第35話 | |
極悪人は苦しんで死ね。 ・・・という声は多い。 |
マモっさんも若いころはレイプしたんでしょ? | |
・・・・・。 |
「終刑務所(おわりけいむしょ)」 ここは岩手県にある終刑務所(おわりけいむしょ) 刑務所に収容された島乃守と仇山的助は、刑務所の裏庭で草むしりをしていた。 「島乃守(しまのまもり)」 「仇山的助(かたきやままとすけ)」 |
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島民殺しで逮捕されたワシは今… 終刑務所(おわりけいむしょ)というLA級の刑務所にいる。 |
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「いろんな種類の刑務所がある」 |
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LA級の刑務所とは…… | |
初めて刑務所に入った極悪人が集まる刑務所… 終刑務所の半数が無期懲役の極悪人だ。 |
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あ……マモっさんが黙った♪ やっぱり若いころレイプしたんだ♪ |
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(こういう場所は犯罪をネタに雑談する悪魔みたいな奴もいる) | |
わしは仇山的助(かたきやままとすけ)の言葉を無視して、黙々と草をむしった。 |
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マモっさんは良い人だけどさ…… ヤクザの意地目川(いじめかわ)は最悪だよ。 |
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意地目川がどうかしたのか? | |
あいつ裏でイジメをやってるんだ。 最悪のクズ野郎だ。 |
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ああいう奴は死刑になればいい。 |
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(ど悪人のおまえが言うなよ) | |
仇山的助は死刑になって当然の犯罪者だ。 ど悪人な犯罪者だが… 仇山的助は誰よりも自分以外の悪人を叩いた。 |
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どういう教育を受ければああいうクズになるんですかね。 | |
(だからおまえが言うなよ) | |
極悪人は自分が見えない奴が多い。 自己中で誰かを叩くのが大好きだ。 |
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島乃守、仇山的助! 清掃作業はこれでいい! |
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はい。 看守さん御苦労さまです。 |
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はーめんどかった…… 看守は見てるだけでいいよな。 |
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看守が草むしりの終了を宣言した。 今日の労働はこれでお終い。 |
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変な奴がいっぱいいるけど、刑務所の生活に慣れちゃったよワシ。 | |
俺もですよ♪ まもっさん♪ |
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自己中な極悪人に囲まれた生活。 | |
それが今のワシの日常だった。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ |
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ターゲットを発見。 ただちに処刑する。 |
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刑務所からはるか遠く離れた場所で、誰かがつぶやいた。 「はるか遠く離れた場所」 |
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あーそうだ。 まもっさんに頼みたい事があった。 |
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ん? 夕食のプリンか? |
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仇山的助は左手を前にだして島乃守を呼びとめた。 |
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拷問処刑開始 | |
・・・・・・ ・・・・ ・・ 突然、仇山的介の左手の指が爆発した。 |
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ひぐぅ? | |
つづけざまに仇山的介の指が1本ずつ順番に爆発した。 爆発するさまは、連続して爆発する爆竹のようだった。 |
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!? | |
ひぎぃ! 俺の指が…指がぁ! |
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仇山!! | |
俺の指が爆発して消えた!? | |
仇山的介の顔面は蒼白になり… ガクガクと震えた。 |
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看守さん! お医者さんを呼んでくれ! |
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すぐに行く! | |
じわじわと肉を崩す。 | |
仇山的助の肉体は爆発し続けた。 手が爆発して消えた。 前腕が爆発して消えた。 上腕が爆発して消えた。 |
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まもっさん助け… |
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(まるでブロック崩しのように仇山の体が消えていく…) | |
「ブロック崩し」 |
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何が起きてる? 何が起きてるんだ! |
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まも……たしゅ…… | |
仇山的介のあらゆる部位が爆発した。 何万回も爆発した。 |
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拷問処刑完了。 |
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な……な…… | |
仇山的助は、細切れの肉片に変わった。 仇山的助は、直径2mの血の水たまりに変わった。 |
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嘘だろ…… | |
(これは酷い……誰がこんな酷いことを?) | |
島乃守は恐怖で震えながら、仇山的助の残骸を見つめた。 |
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島乃守! 何が起きた! |
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分からない。 | |
島乃守は血でできた水たまりの上で、両ヒザをつき絶望した。 |
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これは…… 仇山的助に下された天罰なのか? |
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仇山的助はどうしようもない極悪人だった。 刑務所から出ればまた人を殺すだろう。 |
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・・・・・。 | |
極悪人は苦しんで死ぬべきだ…… そう考える人は多い。 |
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仇山的助は、ワシの目の前で苦しんで死んだよ。 その姿はあまりにも悲惨で…わしはとても悲しかった。 |
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【ビルの屋上】 同時刻。 愛知県にあるビルの屋上。 「ビルの屋上」 「女銃鹿」 |
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仇山的助が死んだ!? | |
女銃鹿はビルの屋上から、∞視点で岩手県の終刑務所を監視していた。 女銃鹿は、仇山的助が死ぬ場面を偶然目撃した。 |
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・・・・・。 | |
女銃鹿の隣には羽山あきらもいる。 「羽山あきら」 |
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仇山的助は極悪人だ…… しかし処刑のやり方が残酷すぎる。 |
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これは拷問死刑だ! ここまでやる必要はない! |
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女銃鹿…… 仇山的助は死にましたか? |
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何者かに狙撃されて死にました。 | |
間違いなくグノーシャの狙撃です。 |
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そう……ですか…… | |
? | |
どうかしましたか? | |
仇山的助は、羽山さんと浅からぬ因縁があると聞いています。 | |
仇山的助が死んだのに反応が薄いですね。 |
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芸人みたいにオーバーアクションをしたほうが良かったですか? | |
オーバーアクションはしなくていいですけど… | |
それよりも女銃鹿… | |
仇山的助を殺したグノーシャに心当たりはありませんか? |
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あります。 | |
銃弾のスピードが並のグノーシャでは考えられないほど早い。 あれは因果関係をもぶちぬくスピードです。 |
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え? | |
因果関係をもぶちぬくスピード? |
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あれはマイナスの質量を利用した… |
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マイナス2秒射撃 |
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??? | |
間違いなく男銃鹿(おじゅうか)の仕業でしょう。 | |
「男銃鹿(おじゅうか)」 |
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!? | |
すぐに男銃鹿に連絡します。 | |
女銃鹿はポケットから携帯電話を取り出し、男銃鹿に電話をかけた。 |
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(さすがに気がつくのが早い) |
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【ブラジル近辺の大西洋上】 ここはブラジル付近の大西洋上。 そこに1隻の貨物船が航行していた。 男銃鹿(おじゅうか)は貨物船の上にある貨物の上で、大の字に寝そべっていた。 |
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羽山あきらの依頼をサクッと完了。 | |
男銃鹿の左手にはニューナンブm60という回転式拳銃が握られている。 男銃鹿はブラジルの海から日本にいる仇山的助を銃殺した。 |
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苦しめて殺す必要があったのか? | |
男銃鹿のかたわらで、白髪の老人があぐらをかいて座っていた。 「白髪の老人」 |
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苦しめて殺してほしいという依頼だったしな……しゃーない。 | |
男銃鹿は退屈そうな顔で、貨物の上で猫のようにゴロゴロした。 |
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(男銃鹿キュンがゴロゴロしてる所にキスしたい) | |
トゥルルルルル トゥルルルルル |
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男銃鹿の退屈を打ち破るように男銃鹿の携帯電話が鳴り響いた。 女銃鹿からさっそく電話がかかってきたようだ。 |
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やっぱりすぐバレたな。 おまえはワキが甘すぎる。 |
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てい。 | |
男銃鹿は大の字に寝た姿勢から右腕だけを動かして…… 携帯電話を海に投げ捨てた。 |
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(男銃鹿キュンの右腕のワキをペロペロしたい) | |
依頼主の羽山あきらが、女銃鹿の所持品から俺の連絡先をわりだし… | |
俺に殺しの依頼をした時はさすがに驚いた。 「羽山あきらが男銃鹿に殺しを依頼した」 |
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俺の連絡先を見つけたご褒美に仕事を1つ受けてやったが… | |
つまらん仕事だ。 | |
1人の小悪党を残酷に殺した程度で日本はなにも変わらない。 |
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最低でも1000万人だ。 1000万人殺さなければ日本は変化しない。 |
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俺は人間が今まで手を出さなかったコンセプトで… 1000万人以上殺す。 |
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女銃鹿はまるで人間だ。 | |
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