第62話 | |
2014年5月14日。 |
沖縄にいる俺が! 国際宇宙ステーションを落とす! |
国際宇宙ステーションは大気圏に突入! 真っ赤に燃えあがった! |
深夜10:00 福岡のとあるビルの屋上。 男銃鹿(おじゅうか)達は次の攻撃に備えていた。 「福岡のとあるビルの屋上」 「男銃鹿(おじゅうか)達」 |
|
どこだ? 次はどこから攻撃がやってくる? |
|
まー上だな。 | |
ふりそそげ! | |
真っ赤に燃えあがった国際宇宙ステーションは上空で粉々に砕(くだ)け散る! 砕(くだ)けた国際宇宙ステーションの破片は燃焼音をまき散らしながら… 男銃鹿達に降(ふ)りそそいだ! |
|
燃える鉄の雨!? | |
破片を迎撃するぞ! ジ―さんしゃがめ! |
|
ああ! |
男銃鹿は拳銃を天に向け、マイナスの光で連射した! |
マイナス! 二秒連射! |
男銃鹿は銃弾で国際宇宙ステーションの破片を迎撃! 最速の銃弾が破片を破壊しつづけた! |
凡庸! 凡庸! 凡庸! |
だせっ♪ こんなものか男銃鹿♪ |
男銃鹿ぁ! | |
迎撃が足りてねぇ! さっそく王手だ! |
迎撃できなかった国際宇宙ステーションのネジが… 燃えさかる1本のネジが… 男銃鹿に向かって落下したっ! |
こんなものか物量型! | |
しょうがない予備の盾を使うか。 |
・・・・ ・・ 国際宇宙ステーションのネジが 誰かの心臓に突き刺さった |
あの男銃鹿を簡単に殺(や)った? |
あんな普通の攻撃で? ・・・・ ・・ |
な…なな… |
目が細いグノーシャが血の涙を流した。 |
うん。 悪くない盾。 |
|
ふぅ……男銃鹿は助かったか。 |
燃えさかるネジは目が細いグノーシャの心臓に突き刺さっていた! |
なんだ……これは…… 何が起きた。 |
目が細いグノーシャは、大量の血が吐きながらブルブルと震(ふる)える。 そして、ガックリとヒザをついてうつ伏せに倒れた。 |
国際宇宙ステーションのネジが俺に当たりそうだったからな。 |
あんたを盾にした。 |
なぜ! なんでだ! |
|
あんたが盾に使えるから盾にした。それだけだ。 |
|
ふ……ふざけるな…… |
出血でブルブル震えていた目が細いグノーシャは、怒りでブルブルと震えた。 |
お怒りはごもっとも。 俺はあんたを利用した。 |
|
あんたは一体なんなんだ! |
俺の人生はなんだったんだ! |
あんたの人生や経歴、その全てがどうでもいい。 |
どうでもいいキャラの設定や、キャラの掘り下げは時間の無駄だ。 |
どうでもいいキャラ? あんた頭がおかしいんじゃないのか? |
|
というか… |
本当に時間がもったいないな。 早く死んで早く話を終わらせないか? |
どれだけ! |
どれだけ冷徹なんだ! 化物! 目が細いグノーシャは血を撒(ま)き散らしながら、男銃鹿を糾弾(きゅうだん)した。 |
すまない。 これ以上は時間の無駄だ。 |
頭を踏み潰すから少し黙っていてくれ。 |
はぁ? | |
じゃあな。 |
男銃鹿はうつ伏せに倒れた目が細いグノーシャの頭頂部に… 足を乗せた。 |
ま……まて!? やめろ! |
助けてくれ! |
えい……や… | |
グシャ! |
目が細いグノーシャの頭は生卵のようにグシャとつぶれ、生卵のように中身をぶちまけた! |
びくんびくん。 |
びくん びくん びく・・・ び・・・ ・・ ・ |
さて次の敵を対処しないとな。 | |
この男はなんだったんだ? せめて経歴ぐらいは知りたかった。 |
|
さあ? |
すごくどうでもいい。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ 同時刻。 東京。 「東京のとあるビル」 女銃鹿(めじゅうか)はとあるビルの入口前にいた。 「入口前の広場」 ビルの入口前はブロックが敷(し)きつめられた広場になっている。 「女銃鹿(めじゅうか)」 |
女銃鹿! 無事だったか! |
|
お姉ちゃん。 時間稼ぎ御苦労さまなの。 |
|
メス! 60G! |
地下駐車場から外に出たメスと60Gは、広場で女銃鹿と合流した。 「メス」 「60G」 60Gは足が動かないメスを肩車していた。 |
メスの復帰が早い。 少しやっかいだな。 |
男銃鹿は福岡から東京にいるメスを見ながらつぶやいた。 「現在位置」 |
さてと第2ラウンド開始だね。 |
メスは∞視点で福岡にいる男銃鹿を見ながら微笑(ほほえ)んだ。 メスの手にはメスコンと言われる刀が握られている。 「メスコン」 |
仕切り直しだ。 次は秒殺で返してやる。 |
|
はっ。 できるのか? |
|
まーまー戦う前に少し話さないかな |
男銃鹿ちゃんと、じじ・じっく~りとお話がしたかったの。 男銃鹿ちゃんがどんな人かイマイチつかめないんだよね~。 |
男銃鹿ちゃんがどんな人か3行で説明して下さいなの♪ |
・・・・ ・・ |
マイナス! |
|
へ? マイナス? |
|
二秒射撃! |
男銃鹿はメスの言葉をガン無視! 万物が観測できない速度で銃の引き金を引いた! |
会話の途中で!? | |
撃ってきた!? | |
あばばばば! |
|
これ以上邪魔するならメスでも殺すしかないな! 速攻で死ね! |
|
グシャッ! |
光速を越えた弾丸がメスの眉間(みけん)に命中した! |
ぴゃああああ! 割と痛いの! |
銃で撃たれたメスはほんの少しのけぞり ほんの少し出血した! |
死んだ! 私死んじゃったの! |
こんな結果なら逃げればよかったよ! |
いや、ピンピン生きてるじゃねーか。 何が起きたんだ? |
|
おそらく三号君の∞防御です。 |
私も三号君に救われました。 |
あ……あぶね~。メスに∞防御をかけてて良かった。 |
愛知県にいた三号は東京のメスに∞防御をかけていた。 緊張で三号の手がカタカタと揺(ゆ)れる。 |
びっくりしたの! また秒殺される所だったの! |
|
三号君は優秀なグノーシャだったんですね。 |
これからは護身用に三号君を毎日携帯します。 便利すぎです。 |
俺はただの盾キャラじゃないですよ。 仲間の輪に入れて下さいお願いします。 |
ボッチは辛(つら)いです。 一緒にゲームを遊んで下さいお願いします。 俺だけTRPGに呼ばれない理由はなんですか? |
なるほど∞防御の支援か。 |
こっから先は物量化しないと勝てそうにないな。 「物量化?」 |
物量化はさせないよ! その前にフルボッコで潰すの! |
|
できるのか? |
男銃鹿は拳銃の照準をメスの様々な部位に向けながら質問した。 ・・・・ ・・ |
できるよ。 私も物量で攻めるの。 |
60Gに肩車をしてもらっていたメスは… メスコンの鞘(さや)から刀を抜き… 鞘(さや)を背後に投げ捨てた! 投げ捨てた鞘(さや)は40mほど直進し、ゴミ箱のペットボトル入れに突き刺さる。 |
鞘(さや)を捨てた? | |
抜き身の∞操作を使うようだな。 |
こっから先がメスの大本番だ。 女銃鹿。 メスに全てを託すぞ。 |
ええ。 |
日本中にいる92人の協力者もメスが動くのを待っていると思います。 ・・・・ ・・ 女銃鹿の連絡を受け取った92人のグノーシャが、男銃鹿とメス達の様子を∞視点で見守っていた。 |
ようやくメスが動くか。 | |
メスが俺達をまとめあげないと男銃鹿に対抗できんからな。 | |
・・・・・・ | |
・・・ |
日本の各県にいる92人のグノーシャが 男銃鹿がいる方向を向き、様々な武器を構えた。 |
味方グノーシャの位置を気配から捕捉(ほそく)。 |
北海道地方、東北地方、関東地方、関西地方、中国地方、四国地方、九州地方、沖縄地方の味方位置を捕捉・・・ 捕捉完了。 |
(ほんの数秒で味方になったグノーシャの 位置を把握した?) |
凄すぎです。 どんだけチート性能なんですか? |
今から∞操作の予備動作を開始する。 |
メスはブツブツつぶやきながら刀の切っ先を天に向け、上段の構えをとった。 |
少女がやることをただ眺めてていいのか? 危険な匂いがするんだが。 |
|
俺は問題ない。 |
それよりジ―さん。 とんでもないのがくるぞ。 一目散(いちもくさん)に逃げて生き残れ。 |
え? 生き残れ? |
|
クルクルクルリン、クルクルパッパー。全て私の手のひらで踊るのの~。 |
東京に住む全ての蚊(か)がメスの思うがままに動いた。 東京に住む全ての蚤(ノミ)がメスの思うがままに動いた。 東京に住む全ての蛾(が)がメスの思うがままに動いた。 |
いいから逃げろ! 最初っからあんたは役立たずだ! |
後は全て俺一人でやるからすっこんでろ! 男銃鹿は老人のグノーシャを蹴り飛ばした。 |
男銃鹿なぜだ? なぜ今さら邪険にする。 |
|
私は操作系の長… 操作女王… |
全てコロコロ…コロコロ、コロリン。 全てコロコロ…コロコロ、コロリン。 メスはコロコロ言いながら刀を力強く握った。刀を握ったメスの腕はプルプルと震えている。 |
来るぞ。 メスに身をゆだねろ。 |
|
ええ・・・ | |
さっさとやれ。メスがどうやって物量で攻めるか見てみたい。 |
|
行くのの。 |
・・・・ ・・ |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 |
|
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
・・・・・・。 |
|
すー。 |
・・・・ ・・ |
グノーシャ! |
廻 し ! メスは上段の構えから… ド単純にまっすぐ… とても正確に… 刀を振り下ろした! |
いきなり94人の無条件支配を実行! |
そして完了! 全て私の手のひらにおさまったの! メスは… いきなり! 無条件で! 94人のグノーシャを支配した! |
首から下が完全に支配された!? | |
メス……任せたぜ。 | |
これが∞操作!? | |
∞操作って無条件なのかよ! | |
体の感覚が全て無くなって、メスの操り人形になった!? |
メスは高速で支配するのか? すごすぎだろ。 |
支配の仕方が理不尽だな。 さすが操作女王。 |
|
さて……と…… |
メスは刀の切っ先を男銃鹿に向ける。 メスに操られた94人のグノーシャが一斉に男銃鹿がいる福岡のビルを見た。 「男銃鹿はビルの屋上にいる」 |
殺(や)るのか? | |
うん殺(や)る 殺(や)る。 さっそく殺(や)るよ。 |
|
さっさとやれ。 |
|
ではでは飛び道具を持つ全グノーシャ! |
投射準備! |
また体が勝手に動く。 | |
本当にメスに任せて勝てるのか? |
80人の飛び道具を持つグノーシャが飛び道具を構えた! |
銃♪ 刃物♪ 爆弾♪ 拳♪ 尿道♪ 弓♪ 石♪ ミサイル♪ |
いろーんな飛び道具があって、素敵で混沌なのの♪ |
集団で集中砲火すれば男銃鹿(おじゅうか)を殺(や)れる筈(はず)だ。 | |
男銃鹿いくらあなたでもこれは死にます。 |
いいんですか? 本当に死にますよ…男銃鹿… |
やれるものならな。 |
やれよ格下。 男銃鹿は手招きをして挑発した。 |
やるよ格上。 |
メスは刀の切っ先を星空に向ける。 そして前にのめり込むように… 刀の切っ先を前に向けた! |
ってぇ! |
日本全国にいる80人のグノーシャが… 北海道、青森県、岩手県 宮城県、秋田県 山形県 福島県、茨城県、栃木県 群馬県、埼玉県、千葉県 東京、神奈川県、新潟県 富山県、石川県、福井県 山梨県、長野県、岐阜県 静岡県、愛知県、三重県 滋賀県、京都府、大阪府 兵庫県、奈良県、沖縄県 鳥取県、島根県、岡山県 広島県、山口県、徳島県 香川県、愛媛県、高知県 福岡県、佐賀県、長崎県 熊本県、大分県、宮崎県 鹿児島県、和歌山県 にいるグノーシャが… 一斉に… 投射した! |
殲滅(せんめつ)型スペースデブリ跳弾! |
|
地球一周射撃! |
|
50口径弾プラス衝撃波! |
|
オシッコ・ウォーターカッター! |
|
日本両断刀!磁気相転移斬撃! |
|
光のドップラー偏移ミサイル! |
80人のグノーシャが様々な技を使う! 80人のグノーシャが様々な投射物を使う! |
これは凄(すさ)まじいな。 |
男銃鹿がいる福岡市の空は… グノーシャが投射した大量の投射物で埋め尽くされる! 埋め尽くされた投射物は…… 光の渦となり福岡市の空を旋回した! 「大量の投射物は福岡市の空を旋回した」 |
これほどの物量。 敬服するしかない。 |
メス… 君は素晴らしい… |
っらえ! |
弾幕 無理 ゲー ハメ 殺し なの !! 光の渦(うず)のように見えた大量の投射物が… 男銃鹿がいるビルに舞い降りた! |
らああああああああああああああああああああああああああ! |
メスの弾幕無理ゲーハメ殺しがビルを蹂躙(じゅうりん)し尽くす! 無数の光線がビルを斜めに切り裂いた! 無数の銃弾がビルを穴だらけにする! 無数の重力波が周囲を押しつぶす! 無数のミサイルがビルを爆撃する! 無数の強酸がビルを溶かす! 無数の衝撃波がビルを崩す! オシッコがビルを切り裂く! そして… 崩壊し尽くしたビルに… 直径20mの人工太陽が叩きつけられた! 「人工太陽(高温のプラズマから生成された球体)」 |
誰だよ! 人工太陽なんて使った奴は! |
|
オーバーキル! 物凄いオーバーキルです! |
ビルの近辺は蒸発して一瞬で消滅! 残骸(ざんがい)も消滅した。 粉も残らない。 |
弾幕無理ゲーハメ殺しを喰らって、生きていた敵はいないよ。 |
パパも、蜻蛉斬りさんも、日本狼ちゃんも、男銃鹿ちゃんも喰らえば即死だね。 |
すごい威力です。 熱で地面が溶けて大穴が開いてます。 |
メスの攻撃を受けたビルの跡地は熱で溶け… 直径200m、深さ2kmの大穴が開いていた。 |
そこまでやらんでも。 | |
うわぁ。 やりすぎどころじゃねーな。 |
|
被害状況はどうなっている? 付近の住民は大丈夫なのか? |
あまりの出来ごとに50人のグノーシャが絶句した。 |
とにかく男銃鹿ちゃんを倒せて何よりなの♪ |
第一形態でボスキャラを倒せば1番楽だよね♪ 少年漫画でもそうするべきだよ♪ 60Gに肩車された状態でメスはエヘンと胸をはった。 |
さよならです。 男銃鹿。 |
あなたの心が最後まで分かりませんでした。 男銃鹿あなたは何者だったのですか? |
とにかく被害状況を確認するぞ。巻き込まれた人間がいるかもしれない。 |
|
そだね。 下手したら私が悪人になるの。 |
ホント今回は大変だったよ~。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ |
∞ |
むげん むげん むげん むげん 無限 無限 無限 無限 ∞ 無限 無限 無限 無限 むげん むげん むげん むげん 無限 無限 無限 無限 ∞ 無限 無限 無限 無限 むげん むげん むげん むげん ∞ 無限 無限 無限 無限 むげん むげん むげん むげん |
ひぎぃぃ! |
メスが突然、凌辱(りょうじょく)された少女のような悲鳴をあげた! 手をアタフタさせて刀を地面に落とす。 |
「ひぎぃ」とか言うなよ。 エロゲーのキャラかよ。 |
|
何かありましたか? | |
やばいかも! かなーりやばいかも! |
敵の気配が遠くに行っちゃったのっ! |
はっ? | |
敵? 敵って男銃鹿ですか? |
|
とにかく気配から敵の位置を検索するの。 |
敵の位置は・・・ 敵の位置は・・・ ・・・・ ・・ |
敵の位置はフランスっ! |
パ=ド=カレー県・・・ カレー海峡の近く 「カレー海峡(ドーバー海峡のこと)」 |
はぁ? 何を言ってんだよ? |
|
敵って男銃鹿ですか? |
男銃鹿だったら移動距離が凄すぎですよ! |
あ… また大きく移動… |
敵の位置はアメリカ! タイムズスクエア! |
フランスからアメリカまで一瞬で移動? | |
いや、また移動したの! |
敵の位置は… インド最南端のコモリン岬 |
まてまてまてまて! |
なんだそれ? なんだそれ? |
あ、敵が止まった! |
|
どこで止まりましたか? | |
敵… いや… |
男銃鹿ちゃんの位置が判明したの。 男銃鹿ちゃんは… ・・・・・・ ・・・・ ・・ ブラジルのリオデジャネイロ港にいるね 「ブラジルのリオデジャネイロ港」 |
ブラジルって地球の裏側じゃねーか! | |
どういう機動力ですか! |
|
男銃鹿ちゃん完全に物量化してるの。 | |
これで100%勝てなくなったね。 |
|
無限 無限 無限 無限 むげん むげん むげん むげん 無限 無限 無限 無限 |
|
無限 無限 無限 無限 むげん むげん むげん むげん 無限 無限 無限 無限 無限 無限 無限 むげん むげん むげん 無限 無限 無限 無限 無限 むげん むげん 無限 無限 無限 む |
|
いや違うな。 全て撤回。 |
|
この世界に無限など存在しない。 この世界は全て・・・ 有 限 ! |
|
次の話へ 前回の話へ TOPに戻る |