第53話 | |
次回の話が終わったら∞射程の女銃鹿をいったん休みます。次の次ぐらいでD&Dリプレイに移行する予定です。(たぶん) |
女銃鹿の放った弾丸は月に向かって直進した! |
離れて下さい! メスも死にます! |
深夜4時。 田んぼの真ん中。 「田んぼ」 女銃鹿がスイングバイ加速射撃で銃撃した。 「スイングバイ加速射撃の手順」 |
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このままではスイングバイ加速射撃で私もメスも死にます! | |
お姉ちゃんが自殺しないと誓うなら、いつでも中止するよ! |
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ぐっ。 | |
女銃鹿は∞操作で肉体を支配されて動けない。 このまま動かなければメスも女銃鹿もスイングバイ加速射撃を喰らい…… 跡形もなく蒸発するだろう。 |
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お姉ちゃんは選ばなければならないの! | |
スイングバイ加速射撃で私と一緒に自殺するか… 自殺をやめて私と生きるか… 2つに1つだよ! |
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選べません! | |
大事なモノを選ぶだけだよ! | |
お姉ちゃんが自殺をやめると誓うだけで、私の命は助かるの! |
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だから選べません! | |
お姉ちゃんにとって私の命は何かな? | |
お姉ちゃんにとって死刑は何かな? 考えれば答えが出るはずだよ! |
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考えて…… 答えを…… |
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女銃鹿は苦悩した。 一方… スイングバイ加速射撃で放たれた弾丸は… 光速を越える凄まじい速度で飛翔していた。 弾丸は加速する! 加速しながら飛翔する! 弾丸は月の周回軌道に到達した! 【女銃鹿が死刑を始めた理由】 女銃鹿は自分にとって死刑が何なのか考えていた。 |
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(私にとって死刑……それは……) | |
許せないという思いです! |
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(私の死刑執行は……) | |
とある犯罪被害者の家族との出会いからはじまります 「とある犯罪被害者の家族?」 |
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犯罪被害者の家族は可哀想で… 犯罪加害者は傲慢(ごうまん)で… |
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犯罪加害者を許せなかった! 許せないから加害者を処刑した! |
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・・・・・・。 | |
だから私は…… | |
死刑をはじめ…… |
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いや! 違う! |
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私は「とある犯罪被害者の家族」に会う前から… 死刑を支持してた! 「人間だった時から死刑を支持していた!」 |
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(きっかけは……) | |
痩男(やせおとこ)だ! 「痩男(やせおとこ)」 痩男が妹を殺した光景はあまりに残酷だった! 「妹=人間だった頃のメス」 妹は両手を吹き飛ばされ…脳天を貫かれて死んだ。 「両手を吹き飛ばされた妹」 |
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人として許せなかった! | |
人の人生を無茶苦茶にした極悪人が許せなかった! |
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極悪人は処刑しなければならない! | |
……そう思うようになった。 |
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・・・・・・。 | |
人間だった時に感じた強い思いは、グノーシャになっても引き継がれた。 | |
今、分かりました。 私は…… 妹が痩男(やせおとこ)に殺されたから…… |
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死刑をはじめた! |
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女銃鹿は死刑をはじめた理由を知った。 「死刑」 |
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お姉ちゃん…… | |
一方…… スイングバイ加速射撃で放たれた弾丸は、月を周回していた。 弾丸は加速しながら月を周回する! 弾丸は燃焼しながら月を周回する! 「月を周回する」 月を周回した弾丸は、直径100mの青白い光をまとう!! 青白い光をまとった弾丸は… 女銃鹿に向かって直進した! |
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私は・・・ | |
妹が殺されたから死刑の道に足を踏み入れた。 ここで妹のメスがスイングバイ加速射撃で死んだら… |
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私は私を死んでも許せなくなる! |
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死刑をはじめるきっかけになった妹! 今まで私を支えてくれた妹! 妹の命が大事だ!死刑よりも大事だ! |
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大事なものが分かりました…… | |
女銃鹿は切腹した傷口をつかみながら泣いた。 |
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答えが出たようだね。 | |
私の命と。 お姉ちゃんの自殺。 どちらを選ぶかな? |
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それは…… | |
メスの命です! |
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・・・・・・。 | |
メスの命は私にとって何者にも代えがたい! | |
妹が殺されたから死刑をはじめた! メスという家族がいたから、ここまでやってこれた! |
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お姉ちゃん。 | |
だからここは私の負けです! 私は…… |
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生きま…… ・・・・ ・・ |
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殺 せ ! |
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父親殺しの女銃鹿を殺せ! 「父親」 |
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ころっ!? | |
? | |
女銃鹿の脊髄(せきずい)に刻まれた怒りという名の感情が反発した! |
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許せない! 父親殺しは許せない! |
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逃げるな! 死刑から逃げるな女銃鹿! |
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逃げる……な…… | |
女銃鹿は葛藤(かっとう)した。 一方… スイングバイ加速射撃で放たれた弾丸は… 地球に突入していた! 大気圏に突入していた! 弾丸は大気と衝突し激しく発熱燃焼! そして・・・ ダイアモンドの槍のように光り輝きながら、大気圏を貫いた! |
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このままスイングバイ加速射撃で死ね! |
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お姉ちゃん!? | |
ここで私が死ねば… | |
巻きぞえでメスも死にます! |
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構わない! | |
メスも一緒に死ね! |
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お姉ちゃん! 何を言ってるのかな! |
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メスが女銃鹿の言葉に怯えた。 |
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スイングバイ加速射撃が…… | |
くる。 |
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!? | |
突然、真上に存在する全ての雲が蒸発して消えた! そして・・・ 3km上空から青白い光をまとった弾丸が舞い降りた! |
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スイングバイ加速射撃が近くまで来た! | |
駄目です… このままでは妹が… |
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女銃鹿の死刑を執行しろ! | |
誰が傷ついても構わない! 死刑を執行しろ! |
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ちがう! | |
死刑の為に全てを犠牲にしろ! | |
それが私だ! |
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ち が う ! |
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女銃鹿は心の中で「女銃鹿の怒り」と格闘した。 |
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私をこばむな。 | |
いやだ! 嫌いだ! |
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女銃鹿は心の中で「女銃鹿の怒り」の顔を一方的に殴り続けた! |
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こばんでどうなる? | |
大嫌いだ! | |
女銃鹿は「女銃鹿の怒り」の首を両手でしめあげる! |
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ぐ……がが…… 私はお前の心だ…… |
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誰もがいだく加害者に対する怒り…… それが私だ…… |
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妥協……するな。 誰が立ちふさがろうと悪を殺せ。 |
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お前は死ぬほど大嫌いだ! | |
女銃鹿は「女銃鹿の怒り」の首を両手で強く強くしめあげた! |
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私と決別できるわけがない…… | |
私はあなたと決別します! | |
女銃鹿は両手に力をいれる…… 女銃鹿は両手で「女銃鹿の怒り」の首をへし折った! |
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矛盾だらけの大馬鹿者が…… 怒りで怒りを制してなんになる? |
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「女銃鹿の怒り」は糸が切れた人形のように動かなくなった。 |
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私を支配するな! ゲス野郎! |
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私は妹と…… 生 き る ! 女銃鹿は宣言した! |
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・・・・・。 | |
・・・・・。 | |
・・・・・。 |
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あ…… | |
お姉ちゃん…… 今、生きると言ったかな? |
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・・・・ ・・ |
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私はメスと生き続けます! |
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女銃鹿はメスに抱きついた。 |
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マジで? | |
マジです! |
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女銃鹿はメスを強く強く抱きしめた。 |
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マジなんだね…… | |
少し時間がかかったけど良い答えだよ。 |
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お姉ちゃん。 これからも一緒に生きようね。 |
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はい! |
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女銃鹿は生き続けるとメスに誓った。 そんなメスと女銃鹿に… 上空から肌を焦がす熱風が降りそそいだ! |
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あつっ! | |
なごむ暇はない。 | |
このままだとスイングバイ加速射撃で全員死ぬ。(私以外) |
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メス急げ! | |
スイングバイ加速射撃で放たれた青白い光をまとった弾丸は… 残り500m地点まで接近していた! 弾丸から発生する熱が周囲の雑草を燃やす! 弾丸から発生する熱が女銃鹿、メス、三号の衣服や頭髪を燃やす! |
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光をまとった弾丸は小さな太陽のようだった! |
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3号の∞防御でも守りきれていない。 | |
全滅するかもしれない。(私以外) |
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私が行くしかないの! | |
メスは居合斬りの構えを取り素早く刀を抜いた! |
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∞操作で足が早いグノーシャを強制的に呼び寄せるよ! | |
メスは日本全国に住む足が速いグノーシャの肉体を操る! そして一瞬で・・・ メス達がいる現場に集結させた! 「こんな感じで集結させた」 |
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なんだここは? なぜ俺はここに移動した? |
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なんだこの熱は! 服が燃えてる! |
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俺の抱き枕が燃えた!? | |
集結したグノーシャの数は9人。 集結したグノーシャは誰も状況が把握できていない。 |
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だめだ……∞防御がとける…… 熱も衝撃波も防げない…… |
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光をまとった弾丸は… 残り50m地点まで接近した |
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無 限 ト ン ズ ラ ! |
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