凶悪アーティファクトルールの裏技なの! | |
2019年12月01日 Aパートの続きからなの。 |
それで、お前たちは大戦争女王の配下なのか? |
|
うん。 ちがう。 |
パーティは石造りの塔でヒゲマルという大魔法使いと出会う。 「現在位置」 |
|
大戦争女王の配下ではないだと? | |
ならば、なぜ我々に攻撃をしかけた? |
|
それは「人肉ゴーレム」を目撃したからだな。 |
|
というか、あまり深くは考えていない。 | |
とりあえずこの国が悪いと思って、勢いで戦争をしかけた。 「人肉ゴーレム = 人の焼き肉で出来たゴーレム」 |
|
(なんというアバウトな戦争理由) |
|
あとさーこの国の人って、麦がいっぱいあるのに飢えて人まで食べてるんだよねぇ。 | |
すごーくおかしな国だと思うよー。 |
|
悲しい状況だが、おかしくはない。 | |
我々は共産主義国 実現のために戦っているだけだ。 |
|
ほへ? また共産主義? |
|
いきなり共産主義国 実現と言われてもな~。 イマイチ状況がつかめねーんだよなぁ。 |
|
もうチョイ詳しく説明しろや。 |
|
ふん。詳しい説明をしても学のないお前達では理解できまい。 | |
そんなことよりも今すぐドラゴンフライを撤退させろ。 ヒゲマルはカキリンを羽交い締めにし杖の先でカキリンのほほをグリグリした。 |
|
杖の先が電マみたいに動いて微妙にエロい。 |
|
(ひぃぃぃぃ!) | |
はん! 情報くれねーNPCならもうイラネーよ! |
|
仲間ごとファイヤーボールで燃やしてやるわ。 |
|
(火ぃぃぃぃ! 火どーい!) |
|
(火・・・火・・・) | |
(あ! 良いこと思いついたかも!) |
|
って! 仲間ごとファイヤーボールだと? |
|
おまえは仲間をなんとも思っていないのか? おまえの人間性ゴブリンかよ! |
|
黙れ! | |
仲間をファイヤーボールで燃やす楽しさが分からぬ俗物が! |
|
(なに言ってるのこのダークエルフ?) | |
(つーかー誰かたーしゅけーてーーーー!) |
|
(やばい性格をイビルに設定したせいで助けづらい) |
|
私は仲間思いだから、仲間を助けるために交渉するよ♪ | |
えっと・・・モコヒゲさんだっけ? ドラゴンフライを操ってるマジックアイテムを渡すからカキリンちゃんを離してなの♪ |
|
ん? 渡すって? |
|
抜け穴を渡す? 「アーティファクト 抜け穴」 抜け穴・・・? |
|
ドラゴンフライを操るマジックアイテムだと? ならば・・・ |
|
といわけで、いきなりパース♪ | |
( ・∀・)ノ ---===≡≡ lニニフ |
|
あ、ポーイ! | |
抜け穴をヒゲマルさんに投げ渡すの♪ メスはアンダースローでアーティファクト抜け穴を投げ渡す。 |
|
(ええ!?) |
|
いきなり渡してる!? |
|
バカが! 交渉がなりたたねーだろ! |
|
(なんか良く分からんが・・・) | |
ヒゲマルはアーティファクトの抜け穴をパシリと受け取った! んで、当然のように不敵に笑う。 |
|
にぃ・・・ | |
にぃ・・・ | |
(なぜメスちゃんが笑うのかな?) | |
(もしかしてメスちゃんもイビルなのかな~?) |
|
ホントどういう・・・ | |
! |
|
って! メスの狙いが分かったわ! |
|
こいつホントに全ルールの穴を根こそぎついて来やがるな! こっわ! |
|
どゆこと? |
|
マスターには策がバレたかもね。 でも効果はすでに発動してるから問題ないと思うの。 |
|
(とりあえずヒゲマルが策に気づいたか判定するか・・・) | |
19で失敗。 マジかよ・・・ インテリジェンス18のマジックユーザーがインテリジェンス判定で失敗してるやんけ! こっわ! |
|
んん? 何の判定をした? |
|
ヒゲマルは笑いながら答える。 |
|
やはり馬鹿な小娘よ! | |
これを使ってドラゴンフライを操れば形勢逆転ではないか! |
|
お! そうだね! |
|
どれ、我が魔術の知識をもってこのマジックアイテムを使用しよう。 | |
なにやら複雑なマジックアイテムだが、わしの知識があれば造作も無いわ。 そんな感じでヒゲマルは抜け穴を使用した。 |
|
やった~♪ 持ってるだけでも良かったのにわざわざ使ってくれたの~♪ |
|
メスは飛び上がって喜び、無駄にうまい腕振りダンスを踊る。 |
|
あああ! 私もメスの狙いが分かった! |
|
これは酷い! アーティファクトのゲームバランスが崩壊しまくる。 |
|
は? | |
(へ?) | |
ヒゲマルは抜け穴を使い、ドラゴンフライコンタクトを使用する | |
が、なんの反応もない。 |
|
なっ!? 無反応だと!? |
|
当然、そうなるよね♪ マルヒゲちゃんじゃドラゴンフライと交渉できないの♪ |
|
そしてアーティファクトのペナルティ発動! | |
アーティファクトのペナルティはST判定では回避できないので、ヒゲマルは問答無用でペナルティを喰らった! |
|
ああ! 私も分かったぞ! |
|
メスはアーティファクトのペナルティで攻撃したんだな! |
|
正解(σ・∀・)σ |
|
(おおお・・・) |
|
あれ? | |
わす・・・れた? |
|
ヒゲマルはアーティファクトのペナルティで覚えていた魔法を全て忘れる! | |
さらにアーティファクトのペナルティで両手が動かなくなる! |
|
効果もひでぇぇぇ! どんな強力なウィザードでも雑魚になるやんけ。 |
|
それだけじゃないよ! 抜け穴を持ってるだけでハンディキャップがつくからね! |
|
炎のダメージが倍になって、炎に関するST判定に8のペナルティが付くの! |
|
馬鹿なアーティファクトだと!? そんな貴重品を私にアッサリ渡したというのか!? |
|
リスクを考えろ! 愚か者! |
|
いや~ここまで上手く行くとはねぇ。 | |
ホントはハンディキャップの炎ダメージ倍だけで良かったんだけどさ♪ やって見るもんだよ。 |
|
くそっ! 偉大な私が! |
|
わたしがぁぁぁ! ヒゲマルは頭をかかえようとするが両手が動かない。 |
|
よーし♪ こいつが何様なのかよく知らねーが今のうちにぶっ倒しちまおーぜぇー! |
|
いい機会だからスタッフで殴る練習をしよう♪ |
|
一斉攻撃だね♪ | |
パーティはヒゲマルに襲いかかる。 ヒゲマルは20レベルの大魔法使いだが、魔法と両手が使えない。 もはや大魔法使いというよりも無抵抗なサンドバックでしかなかった。 |
|
(敵が可愛そう) |
|
よっしゃー♪ | |
戦いにやぶれたヒゲマルをロープでグルグル巻きにしたったぜー♪ 「現在位置」 |
|
ぐぅぅぅ! 無念! |
|
OKOK♪ 今回は楽勝&楽勝だったよ♪ |
|
(調子にのって倒したけど・・・) | |
(ボス戦をつぶされたマスターがフビンに見えてきた) |
|
(なるほどな~メスみたいな和マンチはホント凶悪だぜい) | |
(だがな、和マンチは弱点だらけなんだぜ) (大戦争女王というメスの天敵が登場すれば、メスも思い知るだろうよ) |
|
ふぅ、勝利の美酒は美味しいの♪ (ブドウジュースを飲んでご満悦) |
|
↑グラスに入れたブドウジュースをテーブルに置いて小道具として楽しんでるの♪ |
|
とにかく尋問(じんもん)開始だな♪ | |
楽しませてくれよ~♪ 楽しませてくれよ~♪ シネ=シネがロープを使った緊縛プレイをはじめようとした。 ※ちなみにヨーロッパでも「Kinbaku」というSMプレイが日本経由で広がったそうだね。 Kinbakuという言葉を知ってるヨーロッパの人がけっこういるかも。 |
|
いやーん(*//ω//*) | |
シネ=シネちゃん大いに外道をエンジョイする! ・・・・・・ ・・・・ ・・ が! そんな時! 最重要NPCが現れた! |
|
パチパチパチ(←マスターの60Gが拍手してる) | |
パチパチパチパチパチパチパチ! |
|
? | |
? | |
? | |
え? なんでマスターが拍手してるのかな? |
|
塔の入り口から誰かが現れ、拍手と絶賛をパーティに送る。 |
|
いや~シュゴ~イ♪ ほんとに見事じゃ~♪ |
|
アーティファクトを使った裏技でヒゲマルを封殺して完勝とか♪ 若い頃の私みたいじゃないか♪ 私しゅごーい♪ 「現在位置」 |
|
20代前半ぐらいの女戦士が現れ、メス達に惜しみない拍手を送っていた。 | |
女戦士はメスと似たようなチェインメイルを装備しており、どこにでもいる女戦士Aのようにも見えた。 「20歳前半ぐらいの女戦士」 |
|
誰? | |
誰? | |
誰? | |
(だれ?) | |
ん? 私か? |
|
私は大戦争女王メス=ブルーファントムじゃな。 我が軍が西側からこの城を攻撃してることは把握してるのじゃろう? なんか面白そうだから単独で見に来たわけよ。 「我が軍が西側からこの城を攻撃してることは把握してるのだろう?」 |
|
ってラスボス候補の大戦争女王かよ! |
|
なんかラスボス候補の割に威厳がないような・・・ | |
初見だから猫かぶってる・・・とか? |
|
(たしかに、あんまり怖い人に見えないねぇ) |
|
(((( ;゚Д゚)))こっわ! |
|
(((( ;゚Д゚)))こっわ! | |
なんじゃこの怪物? 戦場と人間のキメラなのか? いや・・・歩く次元界? ドラゴンフライ軍団だけが大戦争女王の危険性に気づき、匍匐後退(ほふくこうたい)をしながらバックレようとしていた。 |
|
ついに私のパチモンが登場だね! ボクサーのように構えるの。 |
|
で、何でおまいらはヒゲマルと戦ってるんじゃ? お姉さん興味津々じゃな。 |
|
さぁ~? | |
なんとなく悪そうな国だから攻めた気がする・・・ 実はこの国がどんな状況なのかイマイチ分かってない。 |
|
マジか? | |
状況がよく分かってねーのに戦争をしかけたのか? |
|
はい。 | |
はい。 | |
こっわ! | |
やっぱりカオティック勢力って意味不明すぎるわ! もっともっと研究せんとどーにもならんなこれは! 大戦争女王がドン引きしながら後退した。 |
|
(あっれ~すごい常識人に見えるよ~) |
|
ふむ、思ったよりも話が分かる御人で安心した。 | |
それで大戦争女王 この国はなんなのか簡潔に教えて欲しい。 |
|
うむ。 この国は共産主義国じゃな。 |
|
正確にはヒゲマルってジジイが支配する王国ともいう。 |
|
なるほど簡潔な回答ありがとう。 | |
でも、そこまでは知ってる。 |
|
それで大戦争女王さんは何をしたのかな? |
|
私か? | |
私はこの国に「とある事」をして、ヒゲマルを験(ため)したのじゃよ。 |
|
ああん? 験(ため)すだぁ? |
|
「とある事」ってなんだよ? |
|
簡潔に言うなら・・・ | |
私はこの国と 飢餓取引をした |
|
飢餓(きが)を? | |
取り引きだと? | |
なんだそれ? 聞いたことアルような無いような話だぞ。 |
|
えへへ♪ 聞きたいかぁ~? |
|
そ~じゃろ~そ~じゃろ~♪ 大戦争女王ちゃんは偉大だからなんでも教えちゃうぞ~♪ |
|
大戦争女王メス=ブルーファントムはハレハレの笑顔を向ける。 | |
その笑顔は 己の弱さを知らず、いまだ無限の可能性を信じる子供のような笑顔だった。 言うなれば子供のまま王者になれた子供王者(コドオジャ)の笑顔。 彼女は何かが異質なのだ。 ・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・ ・・ 同時刻。 街の道路。 セールちゃんは卓に向かってバイクを走らせる。 |
|
あと5分ぐらいで卓につきそうねぇ~。 | |
なーんか最悪のタイミングでつきそうな予感がするけど、まっいっか。 経験値が入るギリギリのタイミングでついたらどうなるのかしらん? セッションは終盤戦に突入していた。 |
|
次の話へ 前回の話へ TOPに戻る |