93話(Aパート) | |
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2019年8月1日 長い文章は2つにわけることにしました。 こっちがAパート。 メス「むっちゃ大団円だよ~♪(お姉ちゃんが生き残ってセーフ♪)」 |
地球は消滅し 女銃鹿の放った弾丸は月に向かって飛んでいく。 存在史上最速のスピードで飛んでいく。 |
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コォォォ! |
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っけえええ! |
弾丸は光を追い抜かしながら 20年前にさかのぼる! 30年前にさかのぼる! そして |
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ギュイッ! |
一瞬で月を周回し、50年前の地球に流れ落ちた! その弾速は一瞬だけ 無限の十倍を超えていた。 |
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ヒ ュ オ ! |
・・・・・・ ・・・・ ・・ そして、弾丸が落ちた先・・・ 50年前地球。 日本でもっとも貧しく、もっとも治安が悪い町。 |
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・・・・・・。 |
ヤクザは怒る。 |
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ふざけるな! |
本部に払う上納金が月50万円もあるのに、ガキを育てる余裕なんかねーよ! |
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ほぎゃああ! おぎゃあ! |
ヤクザは赤ん坊の頭をボーリング玉のようにつかんでいる。 その赤ん坊は幼児時代の「諸悪今源之助」だった。 「諸悪今源之助(しょあくこんげんのすけ)」 ![]() 諸悪今源之助はみんなやる男を地獄につきおとした犯罪者であり、元はと言えば全てこいつが悪い。 |
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ほぎゃあああ! ぎゃああ! |
赤ん坊は飢えて痩(や)せていた。 泣きながら赤ん坊は食事を要求する。 父親にすがる。 |
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うるせーっていってんだろぉがよ! |
ヤクザは赤ん坊の泣き声だけで激怒し 助走をつけ、赤ん坊をゴミ箱に叩き入れた! |
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ふぎゃっ! |
ゴミ箱に入れられた赤ん坊は一瞬で泣きやむ。 |
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なんと酷(むご)い。 |
これが諸悪今源之助(しょあくこんげんのすけ)の幼児期か・・・ |
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はっ!黙ればいいんだよ! 黙れば! |
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ああ・・・ |
パクパク。 モグモグ。 飢えていた赤ん坊はゴミ箱に捨てられたバナナの皮をつかみ、生きるためにバナナの皮を喰らう。 栄養を摂取する。 |
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ころす・・・ ころす・・・ |
諸悪今源之助(しょあくこんげんのすけ)は赤ん坊とは思えない凶悪な目で憤怒(ふんぬ)していた。 |
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諸悪今源之助・・・ 幼児期のあなたは悲惨だったんですね。 |
だが! |
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処 刑 だ ! |
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ほぎゃっ? |
真のスイングバイ加速射撃は流れ落ち 赤ん坊はスイカ割りでわったスイカのように、粉みじんとなり絶命する! |
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あん? |
なんだぁ~? ゴミ箱から血が出てるぞ~? |
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・・・・・・。 |
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あれ? うっかりやっちまったか? |
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・・・・・・。 |
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ま、いっか♪ |
このままゴミの日に捨てとこ♪ 赤ん坊時代の諸悪今源之助(しょあくこんげんのすけ)はこうして亡き者となった。 「赤ん坊時代のこのオッサンが死にますた」 ![]() ビキビキ・・・ |
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ビキビキ・・・ |
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ビキビキ・・・ |
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ビキビキ・・・ |
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ビキビキ・・・ |
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んんー? ビキビキ? |
世界中が割れて・・・いる? |
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ピキッ! |
いままで積み上げられた歴史はガラス瓶のように崩れ 世界は白い粉をまき散らしながら崩壊する。 「白い粉をまき散らしながら崩壊する」 |
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は? は? |
へ? |
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ビキビキ・・・ |
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ビキビキ・・・ |
やがて、崩れた白い粉は世界を満たし 世界を真っ白な世界に変異した。 この状況がなんなのか把握できるモノは存在しない。 ・・・・・ ・・・・ ・・ |
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?????? |
世界が変容する??? なぜに??? へ? ・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・ ・・ 10分後。 死んだ筈(はず)の女銃鹿は目を覚ます。 |
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ん・・・ |
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キョロキョロ。 |
周囲は見たことがない真っ白な世界になっていた。 |
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なんだこの世界は??? |
その世界はまるで真っ白なゴミの島。 真っ白なテレビ・・・ 真っ白な机・・・ 真っ白な銃・・・ そして真っ白な死体! それらが無造作に積みあげられている。 「現在位置」 |
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なんですかこの謎世界は? |
まさか異世界転生? ここにきて異世界で再スタートとか冗談じゃないですよ。 女銃鹿が頭をかかえて後悔する。 |
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異世界ではないな。 |
ここは・・・ 間(はさま)だよ。 近くにいた「なゐの神衣」が答える。 なゐの神衣は栗ひろいに使う背負いカゴと、火ばさみを装備している。 どうやら彼はその装備でゴミをひろっていたようだ。 |
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ちょっ! どういう! |
つか、あれ? お父様もとに戻ったんですか? |
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おかげさまで・・・な。 今度はもっと手際よく助けてくれ。 |
何もかもが消滅するところだったぞ。 |
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というか間(はさま)ってなんですか? |
白いゴミと白い人間の死体がムッチャ落ちてますよね? 女銃鹿が足下に落ちてる白い人間の死体を指差しまくる。 「現在位置」 |
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・・・・・・。 |
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ズズ・・・ ズッ・・・ |
ゴミがうごめく。 |
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なんか下に落ちてる銃がナメクジみたいに前進してますよ! |
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ズヌ! ズズ・・・ |
「白い銃」が「白い人間」に這(は)い寄り・・・ 銃が人間の頭部にアメーバーのようにくっつき同化した。 |
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ちょっ! 人間の頭と銃がくっついてますよ! |
なんですかコレ? もしかしてグノーシャってこんな感じで生まれるんですか? |
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さぁ。 |
そうかもしれんし、違うかもしれん。 ホントなんなんだろーな? |
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お父様も分かってないんですね。 (説明キャラのクセに何してるんですか?) |
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間(はさま)もグノーシャも謎が多くてな。 調査中としか言いようがない。 |
なゐの神衣は火ばさみでキン肉マン消しゴムをつかみ、背負いカゴの中に入れながら答える。 |
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えっと・・・ そもそも間(はさま)ってなんなんですか? |
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崩壊した世界だな。 |
矛盾が発生すると、世界は矛盾に耐えられなくなり崩壊する。 で、間(はさま)になるわけだ。 |
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矛盾(むじゅん)・・・ |
50年前の諸悪今源之助を射殺したから矛盾が発生したんですか? |
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そうだ。 |
過去改変から矛盾が発生する。 |
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それで、この世界は矛盾に耐えられなくなり崩壊したと? それって最悪すぎませんか。 |
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大丈夫だ。 |
バラバラになった世界は1時間ほどで修復され、時代が書き換わった矛盾のない世界に生まれ変わる。 |
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今回は諸悪今源之助がいない世界が再構築されるだろうな。 |
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ん~。 分かりにくい話ですねぇ~。 |
過去改変がおきて・・・ 1時間ほどで、元の世界に戻るってことでいいですか? |
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そうだ。 |
元の世界に戻る前に、すべき事をやっておけ。 |
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にゃるほど! 話は聞かせてもらったよ! |
この世界は色んなルートがある世界じゃなくて、1本道なんだね♪ で、矛盾が発生すると世界の全てが壊れて、矛盾のない形に生まれ変わるの♪ 「現在位置」 ゴミ山の一部が崩れ、中からメスがヒョコンと飛び出る。 そしてフルーツから出てくるサザエさんのタマのようにお尻をふりまくる。 |
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なっ! メス! |
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これは驚いたな。 |
まさか狙って、間(はさま)に入り込んだのか? どんな工夫をしたんだお前? |
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ふふの、ふ♪ 私は工夫の鬼だからね♪ |
このまま私が工夫を続ければ、私がグノーシャの頂点になっちゃうかもよ~。 |
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やれやれ。 こいつには毎回驚かされる。 |
メスの歩んだ無茶苦茶な人生を女銃鹿が見たら、SAN値直葬(さんちちょくそう)して発狂するだろうさ。 ※SAN値直葬・・・クトゥルフの用語。SAN値(正気度)が一瞬でゼロになり発狂すること。 |
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怖いので、見ません。 |
女銃鹿が顔を背(そむ)ける。 女銃鹿はメスの過去だけは絶対に見ない。 |
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とにかくこれで一件落着だね♪ |
1時間もすればもとの世界に戻り、過去は改変されてみんな大復活なの♪ 「復活するグノーシャ達」 |
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むっちゃ大団円だよ~♪ (お姉ちゃんが生き残ってセーフ♪) |
メスは強引に話をまとめた。 ・・・・ ・・ が! |
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気まずい空気。 女銃鹿となゐの神衣は沈黙でメスの話を否定する。 |
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うう。 やっぱりやり残した事があるのかな? |
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ええ、まだ罪人が残っています。 今回の件は、彼を処刑するまで終わりません。 |
それに私の戦いに大団円はないと思います。 |
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OH・・・ ずっと戦う宣言なの・・・ |
お姉ちゃん、そのうちハゲるよ。 |
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ふむ。 やはり、そう思うか。 |
ならば、ついてこい。 ゴミ山を登るぞ。 なゐの神衣がゴミ漁(あさ)りをやめ、近くにあるゴミ山をスタイリッシュに登る。 |
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なるほど。 彼が上にいるんですね。 |
何かを察したのか、女銃鹿もゴミ山を登る。 メスもあわてて登る。 |
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ちょっ! どこに行くのかな? |
もしかして、ゴミ山の上に黒雲ちゃん達がいるのかな? 「黒雲」 |
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黒雲どもはとっくに逃げ失せたよ。 |
それにあれは、この国の光から生まれる影みたいな連中でな。 この国に負け犬が存在する限り消えることはない。 |
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つまりパパでも倒せないんだね? とってもイヤーンで、無駄な戦いになりそ~かも。 |
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まぁ、無駄な戦いにはならないさ。 |
奴らはグノーシャとも強い縁(えにし)を持つ 私は黒雲からグノーシャの謎が分かると考えている。 |
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そっかぁ。 1匹捕まえて飼ってみようかなぁ。 |
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それはいい。 一口乗ろう。 |
なゐの神衣とメスは会話をしながら白いゴミ山を登る。 女銃鹿はだまりながら静かに登る。 |
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・・・・・・。 |
ゴミ山は存外小さい。 ・・・・ ・・ 15分後。 標高200m ゴミ山の頂上。 ゴミ山の頂上はたいして高くないが、見晴らしがいい。 間(はさま)を一望でき、春風のようにやさしい風が吹いていた。 |
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・・・・・・。 |
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・・・・・・。 |
「現在位置」 |
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・・・・・・。 |
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女銃鹿、おまえの選択を見せてもらうぞ。 |
ここが最終地点。 女銃鹿の真価が問われる場所。 「Bパートに続きます」 |
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