第25話 | |
勇気「妹を殺した殺人鬼を許しません。目には目を、歯には歯を、妹の命には犯人の命で償わせます」 |
現時点で島にすむ30人の子供が殺されたようだ。 | |
許しませんよ。 絶対に島民の手で処刑します。 |
「東北にある人口300人の島」 ここは東北にある人口300人の島。 蜻蛉斬りは60Gと別れ。 島の小さな港町を歩いていた。 魚屋が3件、飲食店が2件あるだけの小さな小さな港町。 周囲は海産物の匂いで満たされていた。 |
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お父様は痩男(ヤセオトコ)が、300人の人間に変身し島に入りこんだといった。 |
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島に住んでいた人間は全員殺されたといった。 |
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蜻蛉斬りは「なゐの神衣」に言われた情報を思い出しながら、テクテク歩く。
小さな港町には誰もいない。 正確には家の中で人の気配を感じるが、視界内に誰も歩いてない。 |
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痩男(ヤセオトコ)の目的を見定めてから、皆殺しにする。 | |
・・・・ ・・ |
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止まってください! |
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(ファーストコンタクトさてどうでる?) | |
4人のショベルを持った男女が走りながら、蜻蛉斬りに近づいてきた。 4人の中には妹を殺された島乃勇気の姿があった。 |
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魚屋の魚八(ととはち)から知らない子供が道を歩いていると連絡がありました。 こんな所で何をしてるんですか? |
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ロリ巨乳の美少女ー♪ | |
オタクっぽい外見の小太りな島民が、蜻蛉斬りをジロジロ見ながらそう答えた。 |
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まさかファーストコンタクトでロリキョヌー認定とは…… すごい精神攻撃だ! |
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勇気がオタクっぽい外見の島民をゲンコツで殴る。 |
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失礼なことをいってすいません。 この男の耳をダンボになるまで引っ張ってオシオキするので、許して下さい。 |
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どういった要件で? | |
緊急事態ですので手短に要件を伝えます。 | |
この島で子供ばかりを狙った殺人犯が徘徊しています。 危険ですので島の公民館まで退避してください。 |
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子供ばかりを殺す? | |
そうです! あなたも危ないですよ。 急いで避難してください。 |
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子供を殺す痩男と聞くと… 善知鳥(うとう)を連想する |
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痩男(やせおとこ)??? 善知鳥(うとう)??? |
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初めて聞く言葉に勇気達は困惑した。 この少女が何を考えているのか皆目見当がつかない。 |
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嬢ちゃん何を言ってるんだ? 厨二病のギャグか何かか? |
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もしかして何か知ってるんですか? | |
蜻蛉斬りは常にマイペースだ。 自分の知識と自分に与えられた情報を照合しながら思案した。 ・・・・ ・・ |
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(うん「痩男」がやろうとしてることの輪郭がつかめた) |
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痩男は能面のグノーシャ。 芸に使う道具のグノーシャ。 ゆえにやろうとしている事が実に明快。 |
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??? | |
・・・・・。 | |
蜻蛉斬りがひとりで勝手に納得した。 蜻蛉斬りはクルリと旋回する。 そして北に向かって歩き出した。 |
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待てぇ! |
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何か? | |
もしかしたらあなたは殺人鬼のことを、何か知っているのでは? | |
蜻蛉斬りが振り返ると、鬼のような形相をした4人の島民がこちらを凝視している。 さっき話した島民とはまるで別人。 彼らは復讐に飢えた野獣のような目をしていた。 |
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殺人鬼? 知らない。 |
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口でならなんとでも言えます。 |
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あなた方の精神状態は恐ろしい。 私のような少女に殺気をぶつける意味が分からない。 |
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ぐっ!? | |
蜻蛉斬りは4人の島民がシャベルを握りしめているのを、チラリと見た。 |
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なるほど。 このシャベルをつかって殺人鬼を処刑する予定。 |
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武器のチョイスは悪くない。 |
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それは・・・。 | |
やめたほうがいい。 返り討ちにあって死ぬだけ。 |
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!! | |
あんたに何が分かるんだ! 私は大事な妹を殺された! |
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ここにいるみんなだって大事な人を殺されたんだ! |
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(うん……この女は死ぬ) |
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血を吸った蚊のように無残につぶされ。 つぶされた蚊のように、血と肉片でできた花火をまき散らすだろう。 |
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復讐心で人を殺すなんてくだらない。 そんなものに命をかける価値はない。 |
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!! | |
あんた随分と知ったような顔で、ズケズケ言うんだな。 | |
4人の島民の中で一番体格のいい男が、蜻蛉斬りの胸倉をつかんだ。 |
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(いくらなんでも頭に血がのぼりすぎ、ロリキョヌーに暴力いくない) | |
あんたは欧米の左派政治家や、フランス人作家の「アルベール・カミュ」みたいに、屁理屈をこねて処刑や復讐を否定している口か? |
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それとも「漫画の主人公」のように、復讐の連鎖などと言って復讐を否定している人ですか? |
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復讐心で人を殺す者は愚か者。 | |
ギリッ・・ | |
殺すなら復讐心ではなく「世」や「主君」のために殺すべきだ。 | |
人を不幸にする極悪人は、世のため人のために殺処分すべき。 主君の大義を阻む不埒な輩は、討伐すべき。 |
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殺処分? 討伐? |
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そこに復讐心などというくだらない感情は必要ない。 |
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あなたは何を言ってるんですか? あなたの独りよがりな妄言に興味はありません。 |
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私もあなたがたに興味ない。 さよなら。 |
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駄目です。 一緒に来てもらいます。 |
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∞機動 |
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!? | |
蜻蛉斬りが「∞機動」といった瞬間…… 勇気達の周囲に突風が発生した。 突風が周囲のチリを舞い上げる。 |
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女の子が……いない? | |
蜻蛉斬りの胸倉をつかんでいた男が驚愕した。 突然、蜻蛉斬りの姿が消えたのだ! 普通の消え方ではない。 突風に襲われたロウソクの火のように突然消失した。 |
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消えた!? | |
なななな……なんだ……? 一体全体何者なんだ? |
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∞機動。 それは∞とも思えるスピードで移動する能力。 蜻蛉斬りはニュートリノと同じ、秒速299798kmのスピードでその場を離脱した。 |
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【島の高台】 蜻蛉斬りは島の中心にある高台の上まで移動した。 標高40mの小さな山に立てられた木製の高台。 高台の上は汚い段ボールが散乱していた。 |
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もしもしー。 | |
もしもしーわたしわたし。 わたしわたし詐欺ー。 |
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蜻蛉斬りは高台の上で60Gと携帯電話で通話した。 |
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なんすか蜻蛉斬りさん。 | |
痩男(やせおとこ)のやろうとしていることが、だいたい分かった気がするー。 | |
早っ! 探偵モノのアニメだったら開始5分で謎を解くぐらい早っ! |
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痩男は… | |
本物の命を使った殺人舞台がやりたい…かも? |
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殺人舞台??? かも??? どういうことか教えて下さい! |
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詳細な説明はまだ無理ー。 とりあえず何が本物で何がニセモノか確認してから、再度連絡する。 |
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蜻蛉斬りさん! わけがわかりませんよ! 説明責任を要求します。 |
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ピッ! 蜻蛉斬りは携帯の通話を一方的に切った。 |
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一番ニセモノっぽいのに攻撃すれば答えが分かる。 詳細な説明はそのあとー。 |
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蜻蛉斬り(とんぼきり)は自分の左肩で背負っていた都市迷彩柄のゴルフバックを床に降ろし。 ゴルフバックを開けて奇妙な武器を取り出した。 奇妙な武器は全長70cmぐらいの小型ミサイルとセットになっていた。 ミサイルを置く台と手を握るグリップそして主軸で構成されている。 蜻蛉斬りはこの武器を「槍投げ機」と呼んでいた。 |
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・・・・・。 | |
蜻蛉斬りは槍投げ機に小型ミサイルをセットする。 小型ミサイルの側面には「瓶通し(かめどおし)の槍」という銘が刻まれていた。 |
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目標は南。 | |
蜻蛉斬りは南を向き。 槍投げ機のグリップを右手でつかみ右ひじを真っすぐ後ろに下げた。 そして左腕を前に突きだす。 その姿は陸上の槍投げ選手が槍を投げる体勢に似ていた。 |
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∞視点 ∞防御 ∞射程 ∞威力 同時使用 |
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蜻蛉斬りがそういうと周囲の空気が圧力変化をおこし、蜻蛉斬りの周辺で空振が発生。 空気の振動が波のように広がり。 床に落ちていた段ボールを蹴散らした。 |
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∞ 攻 撃 |
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蜻蛉斬りは右腕と右肩を前に突き出し。 槍投げ機を振った。 槍投げ機の上にセットされた小型ミサイルが、前に放り投げられる。 爆発的なエネルギーで投げられた小型ミサイルは、一瞬で光速を越えるスピードになり・・・ 光のドップラー効果で七色に輝いた |
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うん。 グノーシャは無数の物理法則を無視しすぎ。 |
「補足説明」 アルベール・カミュ ノーベル文学賞を受賞したフランスの超偉い作家。死刑廃止のために物凄く努力した人。パパが公開処刑のギロチンを見てゲロ吐いた。 漫画の主人公 ここで言われている漫画の主人公はトライガンのヴァッシュみたいな人権派ヒーローのことをいう。「トライガン」や「るろうに剣心」が売れてから、そういうヒーローが増えた……かも? |
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