第39話 | |
三号「邪魔されても俺が絶対に守るからな。仲間の俺が女銃鹿を守り続ける」 |
・・・・・・。 |
女銃鹿は60Gの攻撃で意識を刈られ気絶した。 |
【夢の中のできごと】 女銃鹿は夢を見ていた。 夢の中では女銃鹿は、島乃勇気(しまのゆうき)という名前の人間だった。 「島乃勇気(しまのゆうき)」 夢の舞台は東北にある人口300人の島。 島乃勇気は「妹の桜」と「父親の守」の3人で学校の通学路を歩いていた。 「通学路」 「妹の桜(さくら)」 「父親の守(まもり)」 |
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お姉ちゃん超暴虐なの♪ | |
うっ…… | |
お姉ちゃん…… | |
イジメっ子に電気アンマをかけて、泣かしちゃったよね。 イジメっ子の女子が、弱い者いじめをしてる現場で正義を暴走させて… イジメっ子をいじめちゃったね。 |
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プライドの高いイジメっ子のリーダーは、みんなの前で電気アンマを喰らって泣いちゃったの! | |
いじめっ子の魂を破壊する脚撃! 見事なソウルブレイカーだよ! |
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やりすぎだったと思います。 反省してます。 |
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暴虐の真面目ちゃん島乃勇気の武威は、島中に響き渡ったの。 |
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うっ…… 反省してます。 |
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反省している島乃勇気の頭を、島乃守が優しくなぜた。 |
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まぁ…… お姉ちゃんの正義は間違ってないよ。 |
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イジメが許せなかったんだろ? だからいじめっ子に電気アンマをかけたんだろ? |
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は……はい。 | |
後はパパに任せなさい。 ワシが平和な形で解決する。 |
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最後は親頼みですか? 情けないです。 |
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パパは勇気がどうなっても勇気の味方だよ。 | |
でもあんまり無茶はしないでくれ。 もっと自分を大事にしなさい。 |
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・・・・ ・・ |
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女銃鹿。 |
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え? | |
突然、島乃勇気の周囲が真っ暗になり…… 島乃勇気の体は闇の奥へ吸いこまれた。 「闇の奥へ吸いこまれた」 |
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ん? | |
女銃鹿! 女銃鹿! |
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三号が女銃鹿の体を前後にゆすっている。 泣きだしそうな声で女銃鹿に声をかけている。 |
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ここは? 私が気絶した森? |
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女銃鹿は愛知県のとある森で気絶していた。 「女銃鹿が気絶した愛知県の森」 |
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夢を見ていた? 私が人間だった頃の夢? |
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女銃鹿大丈夫か? 10分ぐらい気絶していたぞ。 |
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大丈夫です。 すぐに大闘争を再開します。 |
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女銃鹿の肉体にはダメージが残っていないようだ。 |
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すぐに戦うのか? もっと自分を大事にしろよ。 |
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もっと自分を大事にしろ… ですか? |
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夢の中でも言われました。 女銃鹿は三号のセリフに軽く驚き、苦笑いした。 |
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プルルルル……プルルルル…… | |
三号の胸ポケットにしまってあった携帯電話が鳴り響く。 |
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? | |
俺に電話? 妹ちゃんか? |
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三号はあたふたしながら携帯電話のスイッチをいれた。 |
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もしもし……妹ちゃんか? | |
残念♪ | |
60Gちゃんからのお電話でした♪ |
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なっ…… 俺に何の用だ? |
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女銃鹿に直接言っても聞きゃしねーしな。 お前に電話する。 |
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今回の処刑はあきらめてくれ。 俺の力はこんなもんじゃない。 女銃鹿を病院送りにする前に撤退してくれ。 |
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あんた女銃鹿の仲間だろ。 なんで女銃鹿の邪魔をするんだよ? |
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理由は言えん。 だが女銃鹿のためだ。 |
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女銃鹿のため? | |
そんなわけがあるか! |
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・・・・・。 | |
処刑の邪魔をしているのに何が女銃鹿のためだ! | |
仲間ならもっと協力しろよ! せめて邪魔すんなよ! |
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仲間ねー。 | |
お前は女銃鹿が仲間だから、処刑に協力しているのか? |
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そうだ! | |
お前自身は処刑をどう考えている? |
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え? それは? |
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三号は口ごもり解答できなかった。 ・・・・ ・・ |
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もういいよ。 | |
おまえけっこう怖い奴だな。 自分の脳みそで考えて行動しろよ。 処刑反対、処刑賛成以前の問題だ。 |
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俺はちゃんと考えて行動している! あんたこそ仲間をなんだと思ってるんだ! |
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女銃鹿が処刑したいなら応援すればいい! なんでそんなことも分からない! |
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おまえを女銃鹿に預けたのは失敗だったかもな。 | |
俺がお前を預かるべきだった。 |
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あんたと話すことなどない! | |
3号は怒り狂い携帯電話を握りつぶした。 |
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おいおい。 キレすぎだ3号。 |
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頭の固いグノーシャ2人と戦闘か…… ほんと損な役回りだ。 60Gは人差し指と親指で眉間の肉をつかんで苦悩した。 【愛知県の森】 |
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ふざけるな! 何が怖い奴だ! |
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どんな話ですか? | |
60Gが女銃鹿のために撤退しろと言いやがった。 | |
私のために撤退? くだらない冗談です。 |
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それとだ…… | |
・・・・ ・・ 女銃鹿、俺は怖いグノーシャか? 3号は女銃鹿に恐る恐る質問した。 |
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・・・・? いえ、怖くないですよ。 |
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だよな。 安心した。 |
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3号にとって女銃鹿の言葉は心強かった。 3号は優しくほほ笑み、ゆっくりと立ち上がる。 |
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さっきの攻撃は守れなかったけど、次の攻撃は守るから。 |
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60Gの衝撃波を防御できるのですか? | |
根拠はないけど、簡単に防御できる気がする。 | |
根拠はないけど。 この戦いは楽勝だと思う。 |
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本当に根拠がないですね。 |
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俺を最後まで信じてくれ。 俺は女銃鹿を最後まで守る。 |
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え…… 最後まで守る? |
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あの……いきなりですね。 |
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? | |
最後まで守るというセリフは、プロポーズみたいに聞こえますよ。 | |
女銃鹿は顔を真っ赤にして唇を噛んだ。 |
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え? なんかマズイこと言ったか? |
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何もありません。 すぐに冷静になります。 |
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女銃鹿は拳を振り上げ…… 自分の腹部にボディブローで攻撃した! |
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ゲハっ! | |
拳が女銃鹿の肝臓に突き刺さる。 胃液が逆流し口の中が苦い味で満たされた。 |
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え? 何? どういうこと? |
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冷静になりました。 魂の奥底から何もないので気にしないでください。 |
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??? | |
女銃鹿は鼻の穴から胃液を流しながら強がった。 |
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な……なんだか分からないが…… 俺が最後まで防御するからな。 |
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三号君の言葉を信じます。 攻撃に集中するので守ってください。 |
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おう。 まかせろ。 |
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大闘争を再開します! | |
女銃鹿は素早く立ち上がり… ニューナンブm60の銃口を岩手県に向けた。 |
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起きあがってすぐに銃撃かよ。 どんだけ元気なんだよ。 |
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島乃守を処刑します。 | |
何度挑んでも… 何度挑んでも… |
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無駄だ! 60Gの体から巨大な衝撃波が発生した。 巨大な衝撃波は60Gの周囲100mにある木々を稲のように倒す。 |
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痛い目に合わないと分からないかもな。 今度は病院送りにしてやる。 |
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衝撃波は、エコバックに入っていた50発の50口径弾を上空に浮き上がらせ… マッハ1000のスピードで愛知県まで送り届けた。 「キャラの現在位置」 |
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!? | |
大量の弾が来ます! た、対応できません! |
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・・・・・・。 | |
衝撃波の大軍団を喰らいやがれ! | |
弾丸の群れは音速の壁を越え… 熱の壁を越え… あってはならないスピードで愛知県に到達した。 |
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!? | |
50発の弾丸と弾丸は女銃鹿の100m上空で衝突! 25波の巨大衝撃波が発生した! 「25波の巨大衝撃波」 |
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力の差に絶望しろ。 絶望してあきらめちまえ。 |
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直径30kmの範囲は… 衝撃波で塗りつぶされた! |
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私では60Gに…… | |
台風さえも吹き飛ばしそうな衝撃波の… 圧力! 圧力! 圧力! |
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!!!! | |
女銃鹿は絶望し声も出せない。 空を暴れ尽くした衝撃波は… ゆっくりと縮小した。 |
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攻撃終了。 ∞視点で女銃鹿を探すか… |
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死なれたら元も子もない。 すぐに見つけて救援を要請しよう。 縮小した衝撃波は完全に消滅し、愛知県の森は静寂を取り戻した。 |
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・・・・・・。 | |
60Gは∞視点で女銃鹿がいた森を目視した。 そして… ・・・・ ・・ 驚愕した。 |
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全て無傷!? |
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・・・・・・。 | |
・・・・・・。 | |
「全て無傷」 女銃鹿は無傷だった。 3号も無傷だった。 直径30kmの木々を根こそぎ倒木させるほどの巨大衝撃波だった。 しかし森の木々は変化していない。 葉っぱ1枚落ちなかった。 木の枝1つゆれなかった。 無傷のスズメが空を飛んでいる。 |
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なにが起きた? 俺の攻撃はどうなった? |
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60Gは困惑した。 |
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すげーな。 これが俺の∞防御か… |
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売れ杉三号は小さくつぶやく。 |
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ここまで凄い∞防御は初めて見ます。 | |
もしかして∞防御か? | |
全ての衝撃波を防御したのか? どうやって防御した? |
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どや? | |
完全に守りきったぜ。 |
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お父様が3号君に興味を示した理由が分かりました。 | |
俺がいれば60Gには負けないよな。 | |
!? | |
確かに、遠距離戦なら負ける気がしません。 |
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女銃鹿、犯罪者を処刑してくれ。 | |
邪魔されても俺が絶対に守るからな。 仲間の俺が女銃鹿を守り続ける。 |
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三号君。 あなたを仲間にできて本当に良かった。 |
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お・・おう。 | |
女銃鹿はニューナンブm60の銃口を岩手県にいる島乃守に向けた。 |
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今度こそ三号君を信じます。 | |
三号君がいれば60Gの攻撃は無意味です。 次の銃撃で島乃守を処刑します。 |
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ば、ばか……やめろ…… | |
銃口を向けている相手は… お前が人間だった時の父親だ! 「島乃守は女銃鹿が人間だった時の父親」 |
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・・・・・・。 | |
終幕です! | |
女銃鹿がニューナンブm60の引き金をしぼる。 撃針が雷管を殴る! 撃針が雷管を殴る! 撃針が雷管を殴る! 撃針が雷管を殴る! 撃針が雷管を殴る! 5発の銃弾は銃身という短いトンネルを抜け… 岩手県にいる島乃守に向かって直進した! |
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