第26話 | |
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女銃鹿「犯罪者に戦いを挑んで死んだ人は犬死にでしょうか?目の前に犯罪者が現れた時にあなたは逃げますか? 戦いますか?」 |
蜻蛉斬り(とんぼきり)は槍投げ機で、南に小型ミサイルを投射した。 |
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この攻撃で何がニセモノか判断する。 |
【とある島】 ここは東北にある人口300人の島。 蜻蛉斬りは島の高台から南に向かって、槍投げ機で小型ミサイルを投射した。 「島の高台」 「槍投げ機から投射された小型ミサイル」 ![]() |
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目標東京。 |
小型ミサイルは光速を越えるスピードで南に爆進する! ディプレスト軌道と呼ばれる低高度の軌道で突き進む! 「ディプレスト軌道」 ![]() |
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ミサイルが山形県を通過。 ミサイルが福島県を通過。 ミサイルが栃木県を通過。 ミサイルが埼玉県を通過。 |
「ミサイルの経路」 |
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ミサイルは瞬く間に東北の島から東京に侵入! 東京に侵入したミサイルは…七色に輝きながら、新宿のとある高層ビルに突入した! 【新宿のとあるビル】 |
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目標… なゐの神衣! |
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? |
新宿のとあるビルのオフィスで、なゐの神衣がデスクで事務作業をしていた。 蜻蛉斬りが投げた小型ミサイルが、なゐの神衣のオフィスに襲いかかる。 |
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どういうつもりだ? 蜻蛉斬り? |
なゐの神衣の背後が7色に光った刹那… ミサイルがオフイスに突入! ミサイルの爆熱によって…なゐの神衣もオフイスも小型ミサイルも、蒸発して消えた。 |
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この程度の弱攻撃で死ぬならニセモノなゐの神衣ー。 |
蜻蛉斬りは∞視点で、蒸発したオフイスを眺めながらつぶやいた。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ |
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お父様がニセモノだったので、謎はだいたい解けた。 |
1つ……私に痩男(やせおとこ)の討伐を命じた「なゐの神衣」ことお父様はニセモノ。 2つ……ニセモノのお父様から聞いた情報は嘘くさい。 3つ……痩男(やせおとこ)は島民を使って能の善知鳥 (うとう)を演じようとしている。 |
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そして4つ…… 痩男の最終目的は…… |
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? |
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視聴者であるお客様にも分かるように、懇切丁寧に謎の答えを教えなければ話にならない。 |
蜻蛉斬りが振りかえると蜻蛉斬りと同じ外見をした少女がいつのまにか出現していた。 気配は影よりも薄い まるで無 |
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あなたが痩男? |
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悪質なグノーシャ……痩男(やせおとこ)です。 |
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この外見は∞演技? 何にでも変身できる能力? |
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何にでも変身できますよ。 国でも軍隊でも…… |
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お父様はニセモノ。 本物のお父様はどうした? |
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質問攻めですね。 なゐの神衣ならアメリカで仕事です。 留守になったのを見計らってオフィスにニセモノを送り込みました。 |
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完璧なニセモノ気づけない。 さすが∞演技。 |
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こころよし。 |
痩男は右手を胸元にそえて…… 執事のように仰々しくお辞儀をした。 |
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とりあえず処刑する。 |
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いきなりですね。 とりあえずビールみたいな軽いノリで、とりあえず処刑ですか? |
あなたは槍のグノーシャ。 磔(はりつけ)で処刑しそうですね。 罪木(磔に使う柱)にくくりつけて、斜め下方からわき腹に槍を突き刺す。 左右で合計40回以上突き刺す。 トドメは咽(のど)を左右から突き刺す。 そんなところですか? 「磔(はりつけ)」 |
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昔の日本みたいな死刑を望むなら… 最も重い死刑「鋸挽き(のこぎりびき)」とか超オススメ。 |
「鋸挽き(のこぎりびき)」 |
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被害者親族や通行人にゆっくりノコギリで首を切られる、公開処刑。 ゆっくり苦しんでってね! |
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すいません。 鋸挽きはマジ怖いから勘弁して下さい。 磔(はりつけ)でお願いします。 |
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おまえみたいな危険なグノーシャは早く死んだほうがいい。 |
蜻蛉斬りはゴルフバックの中から小型ミサイルを1本取り出し、槍投げ機にセットした。 |
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私のもくろみを阻止しますか? |
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うん。 殺してつぶす。 |
蜻蛉斬りは槍投げ機を痩男(やせおとこ)に向けた。 |
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武器を構えたあなたは美しい。 戦う女性は世界で一番美しい。 |
槍投げ機を向けられた痩男は優しく微笑んだ。 見る者を感動させる優しい笑顔。 聖女のように慈悲深い笑顔。 感動しにくい人間でもこの笑顔だけで感動するだろう。 |
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おまえ怖い。 |
蜻蛉斬りは、自分と同じ外見をした痩男の慈悲深い笑顔に嫌悪した。 |
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【島の公民館】 同時刻。 島の公民館前。 蜻蛉斬りと別れた勇気達4人は島の公民館前にいた。 |
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不思議な少女は見つかりませんね。 |
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不思議少女は犯人のことを何も知らないかもしれないよ。 |
犯人を見つけたとしても…… 少女の言った通り返り討ちにあうかもしれない。 |
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やっぱりここは警察にまかせて俺たちも避難したほうがいいよ。 |
オタク風の小太りな島民が答えた。 彼の名前は織田 男(おた だん) 仲間からはオタと呼ばれていた。 |
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オタ…… 俺達は大事な家族を犯人に殺された。 犯人を俺達の手で殺さないと気が収まらない。 |
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でも、それって短絡的すぎる。 犯人を殺せば俺たちも犯罪者だよ。 |
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短絡的なのは俺だって分かってる! それでも俺は犯人を許せない! |
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オタ君が嫌なら報復に参加しなくていいんですよ。 私は1人でも報復します。 |
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勇気が行くなら俺も絶対に行く! |
トゥルルルルルル♪ トゥルルルルルル♪ 携帯電話の着信音が話に水をさした。 勇気はポケットに押しこまれていた携帯電話をとりだす。 |
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もしもし。 島乃 勇気です。 |
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勇気逃げろ! 島の外に急いで逃げろ! |
電話の相手は勇気の父… 「島乃 守(しまのまもり)」だった。
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お父さん! どうしたんですか! 何度も電話したのに…… |
桜が…… 桜が……
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逃げろ! |
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!? |
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悪魔がいるんだ。 このままでは島の人間は、みんな殺されてしまう。 |
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あ・・悪魔??? |
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勇気、おまえは正義感の強い女の子だ。 許せない奴と戦おうとするかもしれない。 |
でも… 今回は逃げてくれ! |
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やっかいごとに首をつっこむな! 島の外にでて幸せになってくれ! |
勇気は父の迫力に負けて言葉を失った。 |
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あ・・あ・・あの・・さく・・ ・・が・・ |
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父さんはお前の幸せを望んでいるよ。 |
ブチッ ツーツー。 勇気の父「島乃 守(しまのまもり)」は、一方的にそういうと携帯の通話をきった。 |
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お父さん悪魔ってなんですか? それに桜の死を伝えていません。 |
勇気は何度も何度も父親の携帯電話に電話をかけた。 何度かけても応答しない。 どれだけ待っても電話にでない。 |
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お父さん…… どうして電話に出ないんですか? |
どうして!? どうして!? |
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勇気のお父さんに何かあったのかな? 犯人に出くわしたのかな? |
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そんな…… |
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親父さんの携帯電話にGPSがついてないか? |
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ついてます。 GPSの位置検索ならお父さんの居場所を探せますね…… 田舎の島ですから100mぐらいの誤差がでると思いますが。 |
勇気は自分の携帯で父親の位置を検索した。 |
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勇気。 お父さんはなんて? |
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悪魔がいる。 島から逃げろと言われました。 |
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逃げよう! |
・・・・・・ ・・・・ ・・ |
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逃げません。 |
島乃勇気の逃げないという選択は… 島乃勇気の命運と、まだ生まれていない女銃鹿の人生に大きな影響を与えた。 |
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