| 無限暴力 | |
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2021年7月7日 シックスティ「無限暴力」 ※こっちがＡパートなの。 |
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なんかイジメみたいで感じ悪いわ！ |
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そう言ってシックスティは僕を守る。 |
シックスティは他人を本気で守る大人だった。 そういう大人は驚くほど少ない。 |
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ふいに弱男は、学校の授業を思い出していた。 ここは、とある学校の教室。 数学の授業中。 |
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では簡単な問題を出すぞ。 |
時速６０ｋｍで車が走っています。 ３００ｋｍの道のりを進むのに何時間かかるでしょうか？ 無学馬鹿太くんどうぞ。 |
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えっと・・・５時間です。 |
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はい。 |
では、それと同じ状況で マイナス密度の鉄を使うと何時間かかるでしょう？ |
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え？ヽ(ﾟェﾟ ;≡; ﾟェﾟ)ﾉえ？ マイナス密度の鉄？ |
あっ！あっ！あっ！ まったく分かりません(-ｪ-｀lll) |
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(〃ﾟ艸ﾟ)ﾌﾟｯ |
嘘だろ。 なんでマイナス密度の鉄を知らないんだよ。 |
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マジかよ(*≧▽≦)ﾉｼ☆ 小学生でも知ってるぞ♪ |
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やだー馬鹿太って、ほんと馬鹿♪ ( *´艸)( 艸｀*) |
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おいおい、授業聞いてないドチンピラの俺でも分かるぞ♪ (*´≧ﾛ≦)σ |
馬鹿太の解答にクラス中が大爆笑。 恐ろしいレベルの大中傷フェスティバルが巻き起こる。 |
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かぁ(//△//) ごめんなさい。 |
馬鹿太は耳を真っ赤にして縮こまった。 |
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・・・・・・・。 |
僕は黙ってその光景を見ていた。 なぜ人の失敗を見て、ここまで悪趣味に笑えるのか今でも理解ができない。 |
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うん。 馬鹿太これは常識だからちゃんと覚えとけ |
時速６０ｋｍの車が３００ｋｍ進むのにかかる時間は５時間。  マイナス密度の鉄を使えばその計算式にマイナスが付与されて マイナス５時間になる。  |
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だが、この世の中にはマイナス５時間などという時間は存在しない。 |
ゆえにマイナス５時間がすべて消えて０になる。 答えは０時間だ。  |
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ほんと、それぐらいは分かっとけよ。 馬鹿すぎてどうしようもねーよ┐(o-∀-o)┌ﾔﾚﾔﾚ |
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ﾋｿﾋｿ(ﾟ艸ﾟ)(ﾟ艸ﾟ)ﾋｿﾋｿ |
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o(；△；)o ﾌｴｯ |
馬鹿太は恥ずかしさのあまり涙目になる。 |
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おら、来いよ馬鹿太。 （♯▼皿▼）つ))Д´)ｸﾞｲｯ |
その後、馬鹿太は不良グループにからまれて、卒業するまで金を奪われパシリをやらされる。 その光景を見ても周囲はあざ笑うだけ。 真面目で優しいクラスのリーダーも馬鹿太を守らなかった。 |
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そうだ。 ほとんどの人間は他人を守らない。 |
これがこの世の当たり前の現実。 なのに・・・ |
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おう、メガネ君酷い有様だが大丈夫だからな 俺が守ってやる |
シックスティは弱男の切れた両足を見ながら、弱男をかばった。  |
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・・・・・・。 |
「現在位置」  その光景を気楽に眺める人物が２人。 １人はメスという少女、もう一人は鞘走り（さやばしり）という異形がその光景を眺める。 「メス」  「鞘走り（さやばしり）」  |
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ではでは、話の続きといこうなの。 |
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とりあえず最終警告な。 このメガネ君を俺たち戦争攻略サイトに渡しなさい。 |
鞘走り（さやばしり）が弱男の身柄を要求した。 |
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渡したらメガネ君を殺すんだろ。 |
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そだよー。 私達はテロリスト絶対に殺すマンですしオスシ。 |
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じゃあダメだ！ 絶対に渡さねーよ！ |
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あのさぁ。 一応は状況を説明してやるけどさー。 |
このメガネ君は２０００人をぶっ殺したテロ組織イジメスレイヤーの頭目だぞ。 しかも、おまえを老人殺しの犯人と勘違いして殺そうとしやがったクソ野郎だぜい。 |
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ああ、そうなんだ。 こっわ。 |
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でだ、一応世界情勢を説明するとだ。 |
今は世界中でワープを使ったテロがおきまくって大混乱状態だ。 世界中の国がワープテロとの戦争に必死で、テロリストをぶっ殺すモードになっている。 「ワープテロとの戦争」  |
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そんな中で私達「戦争攻略サイト」もテロとの戦争に参加してぶっ殺しまくってるんだよね♪ |
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はぁ。 戦争ね。 |
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そゆこと♪ |
これは戦争だからしょうがないんだよ♪ メガネ君ぶっ殺すからおどきなさい♪ |
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嫌だね！ |
もう、メガネ君は両足を失って勝負ついてるんじゃねーか。 殺す意味がどこにあるんだよ？ |
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一字で言うなら「金」だな。 |
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だね♪ メガネ君を殺すと懸賞金がいっぱいもらえるのー♪ |
そして儲けたお金でさ、搾取ピラミッドの頂点にいるゲームメーカーさんにいっぱい貢いじゃうんだよー♪ （ついでにスパチャもいっぱいしちゃうの♪） |
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んだよ、金目当てかよ！ |
だったら絶対に渡さねーわ！ いいかげんにしろよゲス野郎！ |
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はいはい。 そう言うと思ってたよ。 |
じゃあ形だけの話し合いは終了な。 |
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今回のシックスティちゃんは巻き込まれた側だからさ。 命だけは勘弁してあげるの。 |
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はぁ、けっきょく実力行使で行くわけな。 |
国もこんな狂犬どもを飼うようになって、随分と墜ちたもんだ。 今の日本ってけっこうヤバい状態なんじゃねーの？ |
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それは同意かなっと♪ |
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だが、さよならだ。 |
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２０ｍ離れたターゲットをそっこー鎮圧！ |
メスが一歩後ろに下がり、鞘走りは一歩前に出て空手のような構えを取る |
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（寒気！ ワープ近接戦か！？） |
シックスティも空手のように構えようとするが、その前に鞘走り（さやばしり）が動く。 |
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指 走 り ！ |
 そういうと鞘走りは貫手突き（ぬきてづき）を放つ！ 手の先端が一瞬見えなくなる音速の貫手突き！ |
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貫手突きをワープさせた！？ いやこれは・・・ |
え！？ |
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グチュ！ |
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ぐっ！ |
血が舞いあがり！ シックスティが２歩後退！ シックスティの両手から血が派手にあふれる。  |
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(-з-) ヒュ～♪ 初見で対応してんじゃーん♪ |
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とっても凄いのぉ♪ 普通は初見の攻撃って対応できないもんだよ♪ |
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なにがおきたんだ！？ |
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だらっ。 |
シックスティの手には銃創のような穴が合計５つ開いていた。 右手の甲に２つ、左手の甲に３つの穴が開いている。  |
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てめぇ、貫手突き１回で全部終わらせようとしやがったな。 |
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シックスティの手に穴が開いている！ どうやって？ |
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貫手突きと一緒に５本の指をワープさせて、メガネ君とシックスティを攻撃したんだよ。 |
俺の親指、人差し指、中指は メガネ君の「こめかみ」「ノド仏」「人中」を攻撃し  薬指と小指は シックスティの「人中」「金てき」を攻撃したわけだ。  |
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で、俺は両手をワープさせて、その攻撃を全て受け止めた。 |
おかげで俺の手は穴だらけだがな。 |
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すごい！ こんな一瞬でこんなマルチタスクの応酬が！ |
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まぁ、俺のピンチなんだけどね。 |
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そゆこと♪ シックスティ君は両手を負傷しすぎ♪ |
そもそも俺相手に誰かを守りながら戦うなんて土台無理な話なんだよ。 |
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うんうん。 シックスティちゃんはもう動かないほうがいいよ。 |
あんまし動かれるとうっかり殺しちゃうからね。 |
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ぐっ！ |
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まぁ、クリリンのように見てるんだな♪ |
鞘走りとメスは悠然と歩くライオンのようにノッシノッシっと前進した。 |
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もう駄目か。 |
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駄目じゃねーよ！ つか、てめーら何勝ったつもりでいるんだよ！ |
つか、こっちは奥の手をまだ出してねーからな！ それでケリをつけてやるから覚悟しとけよ！ シックスティが悪態をつきまくる。 |
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ほーん。 奥の手があるなら最初からヤレ。 |
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少年漫画じゃないんだからさ。 奥の手を出すなんて宣言しないで、いきなり使った方がいいと思うのー。 |
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うっせ！ その強者の余裕！ 一瞬で消してやんよ！ |
シックスティが息を吐き、毛を逆立てる。 空間が歪み何かが動く、動く。 |
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ひゅうおおおお。 |
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ひゅうおおおお。 |
シックスティの背後から冷蔵庫を開いた時に感じる冷たい冷気が発生した。 |
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これは戦闘機の冷却材から発生する冷気かな？ |
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何かがおきてる筈（はず）だが、なーんも見えんな。 （-_-）ｼﾞｰ |
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なにが起きてるか分からないまま、指を加えて見テロっ！ |
行くぜ！ 無 限 暴 力 ！  |
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無限？ |
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暴力？ |
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ぶぉっ！ |
その刹那（せつな）！ シックスティの背後からソニックブームが発生！  目に見えない衝撃波でメスと鞘走り（さやばしり）は１０ｍほど後方に吹き飛ばされる！ メスが台風に飛ばされる空き缶のようにゴロゴロ転がる！ |
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いきなりの衝撃波アタック！ これは驚いたかも！ |
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ふむ。 どうやらワープで何かを呼び出したようだな。 |
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えっ？ えっ？ |
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ふぉぉぉぉ！ |
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ふぉぉぉぉ！ |
戦闘機から聞こえるエンジンノズルの音に似た音が鳴り響き、風が吹き荒れる。 |
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しいぃぃぃっ。 |
シックスティは「何か」を呼び出していた。 「現在位置」  |
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