第74話 | |
2015年11月19日 日本狼「みんなの地球を大切にしろ!」 |
無限連鎖講(むげんれんさこう)! |
メスは無限連鎖講を使い、日本中に住む2兆匹の昆虫を支配した |
ファサ・・ファサファサ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ |
ファサ・・ファサファサ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
プーン・・・プー・・・ |
深夜。 とある山にある展望台。 メスは展望台の下で段ボールをかぶって隠れていた 「展望台」 |
ぬがぁぁぁぁ! |
山の中腹では60Gが竜巻と地震相手に悪戦苦闘している。 「60Gは竜巻と地震相手に悪戦苦闘中」 |
60G。 | |
60G。 |
展望台の上で日本狼と女銃鹿が、60Gの姿を観察していた 「キャラクターの現在位置」 |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 |
そして なゐの神衣(ないのかむい)と蜻蛉斬り(とんぼきり)が… それらの様子を離れたビルの事務所から、∞視点で監視していた。 「離れたビルの事務所」 「キャラクターの現在位置(全国版)」 |
手札は満(み)ちたっ! |
みんな気づいてないけど、今この卓は私のコントロール下にあるよ。 段ボールの中に隠れたメスがメスコンを握りしめる。 「メスコン」 |
次は地面の中で平泳ぎしてやらぁぁぁ! |
|
地面の中で平泳ぎ! | |
すげぇ! |
日本狼は60Gを注目している。 60Gは囮(おとり)として派手に動いていた。 |
この状況で、私は私の何千倍も強い日本狼ちゃんをしとめる。 |
しとめてからお姉ちゃんもチョロリンと撃破。 お姉ちゃんを処刑できない体に洗脳するよ 「最終目的はお姉ちゃんなの!」 |
60G…おまえの力を新世代の狼に搭載(とうさい)したくなった。 |
貴様の雄姿を観察してやろう。 |
そう…観察… |
私は今まで日本狼ちゃんの行動をじ・じっくり観察してきたの。 そこで1つの事実に気がついたよ。 「日本狼ちゃんを観察しまくったの」 |
日本狼ちゃんは1回も本気で戦ってないね! |
ゆえに私は日本狼ちゃんに恐ろしさを感じなかったよ。 物量型グノーシャなら男銃鹿(おじゅうか)ちゃんぐらい恐ろしくてもいいと思うの 「男銃鹿(おじゅうか)」 |
・・・? |
あれ? 男銃鹿(おじゅうか)ちゃんって誰かな? まぁいっか。 ※男銃鹿(おじゅうか)は生まれた事実が消えてしまっている。男銃鹿(おじゅうか)の存在を覚えている人物は女銃鹿となゐの神衣だけ。 |
土砂(どしゃ)の上でバタフライ泳法! | |
ええええええ! そこまでー! |
|
とにかく日本狼ちゃんは本気を出してないね。 |
日本狼ちゃんは周りを気づかって自分自身をルールで縛(しば)っているの。 「周りを気づかって自分自身をルールで縛(しば)る日本狼」 ルール縛(しば)り |
そこが日本狼ちゃんの弱点だよ |
ルールに縛(しば)られると、ルールを破(やぶ)って不意打ちをしてくる相手に超弱くなるの。 例えばボクシング。 ボクシングではゴングが鳴る前に不意打ちで殴られて、ダウンしちゃう場面があるね! |
・・・・・・。 | |
どんな強者でも想定しない、ルール破りを不意に喰らえば一瞬で沈む! |
それが力の現実なの! |
あああああ! どぉだぁぁ! |
突破してやったぞ! メスが考察している間に、60Gは竜巻と地震で構成された災害の嵐を突破していた。 |
パチ…パチ…パチ… (静かにゆっくりと拍手している) |
|
今行くぞ。 クソ狼。 |
60Gは全身血まみれで、衣服の損壊が激しい。 特にズボンの損壊が激しく、下半身は何もつけていない状態だった。 |
あれだけの災害を突破するとはな。器用さだけは褒(ほ)めてやるよ。 |
|
ホント私が負けたのもうなづけます。 | |
このまま速攻でいくからな! |
∞! ∞! ∞! 60Gは600の残像と血をまき散らしながら、山を駆け登った! |
そうはいかんな。 第二撃行くぞ。 |
日本狼が月を動かし攻撃の準備をはじめる。 ・・・・ ・・ |
好 機 ! |
メスは、無限連鎖講で支配した日本中の昆虫を一斉に動かす! 2兆匹の昆虫が一斉にうごめいた! |
ブブ・・ブブブ・・・ |
ファサ・・ファサファサ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
ファサ・・ファサファサ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ |
ファサ・・ファサファサ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
ファサ・・ファサファサ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
ブブ・・ブブブ・・・ | |
プーン・・・プー・・・ |
|
(・・・?) | |
ここで昆虫を使って一斉に攻めても日本狼ちゃんの重力でつぶされるだけだね。 |
だったらどうするかな? だったらどうするかな? だったらどうするかな? |
だったら無限連鎖講で |
2兆匹の昆虫に∞操作を使わせるの そして… みんなと一緒に… |
最も強い生物を操作する! |
「最も強い生物」 日本中の昆虫さんと力を合わせて、私一人では操れない怪物を操作するの! ・・・・ ・・ |
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! |
首を洗って待っていやがれ! 一方、60Gはフルチンで山を高速で登っていた。 |
しっかし60Gは実に器用に動くな~。 |
日本狼は空中を浮遊しながら60Gを見つめている。 |
次はどうしますか? | |
よし。 頑張る60Gにご褒美(ほうび)だ。 |
褒美に私のポールシフト戦術を見せてやろう。 日本狼は60Gの頑張りに敬意を表し少しだけ本気になった。 |
ポールシフト戦術!? | |
これからが物量型グノーシャの大闘争だ。 |
日本狼は天に両手を向ける。 日本狼が天に両手を向けると、月が加速しながら回転した! |
こんなに回転させたら重力崩壊が起きる。 | |
!? |
・・・・なんかやべぇ。 (メス! さっさと動けよ!) |
月が秒間1122回転した時に私のポールシフト戦術が発動する! |
範囲を司る獣の極限を見よ! |
やらせないよっ! |
メスがかぶっていた段ボールを脱ぎ捨て、居合い切りの構えをとった! |
!? | |
!? | |
!? | |
!? | |
!? | |
なの・の・の・の~! |
メスの声にあわせて日本中の昆虫が 舞い上がる! 蠢(うごめ)く! 走る! |
(ん?やはり嫌な感じがする?) |
メスが前に踏みこむ! |
無限連鎖講! 最終段階! |
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(∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作!) |
(∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作!) |
|
(∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作!) |
|
(∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作!) |
|
(∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作!) |
|
(∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作!) |
|
(∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作!) |
|
(∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作!) |
|
(∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作!) |
∞操作! ∞操作! ∞操作! ∞操作! ∞操作! ∞操作! ∞操作! ∞操作! ∞操作! |
そしてみんなの力を1人に集中! |
∞ 最強 操作 ! パパをみんなで操っちゃうの! |
やるなメス。 |
一瞬だった。 問答無用だった。 なゐの神衣の肉体は、メスに一瞬で支配された! |
得物を出すの。 | |
奇襲とはいえ抵抗不能か。 大したものだ。 |
なゐの神衣はメスに操られ、スーツの内ポケットに手をいれる。 |
え? お父様? |
内ポケットには確か…名刺が… |
∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作! |
|
∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作! |
|
∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作! |
|
∞操作!∞操作!∞操作! ∞操作!∞操作!∞操作! |
∞操作! ∞操作! ∞操作! ∞操作! ∞操作! ∞操作! ∞操作の見えない弾幕がなゐの神衣に降(ふ)りそそぐ! 操(あやつ)られた「なゐの神衣」が能のようにゆっくり動いた。 |
なるほど。 無数の生物の力に頼り私を操るか。 |
なゐの神衣は、メスと昆虫に操られ、スーツの内ポケットから石製の弾丸を取り出した。 「石製の弾丸」 |
これは要石(かなめいし)! |
お父様なんのつもりですか!? |
操るのぉぉ! |
メスが血を吐きながらなゐの神衣(ないのかむい)を操る! |
ばっちゅん! | |
ばっちゅん! | |
ばっちゅん! | |
ばっちゅん! | |
ばっちゅん! | |
ばっちゅん! |
なゐの神衣(ないのかむい)を1ミリ動かすたびに、∞操作を使っていた昆虫がはじけて死んだ! 数億匹死んだ! |
こんな手は私に対して1度しか通用しない。 |
ミスをすれば死ぬぞ。 |
絶対に外さないよ! |
メスがなゐの神衣を操る。 ゆっくりと操る。 |
う~し完了~。 | |
ごぉおおぉおぉ! |
一方、日本狼は月を何万回も回転させ、月から大量の重力を発生させていた 月の重力で山の小石が浮かび、山の展望台が1m宙に浮く。 |
大重力満タン |
これより物量型の闘争をはじめる。 |
日本狼! 本当にやらかすんですか! |
|
本当にやらかすんだよ! |
ポールシフト戦術をな! 60Gは0秒もつだろうか…… |
否(いな)! |
否! 否! 日本狼ちゃんは攻撃する前に沈む! |
??? | |
・・・・・・。 |
メスに操られたなゐの神衣が、石でできた弾丸を 人差し指の第一関節の上にのせた |
なゐの神衣! |
なんのつもりだ! なゐの神衣の行動に危機を感じた蜻蛉斬り(とんぼきり)が絶叫する。 |
すまん。操(あやつ)られた。 |
|
なっ!? |
まさか・・・メスに! だったらメスを殺・・・ |
パパやっ ちゃいなよ! |
なゐの神衣は親指に力を入れる。 |
すぐにメスを殺処分する! | |
遅い。 | |
だったら! お父様を壊す! |
「蜻蛉斬り」は「なゐの神衣」の指を引きちぎろうとする! |
そちらの判断も遅い! |
なゐの神衣の指が動き なゐの神衣は石で出来た弾丸を親指の爪ではじく。 弾丸が発火し・・・ 弾丸 は撃 発し た! 石の弾丸は事務所の壁に直径2mの穴をあけ、直進する! |
あ…! ああ…! |
アッサリ飛んでった! |
なんだ? 恐怖を感じる? |
どういうこと? どういうこと? |
まったくお転婆(おてんば)さんが。 | |
そんな次元の話じゃない。 あれは…あの弾丸は… |
蜻蛉斬りは恐怖で弾丸に手が出せない。 |
狙いは完璧! 絶対にはずさないの! |
|
当たれば日本狼は即死する。 |
ビルの外に出た石の弾丸は 日本狼に向かって飛翔する 弾丸の速度はマッハ5! 女銃鹿の放つ光速の弾丸に比べると、かなり遅かった |
見た目は地味。 でもあれは動いていい物じゃない。 |
あれは… 要石(かなめいし)は日本よりも巨大なナマズを押さえこむ絶対質量の塊(かたまり) 面積も質量も極めて無限に近い。 |
狩った! |
いくら日本狼ちゃんでも、不意打ちでパパの弾丸を喰らえばひとたまりもないね。 勝利を確信したメスが勝利のコロンビアポーズをとった。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ |
あ…やっぱやめ… |
やっぱ攻撃やめて防衛するわ。 |
え! |
|
なんか・・・不意打ちを喰らう気がする。 |
日本狼は60Gに対する攻撃を即座に中止し、天に浮かぶ月をつかんだ。 「天に浮かぶ月をつかんだ」 |
どうしたんですか? 日本狼? |
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何もない所から危険を察知したか。 | |
ど…どうしてかな!? |
完璧にして必殺の不意打ちだよ! |
よくわかんねーけど・・・完璧に隠した人間の罠と同じ臭いがするんだよなー。 |
日本狼は月を手元に移動させ 月を長さ2mの刀に変形させた。 「月の剣」 |
はわわわわわ! | |
野生動物を甘く見すぎたな。 | |
何が来るかわかんねーけど… |
念のためブラックホールの盾で守るか |
えっ!? ブラックホールの盾!? |
|
∞ 範 囲 ! |
日本狼が∞範囲とつぶやくと月の剣はみるみると縮小… ノミよりも小さくなった。 |
月という巨大な物質が縮小し超密度になれば、ブラックホールが発生する元になるだろう。 |
光さえ飲み込むブラックホールに防げぬモノは存在しない! |
たしかに! ブラックホールで防げないモノなんて考えられないの! | |
ちがう。 |
ブラックホールは絶対じゃない。 |
そいや! |
前方に ブラックホールの盾を展開 日本狼は月の剣を300m前方に投げる! 月の剣は自身の重力で体積がほぼゼロになるまで縮小。 ・・・・ ・・ 月の剣から 直径100mのブラックホールが発生した! |
おい!展望台の近くでブラックホールが発生したぞ! |
|
あんなにアッサリとブラックホールを展開? |
物量型はこれだからヤバイ。 「キャラクターの現在位置」 |
だーっ! | |
まーこれでひと安心だな。光さえ吸い込むブラックホールの盾は絶対だ。 |
|
ちがう。 |
ブラックホールは入口の穴が小さい。 絶対の盾にはなりえない。 |
で、どんな攻撃がやってくるんだ? |
日本狼が前方を凝視(ぎょうし)すると 前方からなゐの神衣が放った石の弾丸がマッハ5で飛んできた。 「石の弾丸」 |
あれ~? マッハ5ぐらいの遅い銃撃ですね~。 |
|
ショボッ! どこの雑魚アッガイだよ! |
|
ちがう。 |
むしろターンX |
知らん。 なんだそれは? |
なゐの神衣はガンダムをニューガンダム までしか見ていない。 |
まぁいいや。 さっさとブラックホールにのまれろ。 |
なゐの神衣が放った石の弾丸が日本狼を急襲するっ! 石の弾丸は直進し・・・ ・・・・・・ ・・・・ ・・ ブラックホールに飲まれ一瞬で消滅した |
アッサリ… | |
パパショボッ! |
|
あ…ああ… あ… |
強い力と強い力をぶつけると… |
まぁ、奇襲は低次元でしたね。 |
しかし、このブラックホールはすごい。 ブラックホールは銃弾だけを吸い込んで他のモノを何も吸い込んでいません |
∞範囲で効果範囲を制御してるからなー。 | |
コォオォォォオォオォオォオォ… |
女銃鹿の言うとおり、直径100mのブラックホールは銃弾以外は何も吸い込んでいない。 日本狼は∞範囲で完璧にブラックホールの効果範囲を制御していた。 |
やはり物量型グノーシャは根本的な物量が違います。 | |
大した事ないんだから勘違いしないでよね。 |
脅威(きょうい)が去って安心した日本狼は少しだけデレてみせる。 ・・・・ ・・ その時 |
ブ ゴ ッ ! |
突然! 直径100mのブラックホールが左右に揺れた! |
は! | |
へ! |
|
どゆこと? どゆこと? |
|
えっ? 何これ? |
ブラックホールが左右にゆれたぞ? |
ブラックホールの横ユレなんて普通はありえない現象ですよ! | |
やばいの。 トンデモナイ事をしたかもしれないの。 |
突然発生した現象にみなが大混乱した。 |
ブゴ ゴゴ ゴゴ ッ! |
そして尚(なお)も ブラックホールが左右に激(はげ)しくゆれる! その光景は横ゆれの地震にも見えた。 |
ブラックホールに地震が発生だと!? ありえんだろ! |
|
この現象を観測した人間はこの世界にいない。 |
一体全体なんの冗談だ。 |
お父様は万物に地震… |
いや、万物に振動を起こす事ができる。 それがブラックホールだろうが。 世界のルールだろうが。 時間だろうが。 全てのモノが振動する。 |
・・・・・・。 | |
お父様は地震の神である「なゐの神」のグノーシャ。 |
お父様はこの日本において何よりも恐ろしい。 蜻蛉斬りは仮面を取り出し装着しながらつぶやいた。 「仮面をつけた蜻蛉斬り(とんぼきり)」 |
恐ろしい……か? メスに操られてコノザマだがな。 |
|
グ ゴ ゴ ッ ! |
ブラックホールがユレる! ユレる! 100mだったブラックホールはユレながら 200mに巨大化する! |
なんか、ブラックホールがユレながら 大きくなってませんか? |
女銃鹿がふるえながらブラックホールを指差した。 |
だってもう半分しか制御できないポヨ。 |
|
は? |
ブラックホールが制御できない? |
どうやってこんな意味不明なもんを制御すんだよ? |
マジ分からん。 助けてドラエモン。 |
ドラエモンなんていませーん! 現実を見て下さい! |
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どうしようもない状況になると、無駄だと分かっていてもドラえもんにお願いしたくなるだろーが! |
つか、どうすればいいかお前も考えろよ! 文句ばっか言ってないで代案だせよ! お前は○○党か! |
いきなり危ないネタをぶっこまないで下さーい! | |
うっせーばぁーかー! 世の中どうしようもない事だらけなんだよー! |
上の人間に頼ってないで自分でなんとかしろよぶぁーーーかっ! 責任は部下のおまえがとれ! |
な・・・なな・・・ 最低だこの狼・・・ |
日本狼はブラックホールの制御ができなくなり 解き放たれた200mのブラックホールが暴走をはじめた! |
グゴ ゴゴ ゴゴ ゴゴ ッ! |
ブラックホールが山の木々を吸い取る! ブラックホールが山の岩々を吸い取る! ホコリの山を吸い込む掃除機のように ブラックホールが山の三分の一を吸い込む! |
はわわわわわ! はわわわわわわわ! |
メスがびびってオシッコを少しもらす。 びびったメスは段ボールの中に隠れようとするが、段ボールはブラックホール吸い込まれて異世界へ飛び立った! |
私が紙すきから製造したホームメード段ボールがぁぁ! | |
下手したら俺達も吸い込まれるぞ! どうすんだコレ? |
日本狼も女銃鹿もメスも60Gも荒れ狂う、地形を避(よ)けながら、地面にしがみつく。 |
さっさと本気になれ日本狼。 おまえならなんとかできる。 |
|
いえ! 日本狼は使えません! |
私がブラックホールの中心にある月を焼きつぶします! 蜻蛉斬りが槍投げ機にミサイルをセットし構えた。 「槍投げ機」 |
1.4溝度ランサー中心の月を蒸発させる! | |
待 て ! |
ここは日本狼の邪魔をするな! 普段感情を表に出さないなゐの神衣が大声で蜻蛉斬り(とんぼきり)を制止した。 |
しかしお父様! このままでは! |
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日本狼がしくじれば私がでる。 |
お前は動くな。 |
しかし! | |
動くな! |
なゐの神衣が蜻蛉斬りを睨(にら)む。 なゐの神衣に睨(にら)まれただけで蜻蛉斬りの全身に震度10の地震が発生した! |
がががががっ! |
ちょ・・・お父様! ギブッ! ギブッ! つか弱い者いじめ反対! 大人のいじめかっこ悪い! 蜻蛉斬りがたまらず後ずさる。 |
私の判断を信じろ。 |
|
酷(ひど)いパワハラをみた。なぜ労基さんは助けてくれない。 |
蜻蛉斬りはしぶしぶ槍投げ機を下ろしブラックホールを睨(にら)みつけた。 ・・・・ ・・ 睨んだところでブラックホールは止まらない |
ブゴゴゴゴゴッ! |
|
元の月に戻りやがれっ! |
ブラックホールは周囲を吸い込み続けていた! 山はすでになくなり… ブラックホールは地下の土を吸収し続ける! |
死ぬ―! 吸い込まれそうなの―! |
メス達はグノーシャの力を駆使してギリギリで生きながらえていた。 |
くっそ土煙が発生して周囲が見えねぇ! | |
そもそもこのブラックホールは何を飲み込んだんですか!? |
大質量の謎物質でも飲み込んだんですか? |
大質量な謎物質を飲み込んだんなら大問題だ |
下手したらブラックホールジェットが… |
ブゴッ!!! |
突然、前触れもなく・・・ スイッチを切ったように・・・ ブラックホールが動かなくなった ブラックホールに吸い込まれそうだった土煙がゆっくりと地面に落下する。 |
のの? | |
あれ?ブラックホールが動かなくなったぞ? |
何かが引っかかる音が聞こえたような? |
もしかしてブラックホールの制御大成功ですか? | |
もしかして手作り段ボールさんが救ってくれたのかな? |
いや! |
最 低 だ ! |
・・・・ ・・ ブラックホールの中心で何かが光り輝いた! 光は太陽の光よりも強い! |
まぶ!? | |
しっ!? | |
まさか! ブラックホールジェット! |
遅れて発生したのか? (意味不明な現象が重なってるからわけわかんねーよ!) |
ブラックホール!? | |
ジェット!? |
ってなんですか!? |
ブラックホールが一度に大量の物質を吸い込むと、吸い込みきれなくなって吐き出す時があるんだよ。 |
急に話が難しくなったの! | |
簡単な話だ。 |
こんなとこでブラックホールジェットがでたら・・・ 地球が終わるぞ! |
がー!? 死刑どころじゃなくなります! |
すぐになんとかして下さい! |
今、∞範囲で範囲を縮めてブラックホールジェットを押さえこんでる! |
長くは続かん 日本狼が∞範囲でブラックホールジェットを死ぬ気で喰い止めていた! |
ブ ゴ ゴ ッ ! |
全長200mのブラックホールがゆれる! ゆれる! ゆれる! 目を潰すような光があふれる! |
なんかもう噴き出しそうです! | |
はわわわわわ! はわわわわわわわ! |
|
∞ 範 囲 ! |
日本狼がブラックホールジェットを∞範囲で止める! 日本狼の肉体に負荷がかかり、日本狼の体中にある穴という穴から血が噴水のように噴き出した! |
なんで私はこんな状態なんだぁー! |
戦犯誰だよ! ぶっ殺すぞ! 「戦犯のメス」 |
行け日本狼! 貴様が世界を救え! |
普段、大声を上げないなゐの神衣(ないのかむい)が大声で日本狼を激励(げきれい)した! |
日本狼! | |
日本狼! | |
日本狼ちゃん! |
ブラックホールジェットは止まりそうにない。 無慈悲(むじひ)でとても無慈悲なブラックホールジェットが今吐き出されようとしていた! |
ああ… ブラックホールジェットが… |
|
で… |
る! |
ご お ぉ ぉ ! |
光速のガスが… ブラックホールジェットが… あふれ出た! 「ブラックホールジェットがあふれ出た」 |
オワ・・・ | |
ッタ・・・ | |
人類が溶(と)けて消える。 |
白い光の中、なゐの神衣をのぞく誰もが 世界の結末を覚悟した。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ だめだ! だめだ! |
私に は夢 があ る! |
|
そうだ! こんな所で終わるものか! |
|
範 囲 ! |
日本狼が∞範囲で範囲を操り 日本狼の肉体を800mに拡大させた! |
うそっ! ノ―モーションで巨大化! |
|
一瞬で肉体の範囲が拡大した! | |
行け! 日本狼! |
てめぇが世界を救いやがれ! |
お ま え は ! |
邪魔だ! 巨大化した日本狼は狼のように飛び跳ね 200mのブラックホールに噛みついたっ! |
ごぉおぉぉおおぉ! |
ブラックホールがつぶれた饅頭(まんじゅう)のように歪(ゆが)む! 歪む! |
そうだ! |
|
すごい… これはもはや神話の… |
大神(おおかみ) |
ガ ウ ッ ! |
そして! 日本狼は 日本狼は 日本狼は 日本狼は 天空に向かって! ブラックホールを投げた! |
えぇぇぇぇ! 力技でここまでぇぇぇ! |
|
どんだけー! どんだけー! |
|
元に戻りやがれ! |
|
ゴオオオッ! |
ブラックホールが天に昇る 昇 る ! 途中、ブラックホールジェットに接触した エベレストの山頂が溶けて消えた! 途中、ブラックホールジェットに接触した 113機の人工衛星が溶けて消えた! |
被害甚大(ひがいじんだい)なのぉ! | |
この程度の被害ですんだぞ! ざまぁみろ! |
ブラックホールは 天昇し! 天昇し! 天昇する! そして光速を越えた速度で38万km移動し 月があった場所で停止した |
元の位置に戻りましたね。 | |
無茶苦茶な力技だな。 |
これが物量型グノーシャ。 ∞範囲の日本狼。 |
ギリギリセーフ。 | |
ごぉ ぉぉ ぉぉ ぉ! |
元の位置に戻ってもブラックホールジェットは止まらない。 放出されたブラックホールジェットは 3千光年離れた地球に似た星を撃ち落とし撃墜する! |
ちょっ! 最後が酷いの! |
|
地球に似た星が消えちゃいました。 | |
∞ブラックホールジェットか… |
こんなとんでもないモノ見とうなかった。 60Gも女銃鹿もメスも上空を∞視点でみながら絶句した。 |
巨大な力のぶつけ合いは少年漫画の中だけにしたほうが良い。 |
巨大な力を本当にぶつけあうと本当はシャレにならない。 (だから私は要石に手が出せなかった) |
危険な科学実験だったな。 | |
つか… |
誰だよこの酷い状況を仕込んだバカは… 「この酷い状況を仕込んだバカ」 800mまで巨大化した日本狼は全身から赤い煙を出しながら縮小する。 縮小し元の大きさに戻る |
すまぬ。 すまぬの。 |
|
どこの馬鹿か知らないが! |
みんなの地球を 大切にしろ! この世界は自由だが、やっちゃいけない事が沢山あるんだぞ! |
そっすね。 正論すぎて何も言えません。 |
|
あかん… 力を使いすぎて意識が… |
日本狼は板のようにパタンと倒れ動かなくなる。 倒れた日本狼の姿はひからびたゴキブリのようにも見えた。 |
戻るぞ。 あっけないモノだ。 |
日本狼が気絶した瞬間。 月の剣は元の月に戻り… ブラックホールは消滅した 「ブラックホールは消滅して月は元通り」 |
これで… 一件落着ですよね… |
|
うん。これでひと安心。 |
後は身内で好き勝手に争えばいい。 |
メス的にはここからが本番かもな。 |
60Gが周囲を見回す。 山は完全に消え、周囲は土だけの更地(さらち)になっていた。 「周囲は土だけの更地になっていた」 ・・・・・・ ・・・ ・・ |
って日本狼! 大丈夫ですか! |
|
きゅう~。 |
女銃鹿は気絶して倒れた日本狼を左右にユスる。 脈を測る。 心音を確かめる。 |
・・・・・・。 |
女銃鹿の20m後ろにはメスが立っていた。 |
予想外のことが起きまくったけど… 結果オーライだね… |
最大の障害がダウンして家族水いらずだよ。 |
日本狼! 日本狼! |
|
ばたんきゅ~。 |
あと3日は起きられねーよ。 後で戦犯ぶっ殺す。 |
日本狼! |
・・・・ ・・ |
お姉ちゃん。 |
日本狼ちゃんはしばらく立てないと思うよ。 女銃鹿の20m後ろにいたメスが、女銃鹿に話しかけた。 |
メス! |
いつの間に私の後ろに? というか! いたんですか? 「なぜ?メスが後ろに?」 |
何日ぶりかな? 1年ぶりに出会った気分だよ。 |
|
えっ…その… |
もしかして… メスがこの状況を仕組んだ? |
うん。 |
予想外の事態が起きたけど、おおむね予定通りなの。 最後は日本狼ちゃんかパパがなんとかするって信じてたよ。 「日本狼ちゃんが失敗してもパパがなんとかしてたと思うよ」 |
メスがこの場を操作していた… これが∞操作のメス… |
|
卑怯者だと思われて、お姉ちゃんに嫌われちゃうかな。 |
でもねお姉ちゃんに嫌われてもいいの。 私の評価大暴落でもいいの。 メスは居合切りの構えを取る。 |
メス… |
メスのただならぬ気配を感じ、女銃鹿はとっさに拳銃を取り出し… 銃口をメスに向けた。 |
終わらせるよ。 | |
…っ! |
メス! 何がしたいんですか! |
私はお姉ちゃんの幸せを願っているのっ! |
そして処刑に関わり続ければお姉ちゃんは不幸になるしかないね! |
いきなり何を? |
それに違います! |
ちがわない! |
メスはメスコンの鞘(さや)から光速で刀を抜く。 鞘(さや)と刀の摩擦(まさつ)で火花が5m上空に舞い上がった。 |
冤罪(えんざい)スレイヤーを使うお姉ちゃんを見て確信したよ。 |
処刑の世界は地獄の世界。 そしてお姉ちゃんは地獄の奥に進もうとしている。 「冤罪(えんざい)スレイヤーは地獄を見る悪魔の目だったんだよ」 |
処刑の世界は地獄… 確かに地獄ですね… |
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決着をつけるよ! | |
私が勝ったらお姉ちゃんは処刑をやめるの! メスが光速で刀を振る。 土だけの更地(さらち)で、メスと女銃鹿の最終決戦がはじまろうとしていた。 |
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