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何者だぁぁ! おまえはぁぁ!! |
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マンションの見守り介護をしてる介護職員だよ! 月給15万だぞこの野郎! |
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しかも手取りはもっと低い! シックスティがもう1度拳を拳(こぶし)をワープさせる! |
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グシャッ! | |
拳は強化服パイロットの胸骨に命中し パイロットの全身は「電子レンジで爆発する卵」のように爆発飛散した! コクピットが肉片で染まる! |
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こんな市街地でクラスター弾ぶっぱするカスなら当然死ぬ覚悟ぐらいはしてるよな! | |
俺は敵に慈悲をくれてやるほど甘ちゃんじゃねーぞ! |
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そっちが1人殺して、私らが2人殺したからお相子ね。 |
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・・・・・・。 | |
死んだ兵士は赤いミンチとなり即死していた。 |
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・・・・・・。 |
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セールちゃん! ジジイは? |
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駄目。 ダメ元で応急処置はしたけど |
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瓦礫の衝突で頭が粉砕したからどうしようもないわ。 セールちゃんが老人の亡骸(なきがら)を抱きかかえながら首を横に振る。 |
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・・・・・・。 |
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クソが! この人はな! |
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90年間ニートを貫き、5chとツイッターだけで戦ってきたネットファイターの生き残りなんだぞ。 貴重なシーラカンスなんだぞ! |
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お、惜しい人を亡くした。 ・・・のかしらね? |
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よりにもよって俺の職場にワープしやがって。 | |
シックスティが手の甲で背後の壁を殴る! 手の甲から血が流れ・・・ 流血と同時にシックスティは涙を流した。 |
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ダラッ・・・ |
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平和ボケしてなければもっと上手くやれた。 |
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強化服を目視した瞬間に殺(や)っとけば良かったわね。 | |
セールちゃんとシックスティは苦悩した。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ 場所は変わり。 シックスティから200mほど離れた樹木の上。 |
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・・・・・・。 | |
樹木の上からシックスティを望遠鏡で観察するモノがいた。 「観察者」 |
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ふむ。 壁を叩いただけでシックスティの拳(こぶし)から血が出ているな。 |
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そんな普通の拳(こぶし)でどうやってクラスター弾を破壊した? しかもシックスティは生身でワープ機能を使っているように見えたぞ。 観察者はブツブツとつぶやきながら観察する。 |
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・・・・・・・。 |
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・・・・・・・。 | |
・・・・ ・・ 観察してもセールちゃんとシックスティの正体が分からない。 |
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まぁ、分からないのはしょうがない。 | |
科学の発展で、国家でさえ把握できない力を持つ一個人(いっこじん)が続々と生まれてしまったからな。 (科学の発展が一個人の力を強化させすぎた) |
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ひでー話だぜ。 |
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まったくだよ。 暴力装置君。 |
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人類は・・・ 君は・・・ 無限とも言える暴力をワープさせる そういうと観察者は立ち去った。 |
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酷い時代になったもんだ。 | |
このまま科学が発展したらドラえもんみたいに地球破壊爆弾 (ちきゅうはかいばくだん)を使う一個人が現れるかもしれん。 おそがい。 おそがい。 ※おそがいは三河弁、名古屋弁で恐ろしいという意味。 「無限暴力のシックスティ序章おしまい」 |
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