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∞射程の女銃鹿 ただただ死ね!

  第44話
f:id:mesgamer:20180605041441g:plain 男銃鹿「島乃守が死んでから一週間。あいつは何をして何を感じていたんだ?」

女銃鹿(めじゅうか)が島乃守(しまのまもり)を殺害してから7日後。

・・・・・。

「夜の田んぼ」

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夜の11時。

蜻蛉斬り(とんぼきり)と一人のグノーシャが、苗が植わっていない田んぼの中央にいた。


「蜻蛉斬り(とんぼきり)」

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「一人のグノーシャ」

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ぐぷっ…
介錯を…


一人のグノーシャは両ヒザをついて切腹をしていた。


グノーシャの腹は一文字に裂け……
腹から血があふれ出た。


血08


ジ――――――ッ。
早く介錯を!


蜻蛉斬り(とんぼきり)の手には日本刀が握られている。

蜻蛉斬りは切腹の介錯を勤めていた。



早く介錯を!
早く介錯を!


切腹したグノーシャは血の涙を流していた。

切腹したグノーシャ生まれた小鹿のように震えていた。

切腹したグノーシャは後ろを振り向き、蜻蛉斬りの顔を凝視した。


見た事がある。


蜻蛉斬りは静かにつぶやいた。


やはり、この目はどこかで見た。


1563年。

三河で一向一揆がおきた時に見た…気がする。



何を……?


切腹したグノーシャは、蜻蛉斬りが何を言っているのか理解できない。


どこで見た?
どこで見た?


蜻蛉斬り(とんぼきり)は昔を思い出していた。

遠い昔。
1本の槍だった頃の思い出を……
 



・・・・・・


・・・・


・・





【三河一向一揆】

1563年 三河。

三河で一向宗による大規模な一揆がおきていた。



「三河」

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三河でおきた一向宗の一揆は徳川家康公三大危機の1つと言われ、徳川家康を大いに苦しめた。


行くぞぉぉ!
蜻蛉切!


了解。
レッツバスタード。


ここは針崎の大混戦地帯!


「大混戦地帯」
三河一向一揆図a


徳川家康の配下、本多忠勝(当時16才)は蜻蛉切(とんぼきり)という槍を使い、一揆衆と戦っていた。


「本多忠勝(ほんだただかつ)」

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「蜻蛉切(とんぼきり)」

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混戦になりました。
デンジャーデンジャー。
一向専念無量寿仏。
一向専念無量寿仏。
一向専念無量寿仏。
一向専念無量寿仏。


一揆に参加した農民たちは鎌(かま)や鍬(くわ)で武装していた。

農民達が馬上の本多忠勝に襲いかかる。


「馬上の本多忠勝」

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はっ!
攻撃判定成功!
クリティカルヒット!


本多忠勝が蜻蛉切で農民をなぎ払う!

なぎ払われた4人の農民はキュウリのように輪切りとなりバラバラになった!



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一向専念無量寿仏。
一向専念無量寿仏。
一向専念無量寿仏。
一向専念無量寿仏。
ゲリラ農民エンカウント。
ゲリラ農民エンカウント。


キリがありません。
家康様のガードを推奨します。


農民たちは文字通り死ぬ気で戦っておるわ!
一向宗という宗教が彼らを強くした?
奴らはアホなほど純粋だ。


正しい戦いをしておるつもりなのだろう。

死ぬまで正しいことをして、菩薩様の所にいくつもりだ。



あ…
ヤバ…
なんじゃ?
家康様に……


銃弾が2発命中!


「家康様 大ピーンチ!」

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なにぃ!!
忠勝様は超無傷!
でも家康様に銃弾が2発命中!


忠勝様は超無傷!
でも家康様に銃弾が2発命中!



なぜ2度も言う?
本気で家康さまをガードしてますか?
ちゃんと殿を守ってるよ……
ごにょごにょ……
そうですか失礼しました。


そういえば渡辺守綱(わたなべもりつな)が接近中です。

魅惑の鉄壁ボディで家康さまをガードして下さい。


殿を裏切った渡辺守綱だと?
激戦やばい。
混戦やばい。


でも忠勝様は超無傷。
ダメージ0。

イモータル本田(不死身の本田)と呼んでいい?



「イモータル本田」

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お主のいってる事がさっぱりわからんわ!


本多忠勝が蜻蛉切(とんぼきり)を農民の顔面に投げつけた。


最強の槍スキル投げっぱなしジャべリンが炸裂!


農民をオーバーキルしました!


農民は吹き飛び……
苗を植えていない春の田んぼに落ちた。


ぎひぃぃぃぃ!


温かで優しい春の陽気の中、人間は天の下で殺し合いを続ける。


春のツクシも血に染まっていた。


・・・・・・


・・・・


・・





1563年の出来事。
蜻蛉切(とんぼきり)と言われた私の原風景。


蜻蛉斬りは切腹をしたグノーシャを見下ろしながら、過去を思い出していた。


「夜の田んぼ」

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な……なにを……ごぷ……
早く首をはね……


蜻蛉斬りはいつまでたっても介錯をしない。
切腹をしたグノーシャは焦っていた。


了解。
すぐ楽にする。


蜻蛉斬りは切腹をしたグノーシャが苦しむ姿を確認し……


ゆっくりと日本刀を振りあげた。


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刀は月明かりに照らされ鈍く光る。

月明かりが切腹したグノーシャと蜻蛉斬りを明るく照らした。


・・・・・・


・・・・


・・






これで全てが終わる


私は死んで詫びなければならない。


きぇああぁぁぁ!!
!?


切腹したグノーシャの名は女銃鹿!


「切腹したグノーシャの名は女銃鹿」

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蜻蛉斬りの刀が…


女銃鹿の首に叩き
つけられた!



赤衝撃












【新宿の高層ビル】

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同時刻。
新宿の一等地にある高層ビル。

高層ビルのオフィスで2人のグノーシャが会話をしていた。


「高層ビルのオフィス」

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女銃鹿は死んで詫びる道を選んだか。
相変わらず気の早い女だ。
死んでわびる……か……


グノーシャの1人はなゐの神衣。


「なゐの神衣(ないのかむい)」

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もう1人は男銃鹿(おじゅうか)と言う名前のグノーシャだった。


男銃鹿は先日ブラジルから帰国したばかりで、詳しい事情を知らない。


「男銃鹿(おじゅうか)」

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あまりに早いな。
早い?
島乃守が死んでわずか一週間だ。
あまりに早すぎる。


島乃守が死んでから一週間。

あいつは何をして何を感じていたんだ?



「女銃鹿は何をして何を感じていたんだ」

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そしてなぜ切腹を選んだ?


聞くだけ無駄な話だ。


それでも聞きたいか?


聞かせろ。
一応は俺の弟子だ。
手短に話そう。


なゐの神衣は静かに口を開いた。


・・・・・・・


・・・・


・・








そう…
あれは…

島乃守が死んだ翌日の出来事だ。


「女銃鹿の自宅」



・・・・・・。
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